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20/10/31 つくりにつくった個性的力士628名 四股名と本名・生年月日まで!


■この商品のもつ得もいわれぬ面白さは、やはり画像では小指の先ほども伝えられないようです。「兵隊さん慰問 紙相撲」と謳われた手製玩具一式が入荷しました。
一見して、紙製力士の夥しい量と面白さに目を奪われたものの、市場では数えている暇などありませんので、とにかく買うつもりで入札したところ、幸運なことに落札することができました。
小さな箱に小分けして収められている一式全部、パタパタまとめるとエコバックに充分おさまる物量でしかも軽く、そのまま自宅に持ち帰って数えてみると、紙相撲の力士に行司、呼出し、年寄り等、何と総勢628名!
調べてみたところ、現在、日本相撲協会に所属している力士が十両から三段目までで348名と出てきますので、日本相撲協会の現役連中をまるまるふたつ分、自宅に持ち帰ったようなものと云えましょうか。この点数にはさすがにびっくりです。
しかも、二段目、三段目の層を厚く、関取は数を絞っているところなど、実際の相撲界をうつしたような陣容です。
ところで、「紙相撲」と聞いて遊び方が直ちに頭に浮かぶのは、ある一定の年齢以上の方に限られるのかも知れません。もちろん、小店店主は直ちに浮かんじゃう方なわけですが、しかしこの紙相撲、自分が知っているのとは違って1体1体自立することができません。足がつま先上がりになっていること、どの力士も右手を下手、左手を上手に出す格好で作られているからで、試してみたところ、取り組みはがっぷり四つに組み合ったところから始めると具合がよいことが分かりました。
この形態、「日本紙相撲協会」のサイトで紹介されている「紙相撲の作り方」に非常に近く、実際試してみると、それぞれが自立したところから始まる紙相撲よりずっとリアルな試合展開となるばかりか、勝敗も簡単にはつかないことが分かりました。なるほどこうしてみると紙相撲もなかなか奥深いものです。
その奥深さ故か、当品旧蔵者が対戦する際にも相当な熱がこもったようで、優勝力士のために「花吹雪」がひと箱用意され、ビリケン印の手描き紙幣の混じる子ども銀行風の「金庫」2箱まで出てきました。その子ども銀行との貸し借りで済んだかどうかはさておき、実際に対戦した際の星取表も残されていてこれがまた面白い。 

取り組みのためには四股名が必要なわけですが、序二段から大関・横綱まで四股名がつけられているのは当然で、裏をかえすとそこには生年と出身地・本名が記されていて - 例えば「松太郎 昭和11年1月28日 東京有楽町生レ」といった具合 - いかに"リアル"に近づけようと苦心とたのか(いや、楽しんだのか?)が偲ばれます。
総勢628名はもちろんひとつとして同じものはなく、顔が体に埋もれてしまったような巨漢から細マッチョまで体型もさまざまなら、イケメンから三枚目、力んでるのから淡々としているのまで、顔つき・表情もさまざま。よくよく見れば"628人の人間模様"とでもいえそうな様相が見てとれます。
「底」の側が土俵になっている紙箱には「兵隊さん慰問 紙相撲」と書かれてはいますが、行軍の友とするにはさすがに少々かさばりはしないかと、そのあたりには少々疑いも。
それにしても「紙相撲」という一見シンプルな遊びに注がれたこの情熱と創意工夫に、見れば見るほどふつふつと笑いがこみあげてくるのでした。
市場に出てきた時の状態で、小さい箱ごとに分売する分と、日本相撲協会分相当(?)のセット売りの両面から販売の予定ですが、セット分を固めるまで少しお時間をいただきます。悪しからずご了解いただければ幸いです。
もっとも、店内でクリムトやアール・ヌーヴォーのプレートとどう折り合いをつけて配置できるかというのが一番のむつかしい。うう。


昨年入荷したのとは異なる茶室起こし絵が入荷しました。『全国有名茶室起家図』と題した木箱入り90点。利休21点、不白18点、原叟8点、宗旦7点、宗偏5点など。
タトウを底にしてパーツが仕込まれたスタイルで、紙に厚さと張りがあるので組み立てやすそうです。寸法等の書き込みは細かく、状態も良好。
奥付や付属の冊子など一切なく、来歴については不明ですが、大正~昭和初期につくられたものではないかと思います。
こちらは一括での販売ですが、重複分3点は分売に。早い者勝ちということでご理解賜りますよう…。
 

■この2週間の間にも色々ありましたが。日本学術会議をめぐるのらりくらりをいちいち挙げているときりもなく、煎じ詰めれば極東にあってASEANをアルゼンチンと読んでしまう人物をトップに据えている国というのは終わってはいないかという、この一点につきるような気がしています。




 



 

20/10/17 アール・ヌーヴォーから半世紀の後のデザインへ


■最初に来週の営業のお知らせです。10月24日(土)は所用のため臨時休業の予定です。10月20日(火)・10月22日(木)は12時~20時で営業いたします。ご来店をお考えのお客様にはご留意いただければ幸甚に存じます。ご不便をおかけして誠に恐縮に存じますが、何卒よろしくお願い申し上げます。

新着品のご案内です。1点目は19世紀末、アール・ヌーヴォー様式の始祖のひとりで、主に磁器のデザインで活躍したフランスのジュール=オーギュスト・アベール=ディス(Jules-August Habert-Dys)のデザイン画作品集『Fantasies Decoratives』(1887年=明治20年発行)より、未綴じのプレート45葉が入荷します。画像はそのなかから選抜したもので今週中に店に入るのはこの内の半数。残る二十数葉は来週の入荷となります。
オーギュスト・アベールは磁器装飾の世界からその経歴をスタート、未だアール・ヌーヴォーという様式名が確立される以前より、新様式の作品で注目されたアール・ヌーヴォーの始祖のひとり。ジャポニスムの影響色濃い装飾デザインをいち早く取り入れた人物であり、ジャポニスムはその後またたくまにヨーロッパを席巻することになります。
オーギュスト・アベールの
画像にとったのは竹や錦鯉などのモチーフ、輪郭線に団扇を使ったり古典文様を取り入れるなど、とくにジャポニスムの影響著しい作品。
印刷はカラーリトグラフ。多くのプレートで金彩が使われており、この当時から陸続と刊行されたデザイン・プレート集のなかでも、かなり力が入った刊行だったようです。
今回入荷した『Fantasies Decoratives』のプレートと全く同一のものは小店が大岡山から表参道に移転したごく初めの頃 - いまからかれこれ18年前に一度扱って以来のこと。その程度に珍しいものではある、と云えると思います。
当時はまだデザイン画のプレート集などそれほど扱ったことがなく、インターネット上で拾える情報も実に少なく、従って今と比べると格段に安い価格で落札できたように記憶しています。この時もプレートは揃っていなかったものの、今回はついていなかった専用封筒とグリーンの上製ポートフォリオがついていたにも関わらず。
売り方にしても何の能書きも口上もなく、単に「ジャポニスムのきれいなプレート」として非常に安い価格で売るしかなかったことを思い出します。
10年ひと昔。18年となればほぼ二昔前のお話し。わけが分からないまま、ただただ面白いと思うもの、美しいと思えるものを、その気持ちだけで売っていた当時のことが、最近とみに懐かしく思い出されてなりません。 

商工省の外郭団体・貿易組合中央会が企画、名取洋之助率いる日本工房が編集・制作した対外広報誌『COMMERCE JAPAN』が久しぶりに入荷しました。
1938(昭和13)年12月発行の4号と1939(昭和14)年4月発行の5号。
4号はクリスマス~新年に合わせて日本の年末年始の風習(水引の種類と解説他)など。「折紙」のページには何と正方形の折紙3点の附録つき! まさかこんなものがついていたとは、当品に教えられました。
観音開き4P・大迫力のカラーページは「CHRISTMAS DECORATION A LA JAPONAISE」と題されたなかなか迫力あるイラスト。ここでも別刷の広重・箱根の図がちゃんと残っていて、表紙の一部欠けだけが惜しまれます。
5号はこの雑誌のなかでももっともよく目にする号ですが、16P~17Pの見開きの上に載ることになる、図版キャプションを印刷した薄い透明ビニールのページが残っているのにびっくり! これまで気づきもしなかったことですが、確かにキャプションが載ってこないと随分間の抜けたレイアウトに見えてくるから不思議です。
有名な地球に見立てた球体を貼り込むという手間をかけながら、折角のそこのところが痛んでしまっていることが多いという、いつも少々残念な当号の象徴的なページについても完璧な状態が保たれていて、そこそこ珍しい1冊と云えるかと思います。

■今週の斜め読みから。
アベノマスク500億、日本学術会議10億。そして、スカの教祖様・アト〇ンソン手掛けた日光東照宮修復は12億、終わって間なくはや劣化だそうで。キオスクと郵便局の違いは何故?とかも。ともかく。この国ではもう人権に対する権力の志向もお金の軽重も論理も倫理もねじくれてますわな。

法政大学学長声明。改めて。
https://www.hosei.ac.jp/info/article-20201005112305/?auth=9abbb458a78210eb174f4bdd385bcf54
世界の「ネイチャー」「サイエンス」からもメッセージが。
https://buzzap.jp/news/20201008-science-council-of-japan-overseas/?fbclid=IwAR1RGM0FFDLmgM0U7HyeiFXgY9HvtcEwi-SQZBwBeF4UNb01G2mLMDTXHcE
問題点がどうズラされているのか、何が問題なのか。まとめてこちらで。
https://news.yahoo.co.jp/articles/7b4a053bc12f2efa50b2b2fdb4ae4fccaf885dc2?page=1
弔意表明というのもありましたね。政権交代ひと月で分かったこと。
前政権より悪質だった…
あ! Aさん! 最近小店HPが見つからないと仰っていたのは、こういうこと書いてるからかも(汗)

 

20/10/02 ユーゲント・シュティールのショーケース ! クリムトのプレートも!!!


■先ずは来週の営業のご案内です。来週は10月5日(月)から6日(火)にかけて「資料会大市」が開催されます。これに伴い、来週、店の営業は10月8日(木)と10日(土)の2日間とさせていただきます。ご不便をおかけいたしますが、ご承知おき下さいますようお願い申し上げます。 

新着品の1点目はドイツ語圏のアール・ヌーヴォー = ユーゲント・シュテールを代表するデザイン画集のひとつ『ALLEGORIEN - Originalentwurfe (寓話 - オリジナル・デザイン)』
1896~1898年頃にかけて順次発行されたプレート集で、入荷したのはプレートナンバー1から120までのフルセットのうち、プレート4点欠の116葉オリジナルのポートフォリオに扉と序文、延々4ページにわたる目次とともに収められています
「アレゴリエン=寓話」という共通タイトルの下、「愛、音楽、ワイン、歌と踊り」「芸術と科学」「スポーツ」等のテーマを設定。毎回画家を選定の上、オリジナル作品を書き下ろさせ、プレートのスタイルで複製し数年にわたって随時刊行したものとみられます。

(当書についてはこれまでのところまとまった書誌情報にたどり着けておらず、当欄の記述は断片的な情報をつなぎあわせた内容となっています。このため、推測にとどまる要素を含んでおり、例えば刊行年については、プレート毎に拾えた情報から見て、これまでに把握できた最大幅をとっていますが、多少前後に広がる可能性があります。また、海外のサイトのなかには「12束」という記述も出てくることから、10葉ずつ12回のシリーズ発行された可能性がありますが、いまのところ断言は差し控えます。いずれにしてもこれだけのプレート数がまとまってケット=売買の場に出てくることは稀なことだと思われます。)

起用された画家にはまだ年若いカール・オットー・チェシュカやハインリッヒ・レフラーが居て、コロマン・モザー(プレート多数!)の名前があり、そして何と云ってもグスタフ・クリムトの名があって、さながらユーゲント・シュティールのショーケースの様相。図版はクリムトによる絵画的なものからレフラーのグラフィックデザインよりの作品まで、ヴァリエーションにもこと欠きません。
印刷も単色、フルカラー、金彩など多彩なら、技法もコロタイプや特色刷りからリトグラフまで実に多様。各作家のオリジナル作品を忠実に複製再現するべく心を砕き、仕事を惜しまなかったさまがうかがえます。
116枚を繰っていく醍醐味は捨てがたいものがありますが、当初よりプレート欠があるため、バラ売りの方向で明日以降、検討の予定。
ちなみに今回の更新で2点目に掲示している図版はクリムトのプレート3葉。欠番プレート4枚の内の1葉がクリムトのプレートで、本来なら4葉あるべきものでした。
こちらの商品も実は福富太郎のコレクションで、おそらく額装してどこかで使ったのか楽しんだのか、欠葉は鍾愛の証とも思われます。もちろん悔やまれることではありますが、プレート集の楽しみ方としてはむしろ正しいと云うべきなのかも知れません。

■こちらは店内の根雪からの発掘品。商品のタグと広告等切り抜きを集めたスクラップブックですが、特徴は何といってもアタマから尻尾の先まで"紳士用帽子と紳士用帽子に相応しい広告・プロモーションに関係するものだけ"というところにあります。 

今回改めて仔細に眺めていて、つい5年ほど前まで営業していた新潟の帽子専門店「ダイマル帽子店」に関係する人の旧蔵品だと気付きました。実用性満点のスクラップ帖だったものとみられます。
なかでも面白いのはタグなどトレードマークに関する紙片。当初、一見海外のトレードマークにしか見えず見落としていたのですが、こまかく読み始めてみるとローマ字表記の「帝国ハット」のヴァリエーションだったり「麒麟ブランド」「向い鷹」「飛龍」だったり、そのほとんどが国産品のそれ。
また、広告は日本の百貨店各店や丸善などの紳士用帽子の商品広告と、同じく紳士用帽子セール用の広告とで占められています。
戦前から終戦直後、都市の雑踏を写した写真を見ると男性の9割以上が帽子をかぶっていたりして帽子着用率の高さには毎度驚かされますが、男性のおしゃれに欠かせないアイテムであったこと、広告やディスプレイなど人の目につくものについてはとくに、おしゃれアイテム(う。死語だ…)に相応しいハイセンスを目指していたことがよく分かると同時に、努力のほどが伺えるスクラップブックになっています。
つまらないお話しですが、今回初めて気付いたことがもうひとつ。
インスタグラムの「お気に入り」は 21世紀のスクラップブックだ !

今週の斜め読みから。ってか、言語道断だという自覚がない人に政治を任せていることがそもそも言語道断だと痛感した一週間でした。
問題はもちろん あれですね。
https://www.facebook.com/shigenori.kanehira/posts/3340451459370121
https://www.tokyo-np.co.jp/article/59110
おまけ、ではなくまじめに。この言いぐさの酷さもまた…。
https://lite-ra.com/2020/09/post-5655.html

 





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