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14/12/18 徹頭徹尾アール・デコなイタリア・ワインの会社案内 と フランス・マゼレールによる大人の絵本


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■ついこの間、迎えたはずの2014年を、旬日を経て見送る今日となりました。
小店、2014年年内の営業日も数えるばかり。確実なところは本日20日(土)、25日(木)、27日(土)の3日間。これらの日はいずれも12時から20時で営業いたします。
23日(火)は洋書会歳末市のため、市場が終わり次第、店を開ける予定でおりますが、当日になってみないと時間の目処が立ちません。このため、大変申し訳ございませんが、この日にご来店下さる場合は、お出掛け前に必ず店までお電話の上、在席をご確認下さい。 03-3400-0327 で留守番電話に切り替わるうちはまだ不在、開店時間のご確認は23日(火)の当日、東京古書会館までお電話の上、日月堂をお呼び出し下さい。こちらの番号は03-3293-0161となっております。
毎度毎度ご不便をおかけいたしますが、何卒よろしくお願いいたします。

新年のご挨拶を目前に控えながら、信徒でもない人々までもがこぞってキリストの誕生を祝う国というのは、日本以外にどのくらいあるんだろう? と、そんなことに今まで疑問を持たなかった方がどうかしているというお話ですが、いま急に頭の中で疑問が渦を巻き始めました。思えば鵺のような文化や習俗に事欠かないのが日本という国なのかも知れません。
閑話休題。
小店店主もかくなる日本的顰に倣い、今週の1点目にはクリスマスにお似合いの小冊子を選びました。1850年にイタリア北部で設立されたワイナリー「GANCIA(=ガンチア)」が発行した英文の会社案内。1934年刊行のクレジットが記載されています。
発行当時、イタリアは云うまでもなくムッソリーニによるファシズムに支配されていたわけですが、同時代・他の全体主義諸国で政治的指導の元に行われた芸術文化の分野における方向転換-ロシアの社会主義リアリズムへの転換だとかナチスによる退廃美術だとか - がイタリアだけはほとんど省みられことなく、未来派やダダといった前衛から、アール・デコ等モードまで、一時も足踏みさせられたり後退させられることのないまま前進し続けたという希有な歴史をもつ国らしく、この15cm角程度の冊子も、シックで優雅で洗練された意匠をまとっています。


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オフセット印刷をベースとしながらも、ほとんどのページで金色銀色をはじめとする特色印刷が重ねられており、とくにブドウの実と弦を意匠化し本文ページに配した装飾が利いています。圧巻はカーテンを引くかのように観音開きのページを開くと現れる見開き4ページ分のスペース。画像上段の右が観音開きを閉じた状態、下段見開きが開いた状態なのですが、図版として紹介される商品はわずか9点、中央見開きはただただイメージに訴えるという実に贅沢な紙面の使い方です。なるほど、余白を恐れていては高級に見えない!
がしかし、とするとですよ。余白のない当HP。問題大あり。

フランス・マゼレール。単にこの言葉を「グ」の検索窓に入力すると、出てくるのはほとんど小店のサイト。柳瀬正夢をはじめ、戦前日本のイラストレーションに影響を与えたことが指摘されていながら、日本では一向に知名度回復がなされないフランス・マゼレールですが、そのマゼレールの『DU NOIR  AU  BLANC』が今週の2点目。タイトルには単に黒から白という意味だけではなく、夜から朝、悪から正義、資本家から労働者など、さまざまな含意を表すものと見えます。
マゼレールの本では珍しくA4より少し大きい上製本で、マゼレール自身による序文はフランス語とドイツ語の併記。本文にあたるページはマゼレール本らしく言語を全く伴わない木版画だけで展開されるもので、当書の場合は57図(全て片面刷)
不思議な生き物が棲む豊な森。そこに目をつけた資本家が、大勢の労働者を動かして森を切り開き、都市を建設し、工場を建てる。都市化と過酷な労働の中で労働者は疲弊し、資本家ばかりが富む。資本家と労働者が敵対し、闘争が起こり、踏みにじられた弱者の中から自然へと回帰するものが現れる……といった感じで、見たところありがちな展開ではありますが、マゼレールの木版画は一見粗野でありながら幾重にも重なる摩天楼や労働者の群れ、機械の構造や資本家の表情など、表現力はかなりのもので、そのストーリーとともに日本で早くから受容されていたのも充分頷けます。
これまで不思議と足が早く小店から旅立ったマゼレールの著作なのですが、今回も是非、日月堂でくすぶらずに、よりよい場を得られますように祈るばかりでいる年末の日月堂あるじ でございます。
尚、当ページの更新も年内はあともう1回、来週末がラスト。来週木曜日の定期運送便で入荷予定の新着品については、次回までしばらくお待ち下さい。

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