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14/09/26 一新会大市の落札品から アール・デコとアヴァンギャルドの時代の置きみやげ

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上段の4点は手書きのデザイン原画。詳細不詳ながら素晴らしい出来栄え。下3点はSegui氏の作品で、こちらはポショワール。


■24日(水)・25日(木)の2日間にわたって開催された一新会大市が終わりました。25日は夕方から店を開ける予定でしたが、最終開札まで残っていなければならなくなり、会館を出たのが既に18時過ぎ。出品されている品物を見てまわりながら入札し続ける2日間にさすがに疲れ果てて25日は結局、店を開けられませんでした。お知らせもしないままの臨時休業は、店として本来最もやってはいけないこと。このようなことのないように重々心掛けますので、どうか今後ともよろしくお願いいたします。
尚、営業日程等、急遽変更が生じる場合には、今後、Facebookの日月堂のタイムラインに情報をアップするようにしてまいります。当HPと併せてご利用いただければ幸いに存じます。

来年1月に松屋銀座で開催予定の「銀座 古書の市」に例年通り小店も参加させていただくのですが、その目録の締切が11月の初旬。げ。また締切が早まっちゃった。回を重ねる毎に締切が早まるのにアタマを抱えつつ、そろそろ目録用商品の選抜にあたります。目録に掲載した商品については、目録発行後のご注文、会期開始後のご購入まで、動かすことができなくなります。店頭品のなかで気になるものがあるようでしたら、お早目にお声をおかけ下さい。
一新会大市は目録掲載用商品を仕入れる絶好のチャンスでもあったわけですが、実際に、目録の写真版に使える小店らしい商品となると、そう沢山あるわけでもなく、しかも落札できるとも限らず、悩み多き2日間となりました。ともあれその釣果から、今週の新着品です。

■以前にも一度、別のプレートが入荷したことがあるフランスのデザイナーE.A.Seguy。20世紀初頭、アール・ヌーヴォー様式とアール・デコ様式のふたつの時代をまたにかけ活躍、影響力をもったテキスタイル・デザイナーとして、いまもフランスで高く評価されるSeguyによるテキスタイルデザインのポショワール・プレート9点を落札しました。
この手のポショワールのプレート集は、これまで色々扱ってきましたが、考えて見ると1枚1枚にデザイナーの名前が印刷されている例は珍しいことに今回初めて気付きました。発行当時のSeguyの名声がいかほどだったか、うかがわせるものがあります。

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何でもないように書きましたが、アポリネールとサンドラールという組合せによるテキストも魅力。フランス語が読める方には。ちなみに日月堂はフランス語読解力ゼロです。

Seguyは1930年代までの間に、いずれも華やかな色彩と繊細な手仕事によるポショワールのデザイン・プレート集を11集ほど出版しているようですが、今回入荷した9点はいずれも『BOUQUETS et FRONDAISONS』(全20葉)から、出版は1925年のことだったようです。タイトル通り花や植物の葉をモチーフとしたかなり派手なデザインとなっています。
画像中、下段がSeguyのそれですが、上段の4点は一緒に出品されていた、従って同時に入荷が叶ったアール・デコ様式のデザイン原画。アルシュ紙に鉛筆で薄く線描、水彩顔料で彩色したものが13点。何かしら下敷きのある“うつし”と思われるものもありますが、オリジナルの可能性もあり、実はこちらの“でき”の良さがとても気になります。見事な意匠と彩色とは、是非現物でご確認下さい。

うわ。こんな本があったのか!-云うまでもなく、まだまだ知らない本や印刷物が途方もない規模で存在している古書の世界にあって、とりわけ市場は常に発見の場です。今回の市場での発見が『SONIA DELAUNAY  27 tableaux vivants』。1969年、ミラノの版元から3ヴァージョン全650部発行されたうち、最も限定数の多い500部の内の195番。20世紀初頭、夫であるロベール・ドロネーとともに抽象絵画に取り組んだソニア・ドローネーが1920年代に発表したコスチューム・デザインをまとめた書籍で、ポショワールのスタイル画27図を収めています。やけに重たいのは何故だろうと思って見れば、表紙は木材の上に布張り、本文は経本仕立ての片面刷りで紙が厚い上に使用量も倍と、重いのも当然でした。
ドローネーのスタイル画は抽象画の画家らしく、色面構成による超モダンな作品ばかり。さらに、画像中一番左のページのように、身体とコスチュームを一体として抽象画に置き替えたような作品が出てくるのは、この人の作品集ならでは。早くから前衛芸術の擁護者だったギョーム・アポリネールのテキストからの抜粋と、ブレーズ・サンドラールの詩とをポショワールのスタイル画の間に置いた全39ページは、ダニエル・ジャコメの工房が印刷を担当、実体としての書籍の魅力に事欠かない1冊となっています。

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■何度入札しても負け続け、何度負けようが入札し続け、フラフラのパンチ・ドランカーのような様相を呈しつつも、昨日ようやく、やっと、一勝を上げることができました。齋藤秀雄の詩と岡田龍夫のリノカット版画が装丁から本文に至るまで寸分なく一体となり、日本のダダを代表する作品のひとつとなっている『蒼ざめた童貞狂』(大正15年=1926年発行)
齋藤の詩はダダを意識するあまり(か?)テキストだけを取り出してみると詩として成立しているかどうかさえ怪しい内容ですが、罫線や記号を取り入れ、活字の向きや大きさを自在に変え、或いは混在させる方法によって、視覚的な効果を上げているのは確か。そして、大正期前衛芸術運動の牙城・芸術家集団「マヴォ」の同人だった岡田龍夫によるリノカット版画は、すでに高い評価を得て、大変熱心なコレクターが海外にも存在するほどです。
昭和に入り時代が戦争に傾いていく中で、時代の波に呑まれて再び浮上することのなかった戦前のアヴァンギャルド。あの時代の光と影とを深く刻み込んだこの詩集は、他に類を見ない存在感を放っています。
木曜日、店を開けられなかったのは、最終台で改札を待つこの1冊のためでした。
明日からはまた、静かに、本と紙とステッキたちと店で向き合いたいと思います。あ。目録もやらなくちゃ。これがなかなかどーして憂鬱なんであります。




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