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20/03/14 職人による紙の上の超絶技巧!

■ご心配をおかけいたしました帯状疱疹ですが、お陰さまで薬がよく効いてくれて、もうほとんど治りつつあります。先週来お寄せいただいきましたあたたかなお見舞いと励ましのメッセージに、心より御礼申し上げます。本当に有難うございました。
そうこうする間にも、新型コロナウイルスは世界中で感染を拡大、各国とも実質的な「国境封鎖」や「禁足令」にあたる対策を打ち出し、一週間前には軽口をたたくことはあっても多くの人がほぼあり得ないだろうと思っていた(に違いない)オリンピックの中止或いは延期がフツーに語られるようになり、と同時に株価急落、その後は続落とどまるところをしらず、かくも目まぐるしく事態が進行するなか、確かなことは一週間後、もとい、明日のことさえ分からない状況の中で生きているのだという、その1点だけとなってきたようにも感じられます。
こうした状況を横目に、古書の市場は不思議なほどに静かで、いつにも増して坦々と営まれており、市場に行けば行ったで何かしら買うものはあり、今週もそんななかから。

■とはいえ店主、少々疲れが残っている関係で今週は1点のみ、「伊勢型紙100枚」を画像で。
今回の伊勢型紙100枚は全て「江戸小紋」用の型紙で、伊勢型紙の彫り方の手法のなかでも最も古いと云われる「錐彫り(きりぼり)」の手法でつくられたもの。
「錐彫り」とは「伊勢形紙協同組合」のサイトによれば、「刃先が半円形の彫刻刃を型地紙に垂直に立て、錐を回転させながら小さな孔を彫」ったもので「1平方センチに100個ほどの穴が彫られた作品もあり、単調な柄だけに難しい技法とされています」。
実際にその彫りの細かさは驚異的で、今回入荷した100枚の内90枚くらいは白い紙の上に置いただけではどんな柄なのかさっぱり読み取ることができない超絶技巧! (読み取れるものにしても充分細かいんですけれどね。)
麻の葉、シダ、松竹梅など図案化されたものの他、一見ランダムで法則性の見えない点の連なりなど、頭の中で一体どのように図案設計がなされているのか - 型紙の場合、繰り返し使うので図案の連続性も求められるはず - 考えると気が遠くなるような仕事も。
派手さのひとつとしてなく、地味で控えめな仕事なだけに、その技術・技法・技量、そしてそれを支えた職人の矜持に、胸打たれる思いがします。
染の型紙はこれまで何度も落札してきましたが、今回の100枚ほど粒ぞろいで高度なものは稀。しかも、100枚全てほぼ同時代 - おそらくは明治 - に何度も使われたもので、出元も同じと見られるため、今回は一括での販売を考えております。 
画像はかなり寄せて部分を撮影したもので、1図に2枚の型紙から成ります。その超のつく仕事の手蹟は是非現物でご確認下さい。


私のFacebookのタイムラインには、「国家戦略特区」なるものに関する「内閣府 地方創生推進事務局」の「広告」がよくあがってきます。今日はそれとは別に「復興庁」の「広告」も散見されましたが、しかし、特区のカケがあれで復興の実態があんなで … って、いやそもそも、そんなことしてる場合なのか本当に不思議で仕方ありません。
さて、来週は何が起こることやら。もう何も起こってほしくなくても多分to be continued …… 

 

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