■お陰様でHPが復旧いたしました。ご心配をおかけし、大変申し訳ありませんでした。不具合の原因も未だ分からなければ、復旧の理由も分からないという不可解さですが、ともかく復旧したのを幸いに、早速、来週の営業のご案内を少し。
来週火曜日5月24日は所用のため、開店時間が遅れて午後3時過ぎからの予定です。この日にご来店をお考えの場合は、念のため、お電話で在席をご確認いただければ確実です。木曜・土曜日は通常の12時から20時で営業いたします。ご来店のほど、よろしくお願いいたします。
■今度の不具合はちょっと深刻かもと思っていたところに急転直下の復旧で、この短期間に染みついた「更新作業しなくていいんだもんね。わっはっはっ! 」と云うフザケた根性だけは依然居座っており、相変わらず市場は不調。実は、HPよりも店主の不具合の方が余程たちが悪そうで出るのはため息ばかりであります。その結果、今週の新着品は少々 こもの。しかも1点目はこれぞ小店の真骨頂、「格好良ければ全てよろしい!」という視点で掘り出した欧文冊子『Dutch Art + Architecture Today』です。表題の通り、オランダの美術・建築の最新動向のレビューをまとめたもので、テキストは全て英文。入荷したのは1977年から1980年に発行されたうちの7冊です。
それぞれ中綴じ40P前後、全号写真図版多数のビジュアル重視。サンセリフのすっきりした書体で統一された誌面は、戦前のデ・ステイルを継承したかのよう。実際、最新のパフォーマンス・アートや映像芸術、話題のアーティストや建築を扱いながら、「デ・ステイルとユートピア」といった見出しも散見されます。
全体にとても凝ったデザインなのですが、なかでも目をひくのが表紙。背の側に欧文を縦組みでレイアウトした誌名と、本文判型から2cm近く小口側に出っ張っている表紙共紙の部分が特徴的です。で、このはみ出した部分に注目してよく見ると、元は袋綴じだったことが分かります。表紙に貼り込まれた各号唯一のカラー部分はシールに印刷したのを貼り付けたもので、この部分のデザインが表紙の印象に大きく貢献しているばかりか、宛名シールを兼ねていて、なるほど「世界各国の美術・建築関 係者を対象に郵送する」ことを前提に考案されていることが分かります。機能を内包してこそデザインである - 当たり前のことなのに難しく、とくに最近は忘れられてしまっているのではないかと思うことの多い、デザインの本領を示す好例だと思います。
■茶色の厚紙に「MENU」という見出しと目次らしき活字が並ぶシールが貼られていて、マジックテープで留められた口を開くと中には未綴じのリーフが17葉。詩篇らしきも のがあるかと思えば写真作品があり、パフォーマンスのタイムスケジュールが書かれたものがあるかと思うと楽譜や図形楽譜らしきものがあり、これは一体何な のだろう…!?
はい。要点を先に云えば、音楽、とくに現代音楽に関係した人たちによる、世界に向けた自分たちの作品の伝播と、それを受け取った人たちから生まれる芸術の拡張を目指してつくられた、気宇壮大な一種のアーティスト・ブックです。
企画者でありグループの代表を務める伊藤タダユキは、ロバート・ヤノスの別名で詩を寄せており、当品にはヤノス名により某美術評論家に宛てて「MENU」 と云う新たなメディアの可能性を力説し、協力を要請する書簡2枚と、「MENU」第2号の発行と発送にかかる経費一覧が添付されています。
添付の見積もりによれば、300~500部の発行にかかるコストは30万前後。時は1988年。バブル期とは云え、決してお安い値段ではありません。ですがあの時代、志と経費とはパラレルの 関係にあると云われれば云われるまま、自然に受け止められる時代だったようには思います。
創刊号にあたる新着品には、伊藤の他、高橋アキ、当時頭角を現し つつあった吉村弘、野澤美香などが参加。次号ではさらに松平頼暁、近藤等則、トレヴァー・ウィシャートなどが参加予定者として挙げられています。
果たして2号目が発行されたのかどうかも定かではない「MENU」。もちろん私はこれが初見。そして、これから先、そう何度も扱える商品ではないように思います。
■今週のななめ読みから。
電通は日本のメディアを支配しているのか? → フランスメディアの発信を内田樹の研究室で翻訳
メディア腐敗の挙句の暴言 → 沖縄・米軍属の事件を「封じる」と問題発言!
お口直しはこちらをどうぞ。と云ってもここまでくると異常ですが → 若冲展待機列SF
HPも復旧いたしましたし、来週からは店主の不具合の解消に本格的に取り組む所存であります。
■いつもご高覧下さいまして本当に有難うございます。
プロバイダのセキュリティ強化対策の影響で、現在、小店HPの更新ができなくなっております。 新着品や営業に関するご案内から、在庫データの追加・削除もできない状況です。
■できるだけ早く復旧すべく、現在、対応を重ねておりますが、復旧までにはまだ少し時間がかかります。
このため、当面、小店の情報 - 新着品や店の営業、催事等 - につきましては、Facebookの日月堂のページでご確認いただけますよう何卒よろしくお願い申し上げます。
https://www.facebook.com/%E5%8F%A4%E6%9B%B8-%E6%97%A5%E6%9C%88%E5%A0%82-283455908403652/?ref=aymt_homepage_panel
尚、HPの閲覧、メールフォームからの通信やご注文などについては全く支障なく、また、セキュリティについてもこれまでと変わりなくご利用いただ けますのでご安心下さい。
■お知らせが遅くなりましたが明日からのゴールデンウィーク期間中、4月29日(金)より5月9日(月)まで、店、インターネット通販とも、お休みをいただきます。ご理解のほど何卒よろしくお願いいたします。
■そのGW中ですが、4月29日(金)より5月8日(日)まで、目黒のアンティークショップ ジェオグラフィカさんで開催されるアンティーク・マーケットに参加いたします。詳しくは下記のアドレスでご確認下さい。小店店主、現場に居るよといった情 報もまた、Facebookでお知らせいたします。
http://geographica.jp/fix-content/12th_anniv/index.html
復旧までいましばらくお時間をいただけますよう、そしてまた、復旧の後にはまたのご訪問をお待ちいたしております。何卒よろしくお願いいたします。
日月堂店主拝
■お約束を反故にして今週はじめの更新はパス。申し訳ございません。GWに開催されるジェオグラフィカでの蚤の市の準備で手がまわらなくなりました。それも何とか目鼻がついて、今週水曜・木曜は全連大市でした。案の定ボコボコに負けて帰宅いたしました。とぼとぼと帰宅した4月14日、さて、がしかし肩を落としてばかりで居るわけにもいかないやねと夕飯の支度にかかった矢先の地震でした。TVを見ると「熊本 震度7」の速報。熊本?震度7?と咄嗟には呑み込めなかったのですが、その後、次々に映し出される画像から徐々に甚大な災害だということが分かりました。被災した方には心よりお見舞い申し上げます。全連大市にもいらしていた熊本の古書店さん、被害が最小限でありますように。被災されたみなさま、心よりお見舞い申し上げます。どうか、1日も早く大地の揺れが収まり、日常を取り戻せますように祈念申し上げます。
それにしても、いまやどこで何が起こってもおかしくないこの小さな島国で、原発を動かし続けようという人たちの神経がさっぱり分かりません。理性か悟性のひとかけらもあれば、全廃へと舵をきるべきことは自明の理だろうに。先ずは有権者がもっとまじめにやりませう。4月24日をその第一歩として。
■戦前に日本とフランスで出版されたある1冊の薄い書物。水曜の下見日に出品されているのに気付き、一晩考えて入札。106,900円、 117,900円、137,900円、148,900円という4枚札で入札。封筒を触って確かめた競争相手は自分を除いて2人だけ。封筒がふくらんでいない時の方が、往々にしてギリギリの線での厳しい競り合いになることが多いので、あの札で万全なのか、いや、もう少し乗せておくべきか、改札ぎりぎりまで迷いました。迷った挙句、あの値段で逃しならばあきらめられると札を改めることをせず結果を待ちました。結果、落札価格は151,190円。逃しました。相手も てっぺんの札での落札だったので、その差はきっかり3,000円。この世界、金額の差がたとえ10円だろうが負けてしまえばその品物は一切手に入らない完全な負け。これ以上ないと云う100%の負けです。完膚なきまでに開きがあったり、相手にまだ上札が残っていてならあきらめもつきますが、両者上札で僅差の負けと云うのが一番よろしくありません。あとあとまで悔いが残ります。2月の中央市大市では、一番欲しかった1冊をあれも2千円だか3千円だかの差で負けたのでした。どちらも悔しい。今年、大市運にはつくづく見放されているようです。
で、こういう時に限って、もう絶対に手を出さないゾと心に誓っていたような「売りにくい」品筋についつい手を出してしまうというのもダメな時にありがちなお話しでありまして、今週の1点目がそれ。確かにとても良い本。華があるし、何と云っても世界共通の価値をもつものです。がしかし。レジェもサンドラールも日本人には受けない。全然受けてない。多分これからも受けない。なのにその割に高い。何せ世界共通価値ですから。ま、でも日本では売れませんわな。なのに。ですよ。なぜ。どうして。売れないと分かってるのに買ちゃうの!? …… というモンダイの1冊、『Entretien de Fernand Leger avec Blaise Cendrars et Louis Carre sur le paysage dans l'oeuvre de Leger』がそれ。パリの高名なギャラリー ルイ・カレで1954年に開催されたレジェの個展「le paysage dans l'oeuvre de Leger」に際して行われたレジェとルイ・カレ、レジェと親交の厚かったブレーズ・サンドラールと云う3人での対話をまとめ、1956年にパリで出版された軽装判の書籍です。ルイ・カレは日本ではあるいはアルヴァ・アアルトが手掛けたルイ・カレ邸で知られているかも知れません。旅を枕のアナキストにして現代詩の先駆者、前衛芸術家との親交でも知られるブーレーズ・サンドラール、そしてフェルナン・レジェという、私の頭の一部分はそれだけでちょっと嬉しくなるメンツではあるのですが。
モンダイの書籍は750部の限定本。B5をひとまわり大きくしたくらいの判型で、巻頭にサンドラールの筆跡を印刷に起こしたメッセージ1Pおよび録音された対話に関するコメント2Pを置き、本文は3名の会話で展開。レジェの多色刷リトグラフ6図(内2図は見開きで1図)およびモノクロ挿画が適宜挿入されています。レジェが好きな人は少ないかも知れません。がしかし、改めて眺めてみるにこの本は良い本です。いくら売れなくたって良い本なのではなかろーかと思う次第です。ふん。一生抱えてやるもんね。
■実は他に「これぞ」というのもあるのですが、いずれも和ものでレジェとの座りがあまりに悪く、しかも土曜日に店に到着の予定。というわけで、少し軽めの品物ですが、今週は洋ものラインナップとすることに。思えば久しぶりの洋モノ入荷でもあります。
少し前、と云ってもよく考えれば10年ほど前までは、それでもまだ年に1度位は市場で目にしていたような気がするバレエ・リュスのパンフレットも最近は全く見なくなりました。今回入荷したのは残念ながらディアギレフ没後、バジル大佐が率いたバレエ・リュス・ド・モンテカルロのもので、1934年、アメリカはミネソタ州の婦人クラブが招聘した公演のパンフレットです。従って英文。2月12日から14日までの3日間・4公演で6演目。ディアギレフのバレエ・リュスから継承したプログラムはレ・シルフィード、白鳥の湖、カルナバルの3つ。カルナバルではバクストの舞台美術を使用していたようです。また、1933年に制作され、レオニード・マシーンの振り付けでモンテカルロの代表作となった「美しきドナウ」が3公演でプログラムに組まれている他、ドラン作、オーリック音楽、バランシン振り付けの作品なども。
ディアギレフ当時と比べると、前衛という点では大きく後退していたと思われるモンテカルロのバレエ・リュスですが、1934年当時、バランシン、マシー ン、ウィジコフスキーが居、ダニロワ、マルコワが踊ったモンテカルロ初期は、そう捨てたものではなかったのだろうと思います。
■洋物の冊子・雑誌類の一括からこんなものを発見。『DARAUF SOLLTEN SIE ACHTEN… ES IST IHR VORTELL! 』。1967年、ドイツのノルトライン・ヴェストファーレン州の労働雇用監督官庁が発行した家庭と職場内での安全意識促進用のパンフレットなのですが、こ れがとんでもなくスタイリッシュでびっくり。シンディ・シャーマンを思わせる写真あり、ロシア構成主義的グラフィック表現あり、瞠目すべき40P。無駄に カッコイイというのはこういうのを云うのだというお手本。
洋ものではこの他、戦前の週刊写真雑誌が入荷、翻訳文学約20冊なども明日には入荷。また木版刷の図案集6冊その他和もの入荷の内何点かは来週にでもご紹介させていただきます。
*更新作業を進めている間、4月16日午前1時45分前後、緊急地震速報が間隙を置かず相次いで発令され、熊本の震度6強はじめ九州地方で強い地震が相次いで観測されました。その後、2時をまわっても各地の震度を示す画面が出続けています。午前3時近くになっても揺れ続けています。熊本市内でビルの倒壊、橋の落下、救援派遣要請が相次いでいるとのこと。現地の方たちは昨日来、眠れない夜を過ごしておられることと思います。どうかくれぐれもお気をつけて、そしてくれぐれも御身御大切に。 --- その熊本地震に関係して。
“今回の熊本地震で、この避難計画に組み込まれている九州新幹線や高速道路が軒並み脱線事故や地割れ・陥没を起こして使用不能となっています。つまり、川内原発周辺住民の安全を確保できているという前提が全く狂ってしまったことが、今回の地震の大きな教訓です。”
http://raymiyatake.jp/blog-entry-3340.html
“4月14日夜、熊本県で最大震度7を観測した地震の発生後、ツイッター上では「関東大震災」を思わせるデマのツイートが飛び交った。「熊本の朝鮮人が井 戸に毒を投げ込んだぞ」「熊本では朝鮮人の暴動に気をつけてください」といったものや、「火事場泥棒を狙ってくる不届な国がすぐ近くにありますから」と いった記述が見られる。”
https://www.bengo4.com/internet/1070/n_4544/
http://citrus-net.jp/article/736
これだけでも本当に情けないことですが、今週の斜めよみからもまた、無責任からデマまで、次々に何とよく出てくることか。日本人の劣化はもはやとどまるところを知らないとしか云いようがないじゃないかと暗澹たる気分に。「私自身はTPP断固反対と言ったことは一回も、ただの一回もございませんから、まるで私が言ったかのごとくの発言は謹んで貰いたい」と断言した人に至っては、自分のついた嘘を嘘と認識できないわけですから、これはもう一種の病い、人格破綻者としか思えません。
http://bylines.news.yahoo.co.jp/shivarei/20160411-00056464/
タックスヘイブンから見れば企業減税に何ら有難みなどあろうはずなく、この国の税収はひたすら縮み、素人博打のお陰で国民の年金は目減りする一方です。それでもまだ有権者にはできることがあります。そこに希望を託したいと思います。
http://editor.fem.jp/blog/?p=732
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160411-00010000-moneypost-bus_all