■眠い。眠たくて仕方ない。ただいま2時48分。やっと解説を書き始めたところですが、イタリアからの帰国後、時差ボケを解消するチャンスを逸し続けた結果、一向に眠気のやってこない夜と眠くて仕方のない昼が交互にやってくる繰り返しだったのが、昨日頃からはもう一日中眠たい。眠たくてもやらないことには店をやってる意味がなくなく新着品のご案内です。
などと、ご存知の方もおいでかと思いますが、要はスペースの関係で文章の引き延ばしにかかっているわけです。
なのに。こうして見ると、そう延びてない。書いてるつもりなのに。眠いのに。う。
無駄なてーこーはやめて行きます。新着品の1点目へ。
■書誌を調べていたら出てきたのがチューリッヒの古書店によるもので、ドイツ語併記のタイトルをそのまま使いまわしさせていただきます。
『Russkij Revoljuzionnyj Plakat [Das Russische Revolutionsplakat]』
ロシア革命期の代表的なポスターに関する書籍で、1925年、モスクワで発行されました。
大判の上製本で、多くのモノクロの図版を挿入したテキスト192Pの間に、カラーリトグラフ片面刷によるポスター図版54Pが適宜とじ込まれるという構成。
革命の時代のプロパガンダを中心に取り上げられているため、日本人にも好きだという方の多い所謂“ロシア・アヴァンギャルド”風のものは数えるほどですが、そのためにかえって見たことのないポスターが多数を占める結果となっている他、柳瀬正夢や村山知義あたりのプロレタリア美術系の作品に、より近い表現が多くみられます。
用紙は決して良質とは云えませんが、かなり小さな刷面で構成されているものなど見ると、リトグラフの精度の高さに唸ること、受合います。
彼のチューリッヒの古書店の評価額は なかなかのものですが、ロシア革命当時のポスターの入手がいかに困難かと云うことを考えると、首肯したくなるとはいえ、そこまでの思い切りのない小店は、そこから“ぐぐぐ”程度下げてのリリースを予定いたしております。
あ。この頃すでにロシアには「ラッピング・トレイン」があって写真が載っています。ちょっとびっくり。
■画像2点目は久しぶりのスクラップ・ブック。同じ人が持っていたと思われる3冊一括での販売となります。
内容は、1920年代後半から1930年代を中心に、モダン・デザイン、アール・デコに基軸をおいたセンスの良い西欧広告物を集めたもので、デザインの仕事に関わっていた人のものなのか、水彩によるデザイン原画と見られるものも多く散見されます。
また、デザインサンプルとして収集された端物印刷物には、石版刷やステンシル彩色、エンボス加工など、贅を凝らしたものが多く、中でも「SEEKONIG」「UNIVERSUM」とある客船デザインが一対をな見開きページは見事。他にもタイポグラフィ中心のページ構成など、見るべきところの多いスクラップ帖となっています。
「スクラップブックを買う買わないは、作った人のセンスで決まる」。どこのどなたが作ったものかは知りませんが、この確信をまたしても強くしたスクラップブックです。
■今週、実は「訪独伊日本新聞使節団資料」ダンボール1箱と云うかなりの大物を落札しているのですが、イタリアで買ってきたもうひとつの大物とともに、詳細お知らせまでには少々時間を要します。
茶道関係の写本・記録・手製茶室起こしなどダンボール1箱、花椿18冊、毛沢東政権下に出版されていた『紅旗』12冊、古い『独乙単語カード』などが明日には店に入ります。
しかも! イタリア出発前に買ったエスペラントの山も、大瀧詠一・ナイアガラのデザイナー中山泰旧蔵洋雑誌も、荷ほどきしはじめるとこれがなかなか面白く、ただいま整理をしながら売り方検討中。お楽しみに …!
■当初の出発時間から遅れること7時間。羽田空港に都合9時間ほどの足止めをくらい、フィレンツェの1泊分の宿泊費と時間をフイにするという不測の事態で始まったイタリア旅行は、フィレンツェで多くの宗教画を眺めるうちに古本屋開業以来初の「仕事をしない旅」を宣言したことへの罰のようにも思えて少々敬虔な気持ちになったものの、初のイタリアでは古本屋の勝手も分からず蚤の市もほぼスルーして、本業的にはごくごく僅かな-けれどなかなか面白い!-収穫をもって無事の帰国と相成りました。
フィレンツェでは2日半・美術館と街歩きで約6万歩を稼ぎました。ミラノでは地下鉄の切符の買い方を覚えました。トリノでは仕事を抜きにして蚤の市を見て歩く楽しみを思い出しました。ピエモンテ州の毛織物工場では生地見本帳の成り立ちを教えていただきました。お招きいただいた友人のお供でうかがったビエッラの山中のお宅では、窓外に広がる桃源郷のような風景のなかで、人間らしい生活とはどういうことなのか、実に多くのことを教えられた気がします。
旅の間に見たものについては、Instagramの下記アドレスでご覧いただくことができます。
https://www.instagram.com/nichigetsudo/
2017年10月6日現在まだ未完ですが、来週半ばまでには投稿を終える予定です。ご興味をお持ちの方にはご高覧いただければ幸いです。
■当ページ、1点目の画像は思いがけずトリノで出会ったアール・デコ様式の映画館。トリノの街は、どこかパリの面影に通じるところがあります。
画像2点目は今回の旅行中に買った数少ない古書の内のそのまた一部をちょい見せ。手前の2点はムッソリーニの時代の子供むけの教材で、日本の戦時中の教材に東条英機と帝国軍が出てくるのと同じく、あちらの教材にはムッソリーニとイタリアの兵隊が登場します。表現はロシア絵本風だったりして。これらの中面と旅で得た大物資料はまた別の機会に。
■店の営業は本日10月7日(土)より再開し、来週は火・木・土曜日の週3日の営業に戻ります。今週金曜日には市場にも復帰、復帰早々落札した洋雑誌の山-大瀧詠一・ナイアガラのデザイナー中山泰旧蔵!-他カーゴ1台分が来週木曜日には店に配達される予定。再びのご来店をよろしくお願いいたします。
■前回のパリから4年ぶりに、ここらで一度海外に出かけてくることにしました。頭のネジの巻き戻しに。