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09/05/09 時代は変化ししかし歴史は連続する…のか??? ペリアン『選襗(選択)・伝統・創造-日本芸術との接触』 朝日新聞社『アメリカ博覧会』

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シャルロット・ペリアンと坂倉準三との共著、昭和16年・小山書店発行『選襗(選択)・伝統・創造-日本芸術との接触』ペリアンの来日の成果をかたちにした高島屋での展覧会と同時期に発行された。豊富な写真でペリアンの仕事が細部まで分かる。当品はプレート、図面等一部欠けあり。

■“ペリアンは、コルビュジエの協力者として活躍したインテリア・デザイナー。1940年日本政府の招聘により来日、7ヶ月間滞在。同書は、滞日中の成果を具体的に形にした高島屋での展覧会にあわせて刊行された。展開されるデザインは、温かい視線の向けられた日本の民芸と自身のモダンなセンスをミックスしたようなものが多い。展覧会協力者の一覧には、河井寛次郎、濱田庄司から「積雪地方農村経済研究所」等まで、また、柳宗悦やペリアンの助手として柳宗理の名前も。”- というのが、2001年に発行した自店目録のなかで、『選襗(選択)・伝統・創造-日本芸術との接触』に添えた解説でした。シャルロット・ペリアンと坂倉準三との共著、昭和16年・小山書店発行の初版A4・25Pの解説冊子付き、但し、今回入手したのは未綴じの写真図版リーフ53葉の内の5葉と、カラー刷りの展覧会平面図が欠けてしまっているものです。ううむ。完本で出てくれば、冒頭の目録でつけた販売価格の数倍にまで高騰した落札価格、もはや小店には高根の花。この状態だから落札できたという次第。欠けはあるものの、出現すること自体珍しくなってしまった昨今、最低限の資料とはなるのだからとりあえず押さえておくべきか。いや待てホンマにそうかいな …… と散々迷った挙句の新入荷となりました。さて、この8年の間には落札価格だけでなく情報環境の点でも大変化を遂げているわけでして、いまwikiでペリアンの項を開いて見ると、目録解説に書いた“7ヶ月間滞在”は、来日してから展覧会までの期間のことで(ペリアンによる「後記」に“この展覧会の七ヶ月の日本滞在のあわただしき準備によつて”とあり解説はこれに基づく)、ペリアンは何と1942年まで日本に滞在して各地を精力的に経巡ったらしい、というのがあっという間に分かってしまいました。とすればですね。日本に触れることでペリアンの中に起こった変化というものは、むしろこの展覧会の後に現れているはず。むむむ。この欠本の価値って一体?……「迷ったら買え」が古書市場での鉄則だと教えられたのも、そういえばいまから8年前よりさらに遡って……もはや通用しない時代のことだったかも。

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“鬼畜米英“の第二次大戦敗北から5年、1950年発行の『アメリカ博覧会』は大成功を収めた博覧会会期中の写真を中心に構成された報告書。

多色刷り木版画が表紙を飾る『アメリカ博覧会』は1950年、朝日新聞社主催、占領下日本で開催された一大スペクタクルの報告書(非売品、同年・同社から発行)表紙の木版画は川西英須田国太郎と小磯良平のカット入り、竹中郁と小野十三郎が詩を寄せるという力の入りよう。博覧会についてはえば、報告書に力も入るのも当然で、たったの4ヶ月半開催で約200万人の来場者を集めたといいます。報告書は写真を中心に構成されたもので、内容が非常に分かりやすく、分かれば分かるほどその内容がすごい。ナイアガラの滝(もちろん模型)を見る舞妓さんたち、“アメリカの政治と歴史を知ろうと”日本人が群れなす向こうにホワイトハウス(とうぜん模型)、アメリカ一周野外パノラマには何だか略式化された自由の女神(あくまで模型)、空飛ぶホテル・ストラストクルーザー(現物。たぶん)へ整然と列なして飲み込まれていく日本人の列・列・列!…大は原子力発電所から小はトレーラーハウスまで、アメリカのあらゆる側面を実際に「日本に居ながら」見て体験して知ることができる、という趣向。こんなの見せられた日には、なんでアメリカとなんか戦争はじめちゃったんだろうなあそうだよ新聞なんてさウソばっかだったよなあ……と打ちひしがれる人続出かと思いきや。いやはや日本人の楽しそうなことといったら。ま、ね。楽しかったに違いないけど。根にもたない国民性というのもこれでなかなか稀有なもんだと思う一方で、いまの政治の堕落の原因なぞも、実はこんな国民性に由来するものではないかと思ったりして。日本に現れたアメリカという無茶とキッチュに目を瞠りながらも、国民性にせよアメリカと日本の関係にせよ、いずれにしても歴史は連続していると、ページを開くたびに想起せられること必定であります。市場の荷物の少なさに、どうやら世の中まだGWなんだと推察した今週、新着品はこの他、戦前ドイツの工業・機械関係商品広告16点銘仙の色柄見本帖(現物貼込多数)、旧蔵者のセンスが光る戦前ファッション関係資料スクラップ帖などわずかですが、GWの最後の最後に、またご来店いただければ幸いです。
おっと。こちらも最後にもうひとつ。お待たせいたしておりましたサイト内「text」のページで、予定されていたご連載がいよいよスタートします。新着情報なんぞかるぅーく吹っ飛ぶ内容の濃さ・面白さで、この日の前でも後でもダメという5/18・5/19の日付が変わる頃にアップの予定。乞うご期待!です!!
 

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