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10/05/15 ペリアン再入荷 、アール・ヌーヴォーの先駆けとなったウジェーヌ・グラッセの『LA PLANTE ORNEMENTALES』など今週は大漁です。

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『選襗(選択)・伝統・創造-日本芸術との接触』はシャルロット・ペリアンと坂倉準三の共著として、昭和16(1931)年に発行。日本政府の招聘により来日したペリアンが、日本で接した工芸・民芸に触発されての創造の成果を具体的に形にした、高島屋での展覧会にあわせ発行されたもの。

■先ずは大切なご案内を。来週は火曜日に「洋書会大市」が開催されるため、店の営業日は5月20日(木)と5月22日(土)の各日12時~20時とさせていただきます。19日(水)は店に出る予定でおりますが時間は未定。このため、この日のご来店には先ず、お電話で在席をご確認いただけますようお願い申し上げます。またしても、の不定営業で、ご不便をおかけいたしまして大変申し訳ございません。「国宝燕子花図屏風」の特別展示とあって、眼前の根津美術館はタぁ~イヘンなことになっておりますが、人あたりしちゃったよ、なんて方には息抜きに小店うってつけ - 何しろほんとに静かなのだけが取り柄でありまして。ご来店のほど、お願い申し上げます。また、先週も訂正いたしましたが、ジェオグラフィカさん3Fライブラリースペースを占拠しての小店商品展示販売は5月30日(日)まで会期延長と相成りまして、図々しくも依然、居座らせていただいております。こちらは会期中無休という(…深く頭を垂れて感謝)。そんなこんなでますますわけ分からない小店ではございますが、天候もようやく安定してまいりましたところで、表参道へ、目黒・インテリアストリートへと、お運びいただければ幸いです。何卒よろしくお願いいたします。
今週の新着品、1点目はこちら。シャルロット・ペリアン、坂倉準三共著、昭和16年・小山書店発行の『選襗(選択)・伝統・創造-日本芸術との接触』(初版)の再入荷です。布装帙にA4・25P解説冊子と未綴じのリーフ53点を収めた完揃いで、リーフと冊子には目立ったシミもなく、帙の表紙側四辺周囲の焼けを除けばコンディションは上々です。当書概要については、丁度1年前、「09/05/09」の新着品ご案内のページをご参照いただくとして、ひとつだけ加えておきますと、解説冊子の表2にあるペリアンの仏文識語署名は直筆ではなく印刷で、当書にはもれなくついてきます。時々「おおお。署名入りだしめしめ」と喜ばれる方がいらっしゃるようなので付言する次第であります。なんてことを云ってる自分が、実は以前、糠喜びしたことのある一人でして、これぞ真の老婆心。

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アール・ヌーヴォーの泰斗、ウジェーヌ・グラッセによる花をモチーフとした図案集『LA PLANTE ORNEMENTALES』。巻1・巻2の2冊で石版刷72図を所収。1896年、パリで発行。表紙周辺に多少の傷みとシミがあるものの、図版は非常によいコンディションが保たれている。

■今週も荷物は少ないんだろうなぁと至ってお気楽に出掛けた市場はしかし、予想をあっさり裏切るウブ口の出品あり。突然のことに前のめりで市場を右往左往することになった原因は、キモノの意匠工房に眠っていたと思われる戦前の図案関係資料のウブ口でした。なかでも「こっ、これだけはぁあ~」と思って入札して、何と下札で落札できたのがこちら『LA  PLANTE  ORNEMENTALES』、著者は「E. GRASSET」。市場が終わると「サトーさん、何か鮮度、落ちてますよ。」なんて指摘されてしまったヘロヘロ状態、大判で重量もなかなかとあって、同タイトルの2冊の内「2」の巻だけを持ち帰りました。書名と著者名、大よその年代のあたりをつけてケンサクしてみると… 1896年にパリで発行、全72図(巻2はPL 37から72まで)を石版刷で所収、2巻で揃い - と出ました。明日、店に落札品が届いたところで巻1とあわせて再度確認いたしますが、まず間違いないはずです。また、同じ著者名で似たようなタイトルの本が1979年に発行されているようですが、こちらは正真正銘の1896年発行の元版です。さて、この装飾図案集、画像でもお分かりいただける通り、植物をモチーフとしたアール・ヌーヴォーのデザイン図案集で、花の種類ごとに先ず写実的な図版が1P置かれた後、同じ花を意匠化した2Pが続く、という構成がとられています。すでにお気付きの方もいらっしゃると思いますが、著者の「E. GRASSET」は、アール・ヌーヴォー様式の先駆者であり、そのデザイン・パターンの基礎を築いたとされるウジェーヌ・グラッセ。スイスに生まれ、ドイツで建築を学び、パリで家具や宝飾などの工芸意匠、さらにポスター・デザインなどの分野でも活躍したグラッセは、日本美術への造詣も深かったとか。

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お菓子屋さんをめぐる紙モノたち。キューピーやウサギの図案は“ブカ焼き”なるものの焼形。ブカ焼きの実体はいまのところ不明。ワッフルはひたすら“滋養”を訴える食べ物だったらしい。松と梅が刷られているのは木版刷の上掛紙。

『日本美術からの影響もみられるグラッセの図案集が、今度は日本に輸入されてキモノに生かされる。人→モノ→人→モノと、時に大きくて・重くて・厚くて・ウザイ(!?)モノを媒介として切りなく続いていたはずの連関は、いま薄っぺらい板状様機器ひとつに収まるデータ - 実体を伴わない軽いもの - へと、悉くとって替わられようとしているというわけですな。つむじ曲がりな古本屋は、今後、重厚長大なもので溢れかえることになりそうな気がします。はっはっはっ。
締めくくりはちょっと気軽なもので。カステラ、人形焼き、ワッフルなどの焼き菓子や、打ち菓子の型、ヨーカン板などの商品図案を並べた大型チラシとお菓子屋さん要に販売されていた包装紙の見本(ここまで画像)に、やはりお菓子屋さん用の木版多色刷・上掛け紙、そして寿屋(=サントリー)PR誌『繁盛』の昭和13年発行・創刊号など、久しぶりの紙モノはお菓子屋さん関係となりました。今週はこの他にも戦前の洋書で石版刷やポショワールのデザイン図案集が約20冊と大量入荷、デザイン雑誌『form』1960年代初頭発行分が約20冊木版扇面図案15葉バーナード・ショー宛の野口米次郎直筆書簡付き英文『北斎 広重、『ディアギレフのバレエ・リュス』他展覧会図録10冊大正期の第1回から昭和初めまでの国勢調査記念絵葉書が木版やエンボス+写真コラージュの奇天烈デザインまで約50枚、などが明日入荷。但し、書籍やリーフについては落丁や切抜き書込など、チェックに多少時間がかかりますので、来週よりぼちぼち、確認ができたものから棚に入れます。また、洋書図案集から、毛色の変わったところを来週改めてご紹介させていただく予定です。あ。先週予告だけしていた安斎重男オリジナル・プリント「ジョン・ケージ」(限定15部・署名入、於・高輪美術館)はこちらをご覧下さいませ→☆

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