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18/05/31 更新は一回お休み! 6月2日(土)は開店時間が遅れます!!!

■先週お知らせいたしました通り、東京古書組合南部支部の大市のため、6月2日(土)は開店時間が遅れます。いまのところ15時頃を予定いたしておりますが、ご来店の際には念のためお電話でご確認下さい。03-3400-0327 におかけいただき、留守番電話になっている場合はまだ戻っておりませんので、ご注意いただければ幸いです。
ご不便をおかけいたしますが、何卒よろしくお願い申し上げます。

新着品についてのご紹介は1回お休みをいただきます。来週9日には再開いたします。こちらも引き続きよろしくお願いいたします。
尚、画像は本日店に到着した ウィリアム・モリスがデザインした壁紙・テキスタイルの見本帖です。
左のページにはページ大の大ぶりな染物の生地現物が貼り付けてあり、右側のページには各ページ2種類の壁紙現物が綴じ込まれています。さらに壁紙の横のスペースには厚みのある織物生地現物の貼り込みが。
最大の魅力は即ち「現物」の宝庫である、ということ。モリス商会で扱っていた染織繊維製品並びに壁紙を復刻生産していたもので、1990年前後のものではないかとみています。
見本帖のサイズは縦43cm・横51cm 。と云っても分かりにくいかも知れませんが、小店のキャビネットの上に置いて開いて堂々たるこの大きさ。上製、布装丁。大きい。厚い。重たい。と、いまどき売れない要素が見事揃った物体ですが、さすがはモリス意匠、やはりよろしきものであります。

 

 

18/05/26 珍本『不思議の國のアリス』と 渡辺一夫旧蔵ガラス乾板と

■ここのところ週三日の営業に臨時営業時間変更が加わって、実質、お客様を迎え入れられる日が週2日という店としてはあるまじき状況が続ておりますが、申し訳ございません、来週も 6月2日(土)は開店時間が遅れることになりそうです。この日は小店所属の東京古書組合南部支部で年に一度の大市が開催されます。前日に続いて朝から昼過ぎまでは入札に集中して来ようと。
と云うわけで、6月2日(土)は開店時間を15時頃からとさせていただきます。どうかご了承下さい。5月29日(火)・31日(木)は変更なく12時より20時で営業いたします。
度々ご不便おかけし申し訳ございませんが、何卒よろしくお願いいたします。

さて。今週の新着品。なななんと ! こんなものがあったとは !!! と少々驚いたもの2点あり。世の中まだまだどんなものがあるのか分からない。
1点目は『不思議の國のアリス』。ルイス・キャロルによるあの「アリス」。のはずなのですが。7cm×6cmの豆本。しかも「パラマウント超特作お伽映画」の副題つき。加えて裏表紙には「26日より上映 本郷座 三〇セン均一」云々の宣伝入り。
ページを開くと絵本の体裁。「文」はフジウラ コウ、「画」はミナガワ アキラとあり、前者は詩人・作詞家の藤浦洸とあたりもつきますが、後者はこれまでのところ不明。表2は「オカシノクニノ ヂヨウオウサマ」と謳った「森永チヨコレート」の広告。対向ページから始まる本文29Pは見開き片面を文章、もう片面を絵にあてていて、なるほどこの文字数なら端折ればアリスもお目覚めか、と、思いきや「サア ミナサン コレカラガ イヨイヨ オモシロクナルノデスヨ」と云って唐突に終わり。
もうお分かりだと思いますが、これ、映画のためのプロモーション・ツールだったというわけです。つまり、「この続きはスクリーンで ! 」。 

パラマウント社がルイス・キャロルの「不思議の国のアリス」を映画化したのは1903年、1915年、1933年とあり、当書は1898年生まれの藤浦洸の年齢から推量して1933(昭和8)年の作品の日本公開時のものと見られます。
この時代、映画は集客にそう苦労しなかったのか、週報を別にすると宣伝用のツールで面白いものは少ないように思います。こちら、極めて珍しい。「珍しい」と云う一点で比べると、1866年に本国で出版されたアリス初版本より珍しいのであります!(笑)
裏表紙の記載内容から、「本郷座」は封切館ではないだろうと思い念のためにGoogle先生に問い合わせたところ、明治初期より歌舞伎、新派、浪曲などで賑わった本郷座は関東大震災から暫くすると廃れ、この当時、松竹の映画館になっていたと云います。
むむ。待てよ。松竹の映画館? もし。万一。本郷座、「メトロポリス」でこんな冊子つくってたら … なんて考えただけで空恐ろしい。何しろこの『アリス』、絵本としては無名の人の絵で小さくて全然豪華じゃなくしかもて完結もしてないのになぜこんな値段になるの?という落札価格だったのでした。ご興味ある方は店頭で。もれなく店主の ぼやき がついてきます。

もう1点、「グラフィック集団」の珍しい仕事を見つけたので…と思うもただいますでに午前3時半をまわったところ。簡潔に済むものに急遽差し替え、画像は渡辺一夫の旧蔵品ガラス乾板。箱の表に貼り付けたペン書きが全て渡辺先生の自筆です。相当大切にされ、著書にも使ったガラス乾板9枚が大事に大事にしまわれています。 

■今週はこの他、ウィリアム・モリスのテキスタイルデザインを復刻生産した大型カタログ8冊、雑誌LIFEなどが入荷いたします。一旦片付いたはずの店ですが、またすぐに隙間が埋まっていきそうな…。

 

18/05/19 アナトール・フランス研究の第一人者旧蔵品より-ミュシャの挿絵本 モンベルの絵本など

■たかだか週3日の営業日、これさえも開けられなかったり不定期となると、それは果たして店と云えるんだろーか!? と自問しつつ、来週も火曜日は市場の関係でオープン時間が遅れます。5月22日(火)のご来店をお考えの場合は、15時以降、できるだけ遅めの時間でお願いいたします。24日(木)、26日(土)は12時より20時まで、いつものように営業いたします。
度々ご不便をおかけいたしまして恐縮に存じますが、引き続きよろしくお願いいたします。日月堂はまだ辛うじて店をやっておりますのですはい。

今週火曜日の東京洋書会大市では、実に久しぶりに「本」のヤマ=本口(7本)を落札しました。店内には整理しきれていなかったり出品準備が追いついていない本雑誌紙モノが充満しているというのに約100冊! しかも「本」!? 何故だ…? 
何故だってもまだ古本屋ですから買う時には買うわけで、しかし余程の理由がないと本はもう買っておりません。が、あえて今回「本」を買った理由が今週の新着品であります。
他にも1冊或いは数冊で市場に出品すれば相応の、と云うか相当の、金額で落札されたはずの本がその7本の本口には混じっていて、いまのところ分かっているだけで15冊前後はあろうかと。つまり、筋の良いコレクションだったわけです。19世紀末~20世紀はじめ、フランスで活躍した詩人、小説家、批評家アナトール・フランス研究の日本における第一人者の旧蔵品との由。実際、数冊を除き他全てがA・フランスの著書か研究書。
入札する段階で、この本口に混じっていると分かっていたのが、昨年、「スラヴ叙事詩」の展覧会で日本での知名度と人気をさらに高めることになったアルフォンス・ミュシャの手彩色画入りの『クリオ(CLIO)』でした。アール・ヌーヴォー様式、女性図、金彩の華やかな扉は実にミュシャらしい意匠。1900年の発行です。 
2冊とも1900年の発行で、手彩色画13図を所収。手仕事なのでどうしても色調に僅かな違いが生じてしまいますが、2冊では図版の絵柄も基本的な色使いも同一。テキストはもちろん全く同じ。なので、製本が気に入ったか何かで同じ本を2冊もっていたのだろうと思っていたのですが、落札して2冊を比べてみると本の厚みと紙質が違う。すでにお気づきの方もいらっしゃると思いますが、これがフランスの挿絵本ではよくあるヴァージョン違いと云うやつで。

画像向かって右、茶色の革背に金箔押しで花の意匠をあしらった方がいわゆる普及版。この普及版のタイトル対抗ページの記載によって、用紙に「JAPON」を使った限定100部本と用紙に「Chine」を採用しスイートを添付した限定50部版が存在することが分かりました。
画像向かって左側、濃紺の背にタイトルと著者名をシックに箔押しした本が、限定100部の「JAPON」(と云っても和紙様のものではなく、局紙と呼ばれるもの)ヴァージョンで当書は36番。
備忘を兼ねて書いておくと、左側の本の見返し裏に製本(バインディング)を手掛けた人の名前がV.シャンと記されているので念のために調べてみるとありました。愛書家のための下記のサイトに。
http://le-bibliomane.blogspot.jp/2011/12/victor-champs-1844-1912-petite-histoire.html
一見、右の方が高そうに見えますが、左の方がずっと価値高し。
といったところでとりあえず数百は存在する(はず)の本のこと、ミシャのオリジナルのポスターなどと比べても格段にお安いと思われるお値段でミュージアム・ピースを手に入れられるのが、実は古書の世界でありまして、ご興味ある方は是非店頭で !

■↑に何げなく書いた「スイート」ですが、ここでいうそれは全然甘いものではなってですね、書籍に付属する挿絵とは別途、版画・挿絵部分をもう一部つけたものの呼称で、彩色を施したものの場合もあれば、描線だけの=彩色以前の状態の場合もあるようです。
こちらももちろんアナトール・フランスの著書で、1900年に発行された『バルタザール』の挿絵入り限定50部本の内25番。挿絵については「aquarelles original」=水彩画用オリジナルと記載していますが、描線の部分には何かしらの版画或いは凸版印刷が用いられているものと見られます。
紙は『クリオ』と同じ日本の局紙を使用して、黒の描線のみのスイート1組を書籍本体の後ろに綴じ込んでいます。尚、この本には別に300部の普及版が刊行されています。
挿画を担当しているのはHenri Caruchet、アンリ・カルシェなる人物。
いま猛烈に後悔しているのが自分で作り込んだこの画像。全てのページのテキストを飾るビグネットの多彩さと素晴らしさがこれでは全く伝わらないなと。アール・ヌーヴォー、ジャポニスム、シノワズリーと、流行の要素を取り入れながら品よく、扉などではビグネットとのバランスも絶妙な瀟洒なイラストを披露しています。ううむ。何故私はよりによってこんなつまらないページをとってしまったのか…。
カルシェは19世紀末にボザールでギュスターヴ・モローなどに師事、テオフィル・ゴーチエ、ピエール・ルイスの挿絵本なども手掛けました。詳しくは下記のページで。
https://fr.m.wikipedia.org/wiki/Henri_Caruchet
おそらく2度の入荷はないだろうと思われるこの本。ご興味がありましたら是非店頭で。 

アナトール・フランスの7本口には、モンベルが挿画を担当した絵本も3冊入っていました。うち1点が画像3点目の右側『わらの子どもたち(NOS ENFANT)』。1887年、アシェット社から発行された初版本で、カラー図版はリトグラフ
画像左側は洋書会ではなく、その前の明治古典会で落札。マルセル・エーメとナタリー・パランのコンビによって1946年に発行された絵本『問題(LE PROBLEME)』。時代も下ってこちらはオフセット印刷。
この2冊、たまたまこの時期に入荷が重なりましたが、ともに現在、東京都立庭園美術館で開催されている「鹿島茂コレクション フランス絵本の世界」展に出品されているのと同じ本であるというのが共通点。会場が狭く並びきれなかったものが相当あったようですが、それでも見どころがいっぱい。私はいまラビエのパテー・シネが本気で欲しい。というものがあなたにも必ず見つかるはず。あ。それがモンベルだったりラパンだったりする方はニチゲツドウまでどうぞ !

■政府は18日、「現行法令において『セクハラ罪』という罪は存在しない」との答弁書を閣議決定したそうです。学級会 ?
 

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