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14/07/26 先週の続きから カッサンドルの舞台の仕事と戦前フランスの豪勢なチャリティ企画の記念品など


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■……… あまりの眠たさに「ここらで厳戒」などという、今更ながらにお恥ずかしい誤打を放置したまんま、3点目をご紹介できずに終わった先週から、いまだにずぅーーーっと うすら眠たいボケた頭で、今週初めのお約束も果たせぬままとなってしまいました。結果、今日の更新はかくして積み残しとなっていた先週の3点目から、となります。
『DÉCOR DE DON JUAN』1957年、ジュネーブの版元から3,000部が発行された限定本で、当書はその1629番。LPレコードを模したものか、縦横各30cm程の正方形。同じ形の折帖或いはカラー図版のリーフを未綴じのままタトウに収めるというスタイルがとられています。
内容はというと、1949年に開催されたエクスアン・プロヴァンス国際音楽祭で、A.M.カッサンドルがモーツァルトのオペラ「ドン・ジョヴァンニ(=ドン・ジュアン)」のために手掛けた舞台美術と衣装のデザイン集。1940年代にはすでに、その活動の主軸を広告から舞台や絵画等美術分野に移していたカッサンドルですが、とりわけこのエクスアン・プロヴァンスの音楽祭の野外劇場における仕事は、カッサンドル後期の代表作のひとつに数えられるものです。
カッサンドルの仕事のうち、本書には、舞台背景画カラー8図=8葉、コスチュームデザインカラー8図=8葉、舞台設計図モノクロファクシミリ版3図=3葉を所収。カラー図版は残念ながらオフセット印刷。ですが、舞台背景画の繊細なグラデーションや、コスチュームの細部の装飾まで神経を配った成果か、こまかい部分までとてもよく表現されています。また、図版としては地味ではあるものの、緻密に計算された舞台設計図は、絵筆を捨て、定規を手にすることで、広告に新しい時代をもたらしたカッサンドルという人の資質や才能がストレートに伝わってきて印象的です。
ジャン・ジューヴェによるエッセイ他テキストは全て、フランス語を右側のページに、ドイツ語と英語とを対向ページに置いたトライリンガル。
カッサンドルの晩年に見られるどこか影のある作品は、好みの分かれるところかと思いますが、多面体であるカッサンドルを考える上では欠かせない1冊だと思います。


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もう12年くらい前、小店が表参道に移転してきた当初、1度だけ扱ったことがあるのが『BAL des petits blancs 1935』。前回は日本の市場にフランスの洋雑誌と一緒に出品されていたのを落札したのですが、以来、一向に出てこなかったのを今回ようやくパリで見つけてきました。
フランスの新聞『Le Jour』紙が、子どもへの援助を目的に、年に一度開催するチャリティー・イベントの記念プログラム今回入荷したのは6月4日の日付のある1935年版
プログラムに収められている演目を見ると、モーリス・シュヴァリエ、セルジュ・リファール、サカロフ夫妻、ティノ・ロッシ、ウィリー・ルイスなんていう錚々たる名前がたちまち目に入ってくるのですが、プログラムはプログラムでローランサン(カラー挿画多数!)、デュフィ、コクトー、コレット、アンドレ・モーロワ、モーリアック、マッコルラン、ポール・コラン、カッピエッロ、そしてダリウス・ミヨーなど、文字通り綺羅星の如き当時のスター芸術家たちが挿絵や文章・作品を書き下しボン・マルシェ、プランタン、ウォルト、ルノー、パッカード、エア・フランス、ニコラ、フォックス映画など、華やかな企業が奮って広告を寄せていて、内容充実を通り越して才能充満贅沢三昧といった観を呈しております。画像中、自動車の広告は里見宗次の手になるもの。また、画像にはとりませんでしたが、金色とスミで印刷された幼児の写真や銀紙に天使を空押した見返しなど、贅を凝らした印刷も見事。
やっと再入荷が叶ったところで眺めてみると、これだけ充実した内容だったのかと改めて吃驚すると同時に、かえって焦点が絞れないばかりに、一体誰が何のために買うのかむしろワケ分からなくなってくるという、実に困った1冊になりそうな気がしてきた……。


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クリニャンクールでは必ず覗くメゾンの2階、古本屋が集まっている一角は古書店の軒数が減り、代わって入店していたのがリサイクルのレコード屋さんとヴインテージの洋服屋さんでした。時代は変わります。いつも何かしら面白い雑誌や百貨店の印刷物などが掘り出せた体育館のように大きな古本屋さんからも収穫ゼロ。パリも古書が払底しつつあるのではないかという印象を強めました。
これで打ち止めのつもりで寄った迷路の奥のポスターと雑誌・冊子を扱う古書店で買ったのが今週の3点目にしてパリ出張の成果「第一部 本・雑誌の部」の終了となるバルビエのポショワールのプレート、『Dessins sur Danses de Vaslav Nijinsky par George Barbier』より、「シェエラザード」と「ペトルーシュカ」。ともに1913年のジョルジュ・バルビエの作品ですが、100年の時間の経過を感じさせない状態の良さ。小店では2度目の取り扱いとなります。

3年半ぶりに出掛けたパリでは、実は本・印刷物とは別の商品を買ってきました。現在修理が必要な部分に手を入れているところですが、用意が整い次第、「第二部」として一気に店頭でご紹介いたします。詳細はこのページでお知らせいたしますので、どうかお見逃しなく!

来週木曜日の入荷となりますが、この他にも、矢内原伊作在仏当時のものとおもわれる旅行先パンフレット・地図。チケット等印刷物がダンボール3箱分、『前川國男建築設計事務所経歴書』1978年増補第2版(自社出版・会社案内)、現代美術関係の図録・資料類4本口、1970年前後~1980年代画廊DM1箱、武満徹「今日の音楽」パンフレット等5点、絹本花鳥画8点、戦前戦後欧州各国舞台公演関係プログラム3本口などが店に入ります。
 

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