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15/02/21 100年前から届いた新着品 アール・ヌーヴォーの装飾意匠プレートとイギリスの詩文集『チャップブック』


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■1週お休みをいただいたので、久しぶりの更新となりました。お休みをいただいたのは、中央市会大市のため、通常の市場が1週間にわたってお休みだったから。従って、今週の新着品は、直近、その中央市大市で落札かなった品物からのご紹介です。

その1点目。市場でお目にかかるのも久しぶりだったフランスの石版刷の図案プレートは、本来あったとおもわれるポートフォリオが欠けており、さらにプレートの数から見ても不揃い。それでもなお、これは買っておいて間違いないと思われるクオリティでした。
インテリアや陶磁器などの工芸品に実際に使われた意匠を忠実に写しとったデザイン集ですが、アール・ヌーヴォーが様式化していく時代の最初期、まだそれほどデザイン化=簡略化が進んでいなかったと見え、プレートに描かれた図案もかなり細かく描写されているのが特徴。図案の細かさゆえに、何度も色を重ねて刷り出し、さらに、プレートによっては手作業で彩色したと思われる部分なども見られるという、とても手の込んだ仕事です。また、とくにブルー系の色の発色の良さ、グレーやブラウンなど暗い色のグラデーションの細かさなどは見事な出来栄え。プレートのサイズが32.5×45cmと比較的大ぶりなので、華やかに見えるのもこのプレートの魅力でしょう。
プレート毎に印刷されているタイトルは『La Décoration Picturale Au XXème Siècle』。ここからHenry Guèdyという人を著者に、1905年に発行されたものであることが分かりました。が、この著者に関する情報は少なく、また、書名を検索窓に放り込んで画像検索してみても、現段階では引用されている画像は数点のみと僅かなことから、比較的珍しいもの、と云ってよさそうです。全60プレートの内の42点の入荷ですが、扱えるのは今回1度限りで再入荷はまずないだろうという予感大。この機会、是非お見逃しなく!

■「イギリスのチャッププック」と云えば、19世紀イギリスの大衆向け読み物で、古くから愛書家にとっての蒐集対象だったことが夙に知られていますが、こちらのチャップブックは20世紀に入ってから、主に詩誌として発行されたもの。タイトルにある『THE CHAPBOOK (A MONTHLY MISCELLANY)』のMiscellanyは詩文集の意味。発行はロンドンの「ポエトリー・ブックショップ」とあります。


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入荷したのは3つの専用ポートフォリオに収められた1919年7月の創刊号から1923年発行の38号までの38冊と、1925年に発行された40号との合計39冊。38号までは「チャップブック」の名前に相応しく、軽装版・中綴じの薄冊ですが、40号では上製の立派な本になっています。ちなみに、1号だけ欠けていた39号について調べてみると、西脇順三郎が“A Kensington Idyll”という英詩を寄せており、なるほど1冊だけないのは “抜かれた” あとかと至極納得。この号まで揃っていたなら、入札したところで小店など歯がたたなかったものと思われます。
ともあれ。入荷したチャップブックを見ていくと、エリオットやイーディス・シットウェル、オルダス・ハクスリー、ハワード・スプリング、さらにトリスタン・ツァラ、ピカビアなど、この当時、幾筋もの新たな潮流が生まれていた現代詩を盛んに取り上げるとともに、ロバート・ブリッジスといった大御所のテキストなども掲載して、詩文集として充実した内容を備えています。がしかし、それに留まらないのが「チャップブック」のチャップブックの所以とでも云いましょうか。現代劇や舞台美術、エドワード・ゴードン・グレイグによる「人形劇と詩」という特集号があるかと思えば、デ・ラ・メアの「満月」という詩に曲をつけた作品が掲載されている子どものための唄の特集まで - 朗読とか朗唱という行為を共通項と見ての芸術分野に(?) - 広く目を向けて編まれています。
ゴードン・グレイグのテキストには、文楽人形の図解が4Pにわたって掲載されるなど、号によって挿図や挿画が、時には木口木版画オリジナル作品として適宜配置される他、画像でお分かりのように、各号とも表紙がとてもモダンでしかも、そのほとんどが石版刷り。それらしい能書きを連ねましたが、実はこの表紙こそが、入札の最大の動機だったことは、小店のお客さまであればお分かりのことかと…。

今週はこの他、左上の画像で見えている「TOY SHOP」の看板(木材にハンドペイント)、戦前のタバコパッケージ約140点オーダー紳士服用の古い型紙やノートなど1袋分木版刷図案スクラップ帖2冊19世紀のファッションプレート30点雑誌『海洋少年』等戦時下少年雑誌6冊現代美術関係の洋書18冊 … など、値付け次第店頭に並べ始めております。一体、どういう古本屋なんだかわけの分からないラインナップ。
ま、もっとも、もぉーーーっと分けの分からないことが続く2015年2月の日本ではあります。
http://matome.naver.jp/odai/2142372606818886401
http://ohsaka.jp/article-9605.html
http://saigaijyouhou.com/blog-entry-5627.html

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