■先ずはお詫びと大切なお知らせから。
先週は予告なくHPの更新を1回お休みいたしました。時節柄、ご心配をおかけし申し訳ございませんでした。お陰さまで小店店主、全く変わりなく元気に仕事いたしております。
市場にも変わりなく通っており新着品も着々入荷、店を開けるのにいまのところ何の支障もない状態ではありますが、都内感染者数の急増、不要不急の外出の自粛要請が出されている現況から、通常営業日にあたる明日3月28日(土)は休業させていただきます。
また、来週より当面の間、こ来店の際には事前にご予約を入れていただけますようお願い申し上げます。
ご予約については、Facebook「古書 日月堂」のページからメールをいただければ随時ご返信申し上げます。
また、今後も当面の間、刻々と変化するコロナウイルスの感染拡大状況と、これに伴う要請・規制等の発令に対応していくこととなるかと存じます。状況変わり次第、お知らせいたしますので、Facebookでご確認いただければ幸いです。
ご不便をおかけいたしますが、ご理解を賜りますよう何卒よろしくお願い申し上げます。
■周知の通り、2020年の東京オリンピックはオリンピック史上初の延期となりましたが、ちょうど80年前の東京オリンピックは中止に至っています。理由は日中戦争勃発と軍部の反対による返上。東京でオリンピックというのはそもそも鬼門ではないのか? なんてことを考えたくなる相性の悪さ。ではないでしょうか。
それはさておき。
いまから80年前の1940(昭和15)年は、日本が神武天皇即位という神話=あくまで非科学的な世界を根拠として算出した紀元=皇紀では、ちょうど2600年にあたるということになっており、国家を挙げて記念行事が企画・準備されることになりました。
オリンピックも紀元2600年の記念事業として招致したもので、しかし先に述べた理由によって返上するに至りました。すると、ワン・チーム好きの国民性と相俟ってか、オリンピック返上の喪失感を跳ね返すべく、今度は芸術界のあらゆる著名人・オピニオンリーダーを総動員して記念行事や記念公演を連発挙行。
また、皇紀(紀元)2600年の勢いをかって神武天皇陵等への聖地巡礼観光誘致から記念貯金・記念保険といった金融商品まで、各界こぞって便乗商品を陸続と用意することによって、“つながろう日本”な善良な市民から、“日本スゲー”な愛国者の方たちまで、それぞれの胸にぽっかりあいてしまった穴を、あれやこれやでふさいで余りあったらしい。という証拠の紙ペラ類が今週の新着品(画像)。2600年関係の紙ペラものが、画像の3~4倍ほどの点数まとまって入荷しました。こちらは分野別にグループ分けして販売する予定です。
■和牛券やら旅行券やら素っ頓狂なことを云いだす政権のトップとその夫人がフランス革命直前の国王夫妻を思わせる昨今。赤木さんの無念を思えば責任の多くは王様を支持する国民にあるのだと思うと鬱々として気が晴れることなく、ドイツの首相のスピーチを読むにつけ、すぐれた為政者をもつ国との落差に暗澹とし、「花見ではなくレストラン」という詭弁に唖然とするこの日本から、これから先そこそこ長い期間、どうやら外に出られそうにないということが、いまの小店店主にとって最大のストレスなのであります。ははははは…
https://www.mag2.com/p/money/905284/2
以下備忘録。
今週もっとも感じ入ったのは、すでにご存じの方も多いと思いますが、メルケル首相の「コロナウイルス対策についての演説」でした。
https://www.mikako-deutschservice.com/post/%E3%82%B3%E3%83%AD%E3%83%8A%E3%82%A6%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%82%B9%E5%AF%BE%E7%AD%96%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6%E3%81%AE%E3%83%A1%E3%83%AB%E3%82%B1%E3%83%AB%E7%8B%AC%E9%A6%96%E7%9B%B8%E3%81%AE%E6%BC%94%E8%AA%AC%E5%85%A8%E6%96%87
そして、FBで引用されている方の居たマーガレット・ミードの言葉は、いま人間が立ち戻るに望ましい地点を教えてくれるように思えてきます。
https://www.facebook.com/francisco.curate/posts/10220273473441237
■ご心配をおかけいたしました帯状疱疹ですが、お陰さまで薬がよく効いてくれて、もうほとんど治りつつあります。先週来お寄せいただいきましたあたたかなお見舞いと励ましのメッセージに、心より御礼申し上げます。本当に有難うございました。
そうこうする間にも、新型コロナウイルスは世界中で感染を拡大、各国とも実質的な「国境封鎖」や「禁足令」にあたる対策を打ち出し、一週間前には軽口をたたくことはあっても多くの人がほぼあり得ないだろうと思っていた(に違いない)オリンピックの中止或いは延期がフツーに語られるようになり、と同時に株価急落、その後は続落とどまるところをしらず、かくも目まぐるしく事態が進行するなか、確かなことは一週間後、もとい、明日のことさえ分からない状況の中で生きているのだという、その1点だけとなってきたようにも感じられます。
こうした状況を横目に、古書の市場は不思議なほどに静かで、いつにも増して坦々と営まれており、市場に行けば行ったで何かしら買うものはあり、今週もそんななかから。
■とはいえ店主、少々疲れが残っている関係で今週は1点のみ、「伊勢型紙100枚」を画像で。
今回の伊勢型紙100枚は全て「江戸小紋」用の型紙で、伊勢型紙の彫り方の手法のなかでも最も古いと云われる「錐彫り(きりぼり)」の手法でつくられたもの。
「錐彫り」とは「伊勢形紙協同組合」のサイトによれば、「刃先が半円形の彫刻刃を型地紙に垂直に立て、錐を回転させながら小さな孔を彫」ったもので「1平方センチに100個ほどの穴が彫られた作品もあり、単調な柄だけに難しい技法とされています」。
実際にその彫りの細かさは驚異的で、今回入荷した100枚の内90枚くらいは白い紙の上に置いただけではどんな柄なのかさっぱり読み取ることができない超絶技巧! (読み取れるものにしても充分細かいんですけれどね。)
麻の葉、シダ、松竹梅など図案化されたものの他、一見ランダムで法則性の見えない点の連なりなど、頭の中で一体どのように図案設計がなされているのか - 型紙の場合、繰り返し使うので図案の連続性も求められるはず - 考えると気が遠くなるような仕事も。
派手さのひとつとしてなく、地味で控えめな仕事なだけに、その技術・技法・技量、そしてそれを支えた職人の矜持に、胸打たれる思いがします。
染の型紙はこれまで何度も落札してきましたが、今回の100枚ほど粒ぞろいで高度なものは稀。しかも、100枚全てほぼ同時代 - おそらくは明治 - に何度も使われたもので、出元も同じと見られるため、今回は一括での販売を考えております。
画像はかなり寄せて部分を撮影したもので、1図に2枚の型紙から成ります。その超のつく仕事の手蹟は是非現物でご確認下さい。
■私のFacebookのタイムラインには、「国家戦略特区」なるものに関する「内閣府 地方創生推進事務局」の「広告」がよくあがってきます。今日はそれとは別に「復興庁」の「広告」も散見されましたが、しかし、特区のカケがあれで復興の実態があんなで … って、いやそもそも、そんなことしてる場合なのか本当に不思議で仕方ありません。
さて、来週は何が起こることやら。もう何も起こってほしくなくても多分to be continued ……