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07/01/14 Information

■今週の営業です。お約束いたしました通り、今月一杯、火・木・土の12~20時で営業いたします。ご来店のほど、よろしくお願いいたします。 先週は市場も通常に戻り、仕入れも本格化しました。入荷したての新着品から、先ずは久々の印刷がらみの品物を。図版用の銅板凸版版下・全32点。モチーフは「高速ハンダ鏝」「SANYO ELLECTRIC」「鉱石ラジオ」などの文字も刻まれている小型機械・測量計の類ばかりです。画像が鮮明ではなく恐縮ですが、これがなかなか格好いいので。しかも印刷がらみとあって。意地での落札ではありました。で、ここから先↓は少し印刷関係のレッスンめいてまいりますが…… ■これまで私が見てきた銅板は、どれもせいぜい1mmほどの厚さだったのに、今回のものは明らかに厚い。どれも3mmくらいあります。どうしてだろうと首をひねっていたところ、ちょうど店に来合わせたのが高岡重蔵さん。で早速「鑑定」していただきました。高岡さんにいわれてこの銅板、改めてよぉーく見ると、褐色がった銅と何やら灰色との二層で構成されています。私が扱ってきたのは銅板を腐食させたものだったに対し、こちらは ①木口木版で母型を作る ②この母型をロウでかたどりする ③ロウの型から銅メッキの技術で薄い銅板を成型する ④できた銅板の底部に鉛の台をつける という工程で作られたものだとか。何故わざわざ鉛で重ねるのか、というと、メッキの技術である程度の強度を得るのに、銅では時間と材料コストの点で効率が悪い(つまり鉛の方が安くて簡単)、鉛は柔らかいのでカンナをかけられる(刷面を水平にするなど加工・修正に好都合)といった、おおナルホド、のご教示をいただきました。32点の内、数点は木口木版の母型にあたるもので「こちらはとくに希少」だとか。そして、「この技術も1950年代頃までは生き残っていて専業業者もあったのだけれど」とも。多分、こうした、いわば枝葉にあたるところのお話というのは、伝えられる機会も少なく、あっという間に失われていくのだろうと思います。こんなお話が伺えたのも機縁、というので、ここに記しておく次第です。

新着品その二、は、どんなに売れなかろうが私は好きなので買いますロシア関係。市場と、お客様にお譲りいただいたものとで、これはうれしい!8点まとまっての入荷となりました。画像一番左は『ナディア・レジェのシュプレマティスム』。1972年、パリで発行された限定250部本(当書は番外)で、ナディアの作品94点をカラー印刷(貼込)で収めています。ナディアはロシアで画家として活動した後、フランスに移住。フェルナン・レジェの再婚相手となり彼の晩年をともにした女性。作品はいずれも非常に洗練されたもので、なかでも金銀二色を組み合わせて変奏・展開されていく金属製のオブジェは印象的です。1910年代にマレビッチが提唱し、“ロシア・アヴァンギャルドの動向の中で初めての生粋の運動”とされるシュプレマティスムの作品群が、“知的であり、また精神主義的でさえあった”と評されるのも頷けます(引用はロバート・アトキンス)。残る二冊はいずれもロシアのポスター芸術についてまとめたビジュアル・ブックで、ともに1990年代初めにモスクワで発行されたドイツ語版。中央は1913~91年の、右端は1920年代のポスターの図版を、1Pに1点・全てカラーで掲載しています。とくに1920年代のポスター集など、こちらはもうパワー炸裂、どこに出しても恥ずかしくないロシア・アヴァンギャルドの作品がずらぁーーーと並んでおりまして、それはもう圧巻なのでありました。

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