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14/10/04 小冊子2点とフジタのオリジナルエッチング付き限定本


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■早くも10月に突入。日曜日から月曜日にかけては台風が首都圏に接近するとの予報もあり、自然災害が猛威をふるう今年、警戒しておくに越したことはなさそうです。どうかくれぐれもご注意下さい。
さて、来週ですが、木曜日に大量出品の情報もあり、10月9日(木)は開店時間が遅れて15時頃からとなる可能性があります。10月7日(火)及び11日(土)は12時より営業いたします。ご不便をおかけいたしますが、こちらも併せてご注意いただければ幸甚に存じます。何卒ご理解を賜りますよう、お願い申し上げます。

今週は、先週に比べるとずぅーーーっと地味な2点プラス1冊。
『社会教育パンフレット第5輯 社会教育ポスター集』文部省普通学務局編大正15(1926)年に財団法人社会教育協会が発行したB6サイズの小冊子です。財団法人社会教育協会は大正14(1925)年に設立され、現在は公益財団法人社会教育協会として活動を続けている“わが国最古の社会教育運動推進機関”であり、“社会教育並びに生涯学習の振興・普及”を目的とする組織。『社会教育パンフレット』はその機関誌として大正15年1月に創刊、以後、「アンデルセンと其の作品」から「マルキシズムの修正」まで、幅広い分野のテーマを取り上げながら、少なくとも昭和15(1940)年までに400号近くを数え、発行が続けられたようです。


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第5輯にあたる『社会教育ポスター集』は、“本省(=文部省)の調査に基づき、東京高等工芸学校に於て製作せるものの中、64種を選び”収めたもの。オフセットおよび特色印刷によるカラー片面刷り16図・16Pのポスター図案を巻頭に置き、各種統計資料を図案化した作品が続きます。画像は「生活に予算をたてよ」などカラー刷りポスター図案からとったものですが、この他、「健全なる娯楽を求めよ」「図書館は公衆の学校」「身を鍛えよ」といった標語のポスターが採用され、また、統計図案には「大正13年度帝国図書館館内閲覧人職業別」「犯罪の原因調」「俸給生活者及職工一年間支出内訳百分比」「酒類消費量及買学累年比較表」など、地味なモノクロページとあなどるなかれ、これ1冊で当時の社会の中でどんなところに問題意識が置かれていたのかが見えてくる、なかなか面白い資料集となっています。

■「社会教育パンフ」と比べてもさらに小さなB6サイズ、表紙含め16Pという文字通りの小冊子ですがこちら、『ソヴェート演劇展覧会 目録』朝日新聞社が主催して行われた展覧会の展示品を目録にしたものですが、巻末の記載によればその展示品というのが「数年間ソヴェートにあつて演劇を研究最近帰朝された野崎氏の将来されたもの」。野崎氏というのは1928(昭和3)年5月から1932(昭和7)年10月までソビエトに留学、“夥しいアヴァンギャルド演劇をリアルタイムで実見した碩学”(沼辺信一氏ブログ「私たちは20世紀に生まれた」2011年3月9日)野崎韶夫のこと。先の出品物の説明に続けて、各劇場上演目録の分析、入場料の一覧、興業日数と組織的観客増大のダイアグラム等の図解などまで、展覧会の企画当初には計画されていながら、「健康が許さぬため」割愛せざるを得なかったことを野崎が自身の文章の中で述べており、留学によって野崎が得た知識と見聞の、なみなみならぬ豊さを伺わせます。展覧会の開催年度についての記載はありませんが、野崎の帰朝年月と、当目録で判明している開催日から考えて、昭和8(1933)年のことではないかと推察します。


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当目録に記載されている出品物はメイエルホリド劇場がマヤコフスキー「南京虫」舞台面・律動体操授業のスナップ他8題48点、カーメルヌイ劇場が「三文オペラ」舞台面他26点、その他ソ連大劇場からジプシイの劇場まで、正統派にも前衛派にも目配りをした劇場別ラインナップで300点超。さらに「劇場ポスター」として46演目分、「劇場建築」が11点 - これには川喜多煉七郎とヴェスニン三兄弟との「ウクライナ大衆劇場」の計画案、MOSPS劇場のブルーノ・タウトとメリニコフの案が! - が加えられていて、瞠目すべき内容をもつ展覧会であったことが分かります。分かりますよね?分かるはず?… なのにしかし、この展覧会、文献資料やデータに詳しい紹介がほとんど見当たらないのは何故なんだろう。
全頁グレーにスミ一色の印刷ですが、アヴァンギャルド&モダニズム調のデザインは気が利いています。

今週〆の1点は藤田嗣治の銅版画オリジナル1点が添付された限定本、クレール・ゴルとイヴァン・ゴルの共著詩集『POEMES DE JALOUSIE』、邦訳タイトル『嫉妬の歌』。1925年、2ヴァージョン限定333部の内、古風すき込み紙に刷られた300部本の16番フジタの署名は刷面に、クレールとイヴァン両者の署名と識語が本の扉に入っています
それにしても、こうした王道ものの本は、あまり説明する必要がなくてラク。こういうのばっかりだといいなあと思いながら、また来週もワケ分からないものを買ってしまいそうな気がします。あ~あ。

■今週はこの他、戦前から1960年代頃までの自動車関係洋雑誌の嵩だけはあるヤマがすでに店に積まれている他、来週木曜日には…さて何が入ってくるんだろうか、市場が続く10月2週目になりそうです。


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