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15/07/25 新着品のご紹介は週明けに。本日のみ閉店時間を30分ほど繰り上げさせていただきます。

来週は週3日通常営業いたしますが、7/25(土)は所用のため閉店時間を30分ほど繰り上げ、12時より19時30分までの営業とさせていただきます。甚だややこしいこと心苦しく存じますが、ご了解賜りますようお願い申し上げます。
週明けご紹介を予定している新着品は、日ロ戦争当時の参戦各国の軍服・装備関係写真帖と、戦中の中国・鉄嶺の写真帖と、久しぶりの写真資料となります。 また、ブラジル日系移民の写真1箱分、戦前の絵本・児童書2本口、植草甚一旧蔵記名入り洋書5冊、20世紀初頭天文学関係洋書3冊などが明日には店に入ります。
画像を1点。1932年2月16日の日付のあるニューヨーク・タウン・ホール・クラブでの鶴見佑輔を囲んだ晩餐会の写真です。ウィキに「スケールの大きな率直な人柄」とありますが、鶴見和子、鶴見俊輔を育てたという1点をとっても、その人となりは充分うかがえるのではないでしょうか。 7月20日、その鶴見俊輔が死去しました。93歳。私はまったくもって良き読者とはいえませんでしたが、鶴見俊輔という人の言動に、リベラリストのあるべき姿の多くを教えられてきたように思います。およそ対極にあって闘争相手となった岸信介の孫が、岸のやり遂げられなかった「普通の国」とやらへの退行を進める渦中で知らされた死が、よりによって鶴見俊輔のものであろうとは…。大きな歴史の隣で、私は私の日常を続けないといけません。週明け月曜日には、気持ちも新たにまたお目にかかります。

 

 

15/07/18 神坂雪佳他顧問・古谷紅麟編 図案雑誌『魁』13冊が入荷! 『茶家酔古襍』茶道愛好家の基礎知識集

■偶然にも、前回アップした『新美術海』ともしかしたら密接な関連性をもつ-と思われる-明治の図案雑誌が入荷しました。『魁』と題し明治33(1900)年に創刊明治35(1902)年までに全14冊が刊行された雑誌で、今回入荷したのはこのうちの13冊。あいにく1冊だけ、第12号が欠号となっておりますが、一括での販売とさせていただきます。
この『魁』、発売所を「山田芸艸堂」とし、発行所は「魁成舎」という名前がクレジットされています。で、この魁成舎というのがどうもクセモノ。巻末に記された「舎則」によれば、金子錦二、谷口香キョウ(山偏に喬)、そして神坂雪香の3名を顧問とし、主任には、古谷紅麟の名前が。雪香と紅麟、明治35年終刊 …… 奇しくも『魁』が終刊した明治35年に創刊され、雪香と紅麟とが関わった『新美術海』と『魁』の関係 - また、先行誌とされる『美術海』を含めると3誌の関係 - がちょっと気になってきます。ふーむ。
ふーむ。と感じ入っていても何も進んでいかないので話を進めると、創刊号の巻頭言によれば(かなり意訳) …… 日本の工芸製品の意匠といえば、とりあえず茶家などに頼んでアイディアを得、それを製品に反映させるというようなことをやっているが、例え名匠であろうと多くは好みの偏ったものとなる。実用品として広く供給するものは、みな図案に依拠するものである。「百物革新の時に中り新を競い美を争」ういま、日本ばかりでなく「各国の風習」をも応用しようとすれば、図案を学ぶ他に道はない。よって、商工関係者の座右に備え参考にできるように、有智の意匠家を顧問に迎えその指導を仰ぎつつ、各種の図案を作成し月例で発行する ……というのが『魁』という雑誌発刊の趣旨。
A4、この当時としては珍しいアート紙を使用した片面刷・モノクロ図版が10P前後、巻頭にやはり片面刷でカラー特色刷または多色木版刷2Pが各号毎に置かれています。モノクロの図版には、染織、染色、陶磁器、蒔絵、指物、各種応用など用途も添えられています。


むむむ。眠たい。2点目は簡単なものに…と思ってみたら、ちょうど良いのがありました。嘉永元年(1848年)に発行された湖月老翁輯『茶家酔古襍』の5冊揃い。『魁』で否定されちゃった茶人関係 …… なんですが、出てくる挿画がいちいち愛らしくてつい。
茶人の系譜に始まり、陶工略系と楽印、茶人の花押、茶道具の様式別名称、古今名物裂、古筆鑑定家印譜、名物錦繍図説、印籠名譜、印章や根付その他茶にまつわるアイテム別の図説などなど、茶道心得の基礎を網羅した感あり。縦8cm、横18cmというコンパクトなサイズの和本仕立て。熱心な趣味人ならキモノの袖やら懐やらに携帯して、時間を見つけては眺めていたのかも知れません。つまり、小さくて軽いという機能性を備えた江戸時代のモバイル。という売り言葉でどーでしょう。

■すでに振れる袖などどこにもないのに、何だこれ? ニッポン自爆??? とさえ思われた新国立競技場は、7月17日、首相により白紙に戻されました。計画見直しに関する首相の発言全文というのがこちら→http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2015071700751
「五輪は国民皆さんの祭典だ」「主役は国民一人ひとり」などとやけに国民、皆さんといった言葉が出てきます。あーた、いまさら何を仰るの。安保法制はどーして下さるの。安保法制の強行採決をしておいて直後の新国立競技場白紙撤回です。何とまあ分かりやすい大衆懐柔策でありましょうか。ばかにされちゃってますよ私らニッポンの民。
あ。もうひとつ。安藤忠雄の記者会見について面白かったのが下の記事。
http://www.huffingtonpost.jp/2015/07/17/new-and-old-national-stadium_n_7815472.html?ncid=fcbklnkjphpmg00000001
AB氏に話を戻すと、この方、選挙に勝ったという一点で、自分の考えは全て国民の意思であるかの如く主張されますが、実際には国民の支持率2割弱。で、「2割の支持しかない政党として、6割の国民が反対している採決をしてよいと思っているのか。」という民主主義の根本に関わる問題について → http://blogos.com/article/122875/
ことは9条の問題に留まりません。国民に対して、国土に対して、そして、憲法に対して、つまりは国家に対して、これほどまでに不実な首相も政権与党も私は他に知りません。「平和の党」なんてもうすっかり悪い冗談ですしね。
希望は、テストの合間にも国会前に、大阪駅周辺にと集まって自分の言葉で意思表示している若い人たちの展開。本気のサイトは→http://www.sealds.com/
こんなものまでつくっちゃうしなかなかのものです →https://www.youtube.com/watch?v=L9WjGyo9AU8&app=desktop
そして、AB倒すのはこんな日和見主義者たち? だったりするのかも。なのだそうで。げげげ。
http://blogs.yahoo.co.jp/miyasitama2000/63745789.html

15/07/14 日本のデザインをめぐる2点 - 1820年の下絵集と神坂雪佳監修・古谷紅麟編『新美術海』

■一足飛びに夏がやってきました。自然環境から人の行い・思考まで、日本列島あらゆるものが、どうもかなり荒っぽくなっているように思います。
こうなるとせめて市場でのご同業のみなさんも、もう少し荒っぽく手を抜いて下されば、なんて思うのですが、相変わらずお目こぼしはないし。キモノの図案・意匠関係の一口が出品された市場では、小店店主ほとんど殴られ放題、ボコボコにやられてしまいましたが、とりあえず辛うじて落手できたものから2点をご紹介。ボコボコにされたとはいえ、狙ったものの中でもかなり上位に位置づけていた品物です。

その1点目。新聞紙を四分の一程度にした大きさで、厚さは約7cm。長い時代を経た風格、威風堂々たる面構え - 黒ずんだ表紙まわりが何か圧倒的な存在感で迫ってくるこの和綴じ本、市場で一目見るなりアタマの中で「これは買わなければいけない」と警報が鳴り続けた品物で、こんなことは久しぶりでした。なかに手描きの図案、古典的な文様の写し、古裂現物の貼り込みなど、527点を収めた手製本です。
タイトルは『●●●屋下絵集』。頭3文字が欠けていて読めませんが、下絵=図案集であると。見返しには墨書きで「文政年庚辰 弥生月製集々 匂風斎(こうふうさい)秘蔵」とあり、従って文政3年=1820年、つまり今から約200年前のの4月に製作されたものと知れます。記名の横には「香風斎」の落款が見られ、当時、多少なりともその仕事が認められていた人ではなかったのかと思います。云ってみれば、江戸時代のファッション・デザイナーが残したデザインソース集というわけです。
図案素描は墨書きが中心ですが、彩色図版も多数。また、幾何学模様や縞、古典文様から植物や動物などをモチーフとした絵画的な作品まで、作風は多彩。ですが、細い線で細部まで描き込んだ筆致は共通しています。下絵の一部には、図案構成に必要だったであろう枡目の線が残されていて、図案作成の過程をのぞかせます。
図案・古裂の別なく527点全点四周を金色の罫で囲む丁寧な作りに加え、ページを繰る毎に現れるレイアウトも見事。威風堂々たる下絵集のこの存在感は、200年という時間の堆積ももちろんですが、作り手=旧蔵者が込めた思いの深さに与るものなのかも知れないと、そんなことを思う1冊です。
 

『新美術海』は京都の版元・芸艸堂 - 明治以来、木版刷の図案集で名高い版元 - から、『美術海』の後継誌として明治35(1902)年より発行された木版多色刷による図案集です。全7冊が刊行されたうち、2,3,6,7号の4冊が入荷いたしました。もちろん、4冊とも明治に出版された元版。木版刷図案集としてはよく知られたシリーズですが、『美術海』の編者が芸艸堂とされているのに対し、『新美術海』は神坂雪佳が監修し、古谷紅麟が編んだということもあってか、『美術海』と比べ目にする機会が少ないように思います。
神坂雪佳はいまさら云うまでもありませんが、エルメスに取り上げられるなど、近年、とくに海外での評価が高く、日本でも知られるようになった画家・図案家。古谷紅麟は、現在も紅麟の図案集を発行している芸艸堂のサイトによれば “雪佳の後継者として嘱望されながらも惜しくも夭逝した天才デザイナー”であり、“琳派ともアールヌーボーとも一線を画すオリジナルな世界を展開”したとのこと。
同じく芸艸堂のサイトで『新美術海』の紹介を見ると、“植物や花鳥風月をモチーフに、躍動感あふれる図案と美しい色彩の日本の伝統と西洋の近代が融合した新しい時代のデザイン集”とあり、1号につき片面刷り多色木版画を100図から120図を収めた贅沢さで、明治期を代表する図案集のひとつです。

■今週はこの他、戦前のマッチラベル貼込帖2冊明治の名刺大写真50枚ほど、江戸小紋と墨染絽の布見本帖各1点などが入荷しています。

『新美術海』も『美術海』も、昨春小店HPでご紹介した『浮世絵文様』も、実はいま、無料でダウンロードが可能です。データ公開しているのはスミソニアン・ライブラリー。収蔵元も公開元もいずれもアメリカ。「そうか、スミソニアンが収蔵するようなものが買えるのか!」と思うか、「やったね、タダだ!」と思うのか、残念ながら我が国内では後者が圧倒的多数で、小店がこれまで扱ってきた木版刷りの図案集はそのほとんどが海を渡って行くことになりました。そうです。浮世絵どころか岡田龍夫あたりまで含む先人の優れた感性と仕事に対する評価という点では、すでにもう日本の負け。コレクションは着々と海外で形成されていると推察され、国内は完敗と云える状況です。ああ、それでも国立新競技場2,500億円。それどころか、3,000億円超えの声も聞こえててきました。我がなけなしの都民税も、あやつに飲みこまれるのかと思うと無念でござる。うう。
あの建物、何故そこまでかかるのか、そして、現実に建てるとなると外苑西通りはじめ道路の拡張まで必要だよねェ~ というおっそろしい話が淡々と分かりやすく説明されているサイトがこちら → http://ameblo.jp/mori-arch-econo/entry-11744493834.html
近年の各国オリンピックの競技場がいくつもつくれてしまうという金額も、自分たちのやろうとしていることを批判するメディアは「こらしめる」なんて発言が出たり、沖縄の2紙は潰れてもらわないと困るという発言が「文化」とか「芸術」の名称を冠した与党政治家のグループのなかで出てくるのも、瞬間的におそろしいことだと分かるのだけれど、最近聞いた最も驚きかつ震えた言葉はこれでした。
「取材の最終日、沖縄戦の悲劇を伝えるひめゆり平和祈念資料館の見学を終え、昼食を取っていたときのことだ。/目の前に座った、全国紙の論説委員の男性はゆっくりと、それでいて威圧的な口調で言った。/「先日あなたがビデオ撮影について沖縄防衛局長にした質問は、防衛省の記録に残るだろう。むちゃなことはしないほうがいい。安倍政権を甘く見ないほうがいい」…… な、なな、なんなんですかこれ? こうなるともはやヤのつく世界のおそろしさ…ぶるぶる http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150703-00002210-kana-l14
そして、まずいことは握り潰されるという70年前の事実 http://blog.goo.ne.jp/mulligan3i/e/6373e9fcdda2502639dac8eb230adcad
どちらを向いてもうそ寒いような只今現在の日本、さて、来週半ば、暴挙を止める術は果たして……?


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