■来週の営業日程を、またしても少々変更しなければならなくなりました。
16日(火)と20日(土)の両日は12時より20時で営業いたしますが、18日(木)は臨時休業とさせていただきます。こうなると、もう店としての意味があるのかと、我ながら疑わしくもなってまいりますが、お客様には予めご承知おき下さいますようお願い申し上げます。
■と云うわけで、まだぎりぎりお約束の15日(月)のうちに、新着品のご紹介。現代美術関係は久しぶりの入荷です。
『IN THE SPIRIT OF FLUXUS』。フルクサスの作品のレプリカをアタシュケースに収めたもので、画像1点目は、そのケースを開けたところ。
1993年、ミネアポリスのウォーカー・アートセンターでの展覧会に際して 先ず50セットが、以後も引き続き展覧会が巡回を続けられていた1994年に50セットが追加制作され、合計100点がつくられたアーティスト・ブック - と云うよりアーティスト・グッズ? -です。入荷したのは1994年に制作・発売された50部の内の27番。
世界で100セットという希少品だけあって、ケンサクして出てくる情報は決して多くありません。従って、一体ゼンタイ完品はどういう構成となっているのか、先週末来、情報を探しては突き合わせるということをやってみたのですが、どうも簡単に「完本」と断定できないところがあるようです。というのも、サイトによってははっきりと「内容物は少しずつ異なる」と記述している ケースもあり、『イン・ザ・スピリット・オブ・フルクサス』の内容、極端に云えば1点毎に異なっていたとしてもおかしくなさそう。現品については、トランク内での収まり具合や、確認できた画像、クレジット等と比較して見て、1点、ジョージ・ブレクトの「Drip music」(11.5×9cmのカード)が入っていない他は、頒布された当初から大きな欠落はないものと判断しました。画像2点目はアタッシュケースからその内容物を取り出してみたところですが、①ジェフ・バーナーの 「Cosmic Inventory Kit Ⅱ」や②バルバラ&ピーター・ムーアの「Flux Tellus」(=カセットテープ)は未開封。「Cosmic Inventory Kit Ⅱ」に付いているタグには、バーナー自筆による署名とシリアルナンバー他の記載があります。
内容物はこの他、③白地に文字を印刷したカード4点=ジョージ・ブレクト「Solo for violin」小杉武久「ORGANIC MUSIC」塩見允枝子「WATER MUSIC」他、④ベン・ヴォーティエの「Tシャツ」、⑥ロバート・ワッツの「STAMP」(切手と専用ケース)、⑦ラリー・ミラーの「Flux Box. Do-it-yourself. Excellent 1992」(プラスチックの箱と印刷物)、⑧ヨーコ・オノの「Frame enlargement」(紙袋)、⑨カラーカードと缶バッチ各3点、⑩「Fluxus is coming」クリップ止めされたエフェメラ5点、⑪ランチョンマット(同じものが5点)、⑫ポスター、⑬ポストカード、⑭ゴム印、⑮鉛筆、そして⑯書籍(=図録)など。
さて、店に入れるタイミングですが、何分にもこちら、アタッシュケースのまんま電車で移動ということになりますので、天候が安定している日という以外はいまのところ未定。ご興味お持ちの方は先ずはお問合せいただければ幸いです。
■五輪エンブレム問題をめぐって、少しの間、止まっていた更新が再開されました。事実関係の記録にとどまることを良しとせず、さらに深い思索へと歩を進めようとする強い意思。敬服に値すると思います。http://hiranokeiko.tokyo/
以下は、2月11日付・朝日新聞掲載のエマニュエル・トッドへのインタビューから。例えば「虚偽」という一点で考えても、不倫とやせ我慢の美学とでは美学 とやらの方がずっと罪深いはずなんですが。スマホ片手に思考停止していて良いことは何もないのだとの思いをますます強くする、「深く考える」人たちの言葉 です。
――簡単に解けない多くの難題が立ちはだかっているようです。何が今できるのでしょうか。
「この段階で取り組まなければならないのは、虚偽からの脱却です。お互いにうそをつく人々、自分が何をしようとしているかについてうそをつく社会。自分を依然として自由、平等、友愛の国という社会。知的な危機です」
「それは本当に起きていることを直視するのを妨げます」
■今週から本格的に市場に復帰。したものの。一向に意気があがらず従って戦果もあがらず。このままスランプか?の悪い予感もありますが、とにかく今週の新着品です。不甲斐ないこと甚だしい1点きりのご紹介となります。
画像中に記した「明治期雑誌表紙コレクション」と云うのはあくまで小店がつけた仮題。実際には表紙にも背にも何も書かれていない上製仕立ての大判・横長のアルバム様の3冊に、雑誌の表紙と一部、絵葉書の袋とを糊で貼り付けたものです。
アルバム3冊に集められた表紙は380点超(絵葉書の袋はこの内40点)。大正初期のもの数十点を含みますが、ほとんどは明治20年代後半から40年代後半にかけての発行で明治30年代のものが大多数となっています。
最多は紅葉、鏡花、鴎外はじめ明治の文豪が筆を競った『新小説』の112点で、『新小説』だけで1冊にまとめられています。他に、日本の文学史を学ぶ際には必ず出てくる与謝野鉄幹主宰の『明星』7点、短歌史上にその名を残す『馬酔木』は1点ながら創刊号(!)、臨時増刊含め『文藝倶楽部』が48点、『新声』が14点。以下『』は省略しますが、文芸誌としてはこの他、小天地、ハガキ文学、文庫、活文壇といったところから、新文(言文一致会発行!)なんて云うものまで。無名通信一周年記念秘密号だとか、五月鯉、車百合、アラレ、みのむし……等々、初見・内容不明の雑誌多数。
これら文芸系の一群と、もうひとつの柱となっているのが美術・デザイン系の雑誌群で、神坂雪佳が表紙を手掛けているものも多い、たかしまや飯田呉服店の『新衣裳』38点や、全点、上野清江による表紙の『京雄女誌』17点、白木屋の『流行』15点の他、そのものずばりの専門誌『図按』、『美術之日本』、『衣裳界』等がそれぞれ6点以上。
全体を眺めれば、明治の日本のグラフィック・デザイナーが世界的なデザインの潮流=アール・ヌーヴォーを十分踏まえていたことがよく分かります。
要は名前も仕事も知らない先人が、雑誌発行からそう間のない時期に何らかの意図で集めた雑誌の表紙のコレクションということになるわけですが、それからほぼ1世紀経ったいま、これだけの雑誌を買い集めようとしたらどれだけのお金と時間がかかることか。だんしゃりダンシャリと喧しい昨今ですが、「捨てぬが勝ち」ということだってあるのだと、誰か大声で云ってくれないものでしょうかねえ。
それにしてもしかし来週は腹を据えて市場に臨みたいと思います(-"-) 復調まで、いましばらくお待ちいただけますようお願い申し上げます<(_ _)>
■帰ってまいりました。「第32回 銀座 古書の市」が開催されていた松屋銀座から南青山の日月堂へ。「古書の市」会期中は、多くの方のご来場を賜り、本当に有難うございました。おかげさまで万事滞りなく会期を終えることができました。毎年、ここでしかお目にかかれない方々もいらして、そうした方たちとあいまみえるのも松屋銀座での楽しみとなりました。終わってしまえばあっと云う間の6日間でした。
がしかし。会期6日、搬入日含めると7日間、朝10時から夜8時まで百貨店に貼り付きというのが年々キツくなってくることと云ったそれはもう。会期翌日の26日はまるで呆けた状態で身動きもできず。そろそろトシのことも真剣に考えて仕事をしないといけないなと痛感した今年です。思えば50も半ば。
お気づきの方もおられましょうが、ここまでは言い訳。疲労困憊を理由に、今週はHPの更新をお休みさせていただこうというのが狙いであります。催事によるお休みと合わせると連続2週の休みと云うかサボ……ですが、どうかご海容を賜りますように平にお願い申し上げます。
画像は現在の店内風景より。いつになくさっぱりすっきりした店内は、我ながらちょっと居心地がよろしい。来週は例によって火・木・土曜日の各日12時より 20時まで、再び戻ってきたこの店で、明治期の雑誌の表紙をスクラップした貼り込み帖等新着品とともに、ご来店をお待ちいたしております!
■と、このまま終わるのも寂しいので。最近読んだものから、これはと思った記事をひとつ。キャスターも凄ければ、その凄さに迫った書き手も凄い。いずれにしても「いやな時代」であることは間違いないのだけれど、だからこそなおさら、せめてマスメディアに関係する方々には、これくらいのことを読み取り伝えて欲しいものです。
https://www.google.com/culturalinstitute/exhibit/DQJy0GVoqh1eKg?projectId=made-in-japan&hl=ja&position=0%3A0
もうひとつ。時間がかかっても全部見ておきたいと思ったサイトがこちら。あ。唐長さんの京唐紙は、長きにわたり小店店頭で販売中。もちろんいまも。売り切れる日は果たして来るのか !?
https://www.google.com/culturalinstitute/browse/?q.openId=8129907598665562501&projectId=made-in-japan&v.filter=exhibits&hl=ja