■先週の木曜日の夜、突然テレビがブラックアウトしました。まだウチに来て10余年。家電はいつからこんなにヤワになったのか。ともあれ金曜日は市場の帰りに急遽家電量販店に立ち寄り新しいテレビを購入。当ページを更新する気力は残されておらずそのままパス。今週月曜日にはLINEの返信を入力していたところ、今度はiPhoneがまさかのブラックアウト …… というわけで、12月を何だか不穏な空気のなかで迎えることになりました。大丈夫かうちの店。
一方、ただいま目録作成中で、そちらにも支障が生じつつあり、今年は松屋銀座での即売会も無期延期、のんびり過ごすはずの12月がやっぱりタイヘンなことになってきております。やれやれ。
来週~再来週、店は火・木・土曜日で営業の予定ですが、目録制作の進捗状況によって臨時休業となる日が出てくる可能性もあります。
直近のスケジュール変更についてはFacebook 古書 日月堂でご確認いただければ幸いです。ググっていただくのが早いようです。何卒よろしくお願い申し上げます。
■目録って何でまたそうでなくとも慌ただしいこんな時につくってるの? と思われる方もおられるかも知れません。既報の通り、毎年1月吉例だった「銀座 古書の市」がコロナウイルスのあおりで無期延期に。かといって何もしないのというもあれですかねえ。というのでかれこれ二ヶ月程前のこと、参加店で話し合いの場が持たれました。
何もしないというのもありですよね。たまにはのんびり年末年始。良いですねえ。ま、でも何かするということも考えられるわけですよね。それ用に商品集めてたりとかあるでしょうしね。とすると何しますか。やっぱり目録つくりますか。合同目録ね。しかし合同目録ってお金かかりますよね。店によって入稿原稿のレベルがバラバラなんで。表紙どうしますかとかもあって。デザイナーたてなくちゃですもんねえ。それぞれ勝手につくるといま本当に安く作れるんですけどね…………!!!
と云うわけで、それぞれが好き勝手に目録をつくり、それをまとめてひとつの袋に収めて参加店全店で名寄せした共通の名簿でお客さまにお送りしよう! ということになりました。題して「古書目録福袋」。しばりは判型を最大でB5までとすること。以上。
小店もこの企画に乗っかって、年明け1月中にお客様のお手元にお届けする目録の作成を進めているのですが、現状相当に作業が遅れております。大幅に遅れております。まずいです。
もうお分かりかと思いますが、今週の更新、ここまで全部が言い訳です。
何が云いたいのかと云いますと簡単なお話しでして。
こうした経緯で年内のHPの更新は不定期とさせていただきます。年内まだあと2回くらいは更新したいとは思っていますが、次回いつかはまだ申し上げられないなと。
我ながら相当にだらしのない2020年の歳末です。
引き続き、時々気にしていただければ幸せです。
何卒よろしくお願い申し上げます。
■画像は戦後の前衛芸術運動を代表するひとつ、世界的な規模で活動を展開したフルクサスの創設メンバーのひとり、ディック・ヒギンズのメール・アート 。中身は市販の人形の片腕を紙箱にポンと入れて、ひょいっと郵便局に持ち込んで発送したもの、と云うか、郵送しただけのもの、ですが、その宛先が一柳慧と秋山邦晴の連名なので、これは是非、日本に残って欲しいという思いも込めて目録に掲載する予定です。ちなみに、特注品と聞く立派なアクリルケース付き。ご参考まで、2点目の画像がアクリルケースに収めた状態となっております。
目録には他にどんなものを?というのは機会があれば追々に。
コロナの影響もあり今年は仕入れに苦しんだ1年でした。今回の目録はこれまで以上に期待なさらないでいただきたいと云うのが、いまのところの切なる願いであります。
コロナ感染拡大はまだまだ続くものと見られます。どうかくれぐれもご用心下さい!
■先週更新を1回お休みさせていただいている間に11月もはや後半戦。その間に東京ばかりか北海道や大阪、神奈川あたりまで、コロナ感染者数が急拡大の様相を呈するに至りました。
今日11月21日(土)からの三連休は"我慢の3連休"が提唱されておりますが、店での仕事がたまっていることもあり、21日(土)はひっそりと営業いたします。
根津美術館の甍とちょうど同じくらいの高さに位置する小店、根津さんの方から吹いてくる風が店内を通過して、換気にだけは事欠くことがありません。
マスクの着用と手指の消毒についてはこれまで通りご協力をお願いいたします。また、当面はお連れの方は3人様までとさせていただきます。
ご不便をおかけいたしますが、引き続きご理解・ご協力を賜りますよう何卒よろしくお願い申し上げます。
■今週の新着品1点目は久しぶりの王道で・直球で・そして本! 日本工房改め国際報道工芸の制作による対外宣伝=プロパガンダの書、1942(昭和17)年発行の『日本照片集1 重工業』。
発行は、権力の中枢にありプロパガンダと思想統制を担う情報局管轄下にあった国際文化振興会(KBS)によるもので、この頃、名取洋之助率いる国際報道工芸はKBSとがっちり組んだ仕事を次々に世に出しました。
『日本照片集1 重工業』は中国語版で、他に日、英、仏、安南、マレー、ビルマ、タイ語のヴァージョンが存在することが確認されている一方、シリーズ「1」に位置付けられいる重工業号に続くはずだった「2」以下の刊行物は、いまのところ確認されていないようです。
当品の記載は全て中国語。巻頭に序文が置かれる他、本文中のキャプションはいずれも極簡単簡潔なもので、実際には写真集と云うべき内容。申し遅れましたがタイトルにある「照片」は中国語で「写真」の意味。そのものズバリのタイトルです。
序文で語られているのは、短期間で達成することのできた日本の優位性です。曰く…… 日本は明治維新後わずか70年あまりで飛躍を遂げたが、とりわけ産業、なかでも重工業の発展が目覚ましく、そのおかげで今日の国防国家体制が築かれている。その驚異的躍進について1冊にまとめたこの書物は国際文化振興会の誇りとするところである……といった調子。
さて、肝心の写真はといえば、土門拳、木村伊兵衛、溝口宗博、杉山吉良の4名。巻末のクレジットでは、どの写真が誰の作品なのか、掲載されている写真のページ数が写真家別に並べられていて、資料としての使い勝手もなかなかのものと見られます。
薄暗い製鉄所とそこに差し込む自然光をドラマチックにとらえた写真など、捨てがたい写真多数有。あとは別の言語の刊行物と内容が完全に一致しているのか、多少なりとも異同があるのか、気になるところではあります。
■2点目は『OPICS』=光学というタイトルの洋書から挿絵部分だけを抜いたと見られるプレート。22枚一括での落札で、旧蔵者は海外で売られていたものをまとめて買って架蔵していたようです。
それぞれのプレートの一番下、米粒の三分の一くらいのサイズで印刷されているクレジットに目を凝らすと、「1819」「1820」との年記と「ロンドン」「銅板画」とあり、年代と印刷技法が確定しました。色付けは手彩によるものと見られますが、どれもとても丁寧で失敗がありません。
光学用の各種機器・装置とその仕組みの他、視覚や光の屈折などを図式化したプレートも含まれており、こちらはこちらで魅力的。
この商品については多言を要さず、額装するかコラージュに使うか、プレゼントとして選んでみるか …… 先ずは感覚で選び、自由にお楽しみいただければ何よりであります。
■さて、コロナ感染と睨み合わせながら、世の中はクリスマス商戦へ。というわけで、長年、小店の商品を置いて下さっている目黒通りのアンティークショップ、ジェオグラフィカさんのクリスマスイベントが本日21日(土)よりスタート!
今年は「聖なる夜とセピアの書斎」をテーマに、紙モノ好きでここを知らない人はモグリと云われるハチマクラさん、独自の世界観がクセになるとの噂のpiikaさんなど初参加のお店も!
小店からも欧米各地のトレーディングカード、フランスの化粧品関係のラベルや包装紙、戦前の海外の地図・ガイドブック、クリスマス向きのポストカード、寝しなに読むために編まれた佇まいの良い短篇小説の冊子などなど、紙モノを大量追加いたしました。
吹き抜けのある広くてゆったりとした空間で、一足早いクリスマスをお楽しみ下さい!
詳細は下のアドレスから。よろしくお願いいたします。
https://ec.geographica.jp/news/IF000279
■11月に入りました。年内の新着商品のご紹介もあとは数えるほど。ですが、来週は市場の関係で更新は1回お休み、また、14日(土)の店の営業は夕方からとなります。この日のご来店については、事前にお問合せいただくか、当日、Facebookでのご確認またはDMでお問合せをお願いいたします。
念のためおさらいしておくと、今週~来週の営業日は7日(土)、10日(火)、12日(木)のそれぞれ12時より20時までと、14日(土)の夕方から、とさせていただきます。大変ご不便をおかけし誠に恐縮に存じますが、何卒よろしくお願い申し上げます。
■先週の"紙相撲力士衆628名ご一行様"の圧倒的な力にあてられて、今週は市場に出かけて行ったところでどうにもさっぱり面白くない。というわけで、今週の新着品、画像の1点目の商品2点はまたしても店のバックヤードからの発掘品と相成りました。
ひとつめの画像中、上の2点は「東京ステーションホテル」のパンフレット。折りたたむと17×5cm程度のポケットサイズとなるもので、表紙を開いた側には東京市電略図が印刷されており、その裏側が「PLAN OF THE TOKYO STATION HOTEL」と題されたホテル全階のフロアガイドとなっています。
これまで帝国ホテルをはじめとするクラシックホテル関係の紙モノは荷札からマッチ、パンフレットや建築写真プレート集など、色々なものを扱ってきたと思うのですが、「東京ステーションホテル」に関するエフェメラを手にしたのはこれが初めて。極めて珍しい(…はず)。
表紙に刷り込まれている建物外観とその周辺を写した写真の様子が、もしかして足場を撤去してすぐ撮ったかと思う程度に殺風景なことから、1915(大正4)年の開業当初のものと思われます。
フロアガイドには「客間類別表」もあり、客室は「応接間及浴室付」「一人床浴室付」の浴室付きと、浴室のない「二人床」「一人床」の全4タイプ。最も多いのは浴室なしの「一人床」タイプで、共同の浴室が3階の左翼・右翼それぞれ端の方に3~4室、客室とは別に設けられています。どの部屋がどこに位置しているのかも、平面図とこの一表とを照らし合わせれば一目瞭然。
一目瞭然ということではもうひとつ、このパンフレットには「従業人食堂」「工作場」「配膳室」「倉庫」「機関室」等々、宿泊客や利用者が知る必要のない情報まで全て記載されておりまして、ホテルの全機能と配置がこのパンフレット1点で全て分かってしまうという …… いまではむしろ明かしてはまずいと思われる点まで、文字通り一目瞭然となるわけです。
で。お!とか え!とか ふむふむ とか。眺める度に発見のあるパンフレットです。
■↑と同じ画像に収めたもう1点はご存知銀座の名店、伊東屋さんの『株式会社伊東屋 新築工事概要』。B6・28Pの小冊子で、「1930.5.31.」との期日記載もあります。
地上1階から8階、屋上までの平面図にテキストが20P! このテキスト部分がこの冊子のすごいところで、竣工までのスケジュール、構造、装飾、施設、設備など詳細を極め、さらに現場監督と建築工事請負のそれぞれ個人名、下請負人の中小組織と個人名をあらゆる職掌まで網羅。ここまで記録している新築記念出版物を、すくなくとも私には他に見たことがありません。晴れやかな竣工の当日、手渡されたこの冊子に自分の名前を見つけて、人知れず胸を熱くした職人さんたちもいたに違いないと思います。
記録であると同時に、会社であれ個人であれ、それぞれの仕事に対して敬意を払う伊東屋という企業の姿勢の表れと見ることもできるもので、実に清清しい記念冊子となっています。
「東京ステーションホテル」も「伊東屋」も、シミなど状態に難のあるのが残念ではありますが、いずれも入手の難しいエフェメラです。
■こちらは真正の新着品。またまたプレート集ですが、今回のは久しぶりのアール・デコ。1926年にパリで発行された『LE HOME MODERNE 20 PAGES D'ALBUM COULEUR』。タイトルと副題にある通り、現代的なインテリア・デザインをカラー20図に収めたもの。但し、入荷したのは1プレート欠けの不揃い19葉。カラーの部分は全てポショワール(ステンシル)によるものです。
プレートはリビング、寝室、子ども部屋など空間別に、その全景を描いた1葉と、全景のなかに描かれた家具調度・装飾品を図示した1葉とで対をなす構成。つまり、全20図で10のインテリアプランを提示していることになります。
デザインを担当したのは1925年のパリ万博(アール・デコ博)で活躍したアール・デコ期の代表的デザイナーのひとりであり、1937年のパリ万博ではゴールメダルに輝いたモダニスト、ジョルジュ・シャンピオン、戦前から注目され、第二次大戦後のミッドセンチュリー様式に影響を与えたとされるルネ・ガブリエルなど。
全景プレートではアール・デコが前面出ているものの、家具調度のプレートに散見される細部にはミッドセンチュリー・モダンの萌芽が認められる、興味深いデザイン集となっています。
プレート1葉欠のため、全景+細部の1対毎にバラ売りの予定です。
■今週の斜め読みから。
いちいちあげているときりがいなのでこちら岸のいまをとりあえずひとまとめに。タイトルがまずいのが気になりますが。
https://lite-ra.com/2020/11/post-5692_4.html
対岸では火の手があがっては消え 消えてはあがり。
https://lite-ra.com/2020/11/post-5692_4.html コロナの年も残すは2ヶ月をきりました。寒さ到来とともになお一層のご用心を!