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19/12/21 2020は「第36回 銀座 古書の市」でスタート! よいお年をお迎え下さい!!!

■2019年も残すは10日ばかり。今週初めには、新春1月4日にスタートする「第36回 銀座 古書の市」の目録もお客様のお手元に届きはじめ、店もほぼ "古書の市体制"となってきました。
準備作業が続いていること、目録掲載品の最終点検作業などの関係で、店の通常営業は本日21日(土)までとさせていただきます。
来週のご来店については、目録掲載品の確認ご希望のお客様のみ、26日(木)に限り承ります。すでに多くの時間が埋まってきておりますので、ご希望のお客様はお早めにご連絡いただければ幸甚に存じます。
多大なご不便をおかけし心苦しい限りですが、何分にも搬入~会期~撤収通じ店主一人で務める小店のこと、ご理解賜れば幸甚に存じます。何卒よろしくお願い申し上げます。
尚、目録掲載品のご注文の締切は12月30日(月)で、ご注文重複分についてはこの日に抽選となります。お目に留まるものなどございましたら、お早めにお申し込み下さい。
 
また、HPの更新は年内はこれで打ち上げとさせていただきます。2019年もご愛読(?)、本当に有難うございました。
だがしかし。目録受注状況に不安を抱えて、これからも引き続き発作的かつ間欠的にFacebook「古書 日月堂」、Instagram「日月堂」のページを使って会場出品商品についてご案内させていただいておりますので、どうか是非、ググって御覧いただけますようお願い申し上げます。
 
2020年の小店は、1月4日(土)午前10時より、松屋銀座8階イベントスクエアでの「第36回 銀座 古書の市」から始動いたします。
画像1点目は会場での販売商品のひとつ。2020年にちなみ、長年寝かせた書道用の和紙ひと〆(40枚前後~)2,020円で販売いたします。紙の種類もまちまちなら、枚数についても多少の多寡あり、運試しにも似たこちらの商品は数量に限りあり、会場で早い者勝ちとさせていただきます。
この他、エフェメラ専門店として和から洋まで会場には多種多様な紙モノを投入いたします。
お正月には会場でお目にかかれますように、そして、2020年もよろしくお願いいたします。 

さて、ここからは少し「第36回 銀座 古書の市」小店目録部分に関するお話し。当HPと目録とをご覧の方にはお分かりいただけるかと思いますが、目録掲載品の多くは当HP(あるいは店頭)などでご紹介したことのあるものです。がしかし、一度もご案内しないまま、この目録に直行したものというのもありまして、画像2点目などは何故これをHPでご紹介しなかったのか? 自分を疑いたくなるような内容をもつ長谷川潔の自筆書簡。内容については以下、目録の原稿に多少手を加えて写します。
 
58.長谷川潔自筆書簡  岡鹿之助宛 1951年 4枚・6面 封筒付
岡鹿之助への返信と自作12点の春陽会出品依頼/返信(2枚3面)=自分が大戦勃発以来、日本で長らく忘れられた存在となってしまったこと、フランス画壇でも敗戦国民は精神的・物質的に大打撃を被り生活に困窮していること、岡からの手紙を機に春陽会への出品を決めたこと、出品にあたっての注意(展示時の光線詳細指示等)と第17回以降の春陽会カタログと会員名簿の送付を依頼など/出品に関する指示書(2枚3面)=画題・制作年・版画技法・価格調整り場合の考え方(価格上下調整を思わせる印鉛筆書込有)、版画を扱う際の注意や“額装に入る前に成る可く他の人に見せられぬ様”など、非常に細かい注文が記される/額装と台紙(1枚1面)=額物の幅、形状、材質、塗装、作品毎の台紙の切り抜き方・切り抜き寸法・台紙中央切抜寸法等指示は詳細を極め、作家が理想とした作品展示の姿が具体的に浮かび上がってくる。
 
細かく几帳面に一文字一文字彫琢するかのようにつづられた書簡には、長谷川の執念的ともいえるこだわりがこめられいます。
天上天下唯一無二のこの書簡、さて、売れるかどうか。
ここから先はお客様の腹ひとつ、古本屋はじっと待つのみであります。
 
目録掲載品で、やはりHPでご紹介しなかった主な商品を挙げておきます。ご興味をお持ちの方はお問合せいただければ幸いです。
No.9 勝川春草「乱菊」順序刷   No.11 茶室起こし絵図(附篇すき屋之沿革) No.15 日英博覧会賞状  No.21岡本東洋オリジナル写真9点一括  No.30フタバ会懸賞図案集(大丸呉服店)  No.42 富士製紙創業25年記念製品見本 No.47 Aoi Weekly(村山知義)2点一括  No.56 新京・哈爾浜鉄道・ホテル他会計伝票45点一括  No.70 慶應義塾バレエ研究会会員旧蔵写真アルバム  No.83 武満徹音楽(クレジット入)劇団四季初期公演印刷物9点一括 No.90 ジョン・ケージ著述翻訳 海藤日出男宛献呈署名識語入 No.95 ロカビリー画家篠原有司男初個展DM 海藤日出男旧蔵ドローイング入 No.98 大島辰雄筆「赤瀬川原平(克彦)意見陳述」 No.100 千円札裁判第一回公判法廷見取図 No.101 "千円札裁判へ"  No.103 PIERRE6 松沢宥表紙及び寄稿 No.105 赤瀬川原平「あいまいな海」  109.今泉省彦ドローイング(1950年代) … など
 
今年も更新毎に寸鉄的リンクを貼ってまいりましたが、情けないことに挙げていけばきりもなく、とりあえず2019年の締めくくりはこれでしょうか。
https://forbesjapan.com/articles/detail/31357
伊藤詩織さんの民事裁判の判決には久しぶりに司法の矜持を見ることができて、今年の救いはこの裁判と「いだてん」に尽きたように思います。
2020年はさて? 古書の市はさて???
ともあれ みなさまよいお年をお迎え下さい! 

 

19/12/14 「第36回 銀座 古書の市」目録より 2020 TOKYOと新一万円札と…

■先ずは直近のお知らせから。来週の17日(火)は「洋書会歳末特別市」のため、店の営業は夕方からとさせていただきます。この日にご来店を希望される場合は、お出かけ前にお電話で在席をご確認いただければ幸いです。ご不便をおかけいたしますが、何卒よろしくお願い申し上げます。
 
1年を通じて毎年1度だけ小店も参加している即売会の開催期日が迫ってまいりました。今週、参加店には完成した合同目録が届きましたので、参加店各店のお客様のお手元にも、この週末から来週にかけてお届けできるかと存じます。
以下、そのご案内を簡単に。
 
◇「第36回 銀座 古書の市」2020年1月4日(土)~8日(水) 
松屋銀座8階イベントスクエアにて 
各日10時~20時  *1月5日(日)は19時30分まで 最終日は17時閉場
 
尚、目録掲載品のご注文について、ご注文が重複した場合は12月30日に抽選とさせていただきますので、できるだけこの日までにお申し込み下さい。
当落の結果については会期初日以降、お問合せ下さい。
 
また、同じイベントスクエアでは1月20日まで「利休のかたち-継承されるデザインと心 展」が開催されます。この展覧会の割引券を2019年内、小店店頭でお渡しいたしますので、ご希望の方はお声をおかけ下さい(但し1月30まで。先着順で無くなり次第終了)。
 
今年は4店の新顔古書店を迎えた全17店の布陣で、創業150周年の松屋さんの新年最初の催事を務めさせていただきます。
「銀座 古書の市」のお正月開催は実に十余年ぶり。ひとりでも多くのお客様にご来場賜りますよう心よりお願い申し上げる次第です。何卒よろしくお願い申し上げます。
 
■今週はその目録の掲載品ですが、HPでご紹介するチャンスを逸していた商品より2点。来年以降のイヴェントに関係の深いものを選びました。
最初は1940年のオリンピックと万博に向けて、1937(昭和12)年に鉄道省国際観光協会が発行した 英仏独三か国語併記の対外広報誌『JAPAN PICTORIAL』。ご存知幻に終わった東京オリンピックに関して残された痕跡のひとつ。
25.5×22.2cmとやや小ぶりではありますが、少々キッチュな印象の表紙から端正な表現が多い本文まで、完成度の高いグラビアページ多数。
それもそのはず、デザインに原弘、写真に木村伊兵衛、渡辺義雄、小石清、堀野正雄な、後の東方社を思わせる才能を集結させた成果であり、いかに力が入っていたかをうかがわせます。目録の112P、No.53に掲載。 

こちらは2024年に一万円札の新しい顔になる澁澤栄一に関係して。澁澤が新時代を最有力国として白羽の矢を立てたアメリカとの関係づくりを目的に、日本人実業団約50名の渡航団とともに渡米した際に米国各地で開催された歓迎行事にまつわる印刷物8点です。
実業団は1909年9月から11月までの約3ヵ月で米国各地を訪問。実業団メンバーには根津嘉一、松方幸次郎、日比谷平左衛門、巌谷小波などの名前が残っています。
印刷物は午餐・晩餐等の飲食のメニュー、音楽会のプログラム、スピーカーズリストや名簿などで、シーティングカード等も。スピーカーズリストには必ず澁澤の名前がクレジットされています。
メニューやプログラムには表紙に水彩画や手彩色がほどこされたものも多く、印刷物にかけられた労力と気配からしても、日本の実業団一行が手厚く迎えられた様子がうかがわれます。
澁澤栄一、時に69歳。澁澤栄一記念財団のサイトには日々刻々スケジュールに追われる渡米実業団の詳細な記録がアップされているのですが、最も驚くべきは渡米先でのハードスケジュールをこなして帰国した澁澤栄一その人なのかも知れません。1万円札の顔。なるほど!
 目録のP108、商品番号No.20として掲載。

■今週も色々ありました。今年は本当に色々ありました。2019年最後の一秒まで何が起きてもおかしくない気もしております。今週の落穂ひろい。
アートから
https://www.huffingtonpost.jp/entry/kenpo-sho-sa-kay-freedom_jp_5de9d36de4b0d50f32b14085?ncid=fcbklnkjphpmg00000001&fbclid=IwAR3dYo-OEzEoQ_PwWIgkxLH8Y5u1r5hyaI6LK7XRqrp_5QM_VNiCkJ6CHeE
自虐史観?
https://this.kiji.is/575662572528616545?fbclid=IwAR3O_pYNdNIxldavJY0OS8EXF_XkVrPcP6VGJ0_we-dEVOF_GkP4ipChH0s
私人?
https://web.smartnews.com/articles/hyrNMttfW9D?fbclid=IwAR0dwvTCG5iNK0Rjy2Iz_APgiduyi0efxjrFc-o_cV5nQZyPkCM63BJUpac
またまた閣議決定。
https://mainichi.jp/articles/20191210/k00/00m/010/110000c?fbclid=IwAR1ysYnRjZj02XVvXZIqe6F8SWor6tolq8NsZ3ef8fQhg2P_uG9I7dGu8zQ
鈍感力? 
https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201912/CK2019121102100025.html?fbclid=IwAR13AVmmQpcfp7ARcYuUlii1Qw3M8LH_BMcdPmzmIYEVzUi37cCKZyLWaME
腹ふくるる年の暮れ。 

 

19/12/07 近代日本の百貨店2題 - 大丸と白木屋から

■またしても一言の断りもなく更新1回休んでいるうちに12月に入っしまいました。来月の今頃は松屋銀座8Fで「第36回 銀座 古書の市」の売り場に立っているのかと思うと焦るばかり、ただいま全力で「古書の市」の会場出品用の商品の準備にかかっておりますが、まだ終わりが見えておりません。
来週、店は通常の営業スケジュールで開けますが、店内をますます混沌を極め(とほほ)ゆっくりご覧いただくのは相当難しいものとお考えいただければ幸いです。
年内残すところあと3週間。こんな調子で年が過ぎていくことになりそうです。どうか悪しからず!
 
今週の新着品から。
1点目は 手彫りのレリーフをあしらった立派な木箱に収まる写真のオリジナル・プリント36枚。箱の蓋の内側に貼り付けてあるラベルには「THE WORLD THROUGH LENSES」というタイトルと「SOUVENIR PHOTO SKETCHES OF SHOTARO SHIMOMURA'S TOUR ROUND THE WORLD 1934-1935」というサブタイトルの記載があります。
下村正太郎は明治16(1883)年生まれで後に大丸百貨店の当主となる第11代下村正太郎その人と見てよさそうです。
オリジナル・プリント36枚から成るこの写真集は、昭和9~10(1934~1935)年に視察も兼ねて世界一周の旅に出た下村が、自ら撮影してきた写真をおみやげがわりにして、きみー国挨拶の際などに関係者に配ったものとみられます。
タイトル題箋を全く同じくしながら木箱をタトウ紙へと軽量化し、写真点数を12点まで絞り込んだ別ヴァージョンも存在するようで、今回入荷した木箱ヴァージョンは、より限られた重要な関係者にのみ配られたものではないかと思います。
写真には全点、地名と被写体とを記載した薄紙がかけられており、少なくともフランス、イギリス、スコットランド、フランス、イタリア、オーストリア、スイス、オランダ、デンマーク、北米各地、エジプト、インド各地と、広汎な国々へと赴いたことが分かります。
写真の腕はなかなかのもの。画像では質感まで伝わらないので大変残念なのですが、風景の切り取り方と構図、白と黒とのコントラスト、視線を向けた先の対象物など、確かな写真の腕と優れたセンスが光ります。店舗や私邸の建築にヴォリーズを起用したのは下村の意向だったとされますが、なるほどそれも充分頷けるお話し。
アメリカのメーシーやワナメーカー、パリのボンマルシェなど、百貨店の写真でさえ - 記念品・おみやげとして写真を選んだ結果なのかも知れませんが -いかにも説明的な視察写真といった体のものが1点もないのは見事。百貨店関係資料を離れ、昭和初期のアマチュア写真家の作品集、或いはモダニズム関係資料として、或いは福原信三との比較や実業家の渡航体験などなど、さまざまな捉え方が可能な写真ではないかと思います。 

いや、そんなまわりくどいことは抜きにして。
端的に云ってカッコイイ。そんな写真集ではあります。
 
■下村正太郎が率いた大丸は、江戸時代後期、呉服商から出発し、両替商を兼ねていた名古屋の「大丸屋」が出発点となり、近代的な業態へと改革に乗り出したのは1908(明治41)年のこととされていますが、新着品2点目はほぼ同時代、同じく江戸三大呉服店から百貨店へと転換を果たした白木屋(現在の東急百貨店)の明治35(1902)年1月1日を発行日とする営業案内です。
明治も後半になっての発行ですが、センスはまだ江戸~明治初期のまま、非常に古典的なグラフィック表現が随所にみられる他、お正月特別号の意味合いか、こちらも随分古風な意匠ではありますが、巻頭にキモノのデザインを紹介した多色刷木版図を12図も収めています。
14.5×11cmという小体ながら、その他読物から価格表に至るまで全頁文字組と装飾部分とで色の異なる2色刷という贅沢。贅沢ではあるけれどまだまだ前近代的。百貨店の印刷物の表現が、と云うことはつまり消費者の嗜好と志向が全近代から近代へ、現代へと変わっていく分水嶺というのがどのあたりなのか、俄然、気になってきました。
 
図らずも「逃げ切った」という言葉がセンセイのみなさま(反社のみなさま?)の胸の内を雄弁に語っていると思うんですけれどねえ。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191203-00010006-nishinpc-pol&fbclid=IwAR3KFHpUxq8rlRs7CxV6NbYjlCN7xWX8NdbCxrhv-iaGuIrt5P3nAAldGpg
 誰か復元してくれないものか。
https://mainichi.jp/articles/20191204/k00/00m/010/077000c?fbclid=IwAR3mKHrH6ZZxYzLSiB8z0zAWHDYWxJ6EadqqhuykySUJJ_ikmawMsdFkHiA
かと思えば復元可能なものが流出したり。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO53033300W9A201C1MM0000/
なんともはや。美しい !? ニッポンの師走である。 いやはや。

 

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