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14/06/14 2014年6月14日という歴史の途上に 太平洋戦争下のプロパガンダ誌2種


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■ワールドカップがスタートして、ますますお客さまの足が遠のきそうな小店ですが、こういう時に限って続々と新着品が入荷しております。間が悪いのは小店の得意技。うう。
1950年にアメリカで発刊ハイクオリティ・マガジンとして高く評価されながら、あまりに凝りに凝った編集が仇となって長続きしなかったとも評される『Flair』全12冊うち10冊 明治の日本に海外名勝風景を伝えた立体写真86点(彩色写真多数の他、日英博覧会などを含む)多くは海外のパクリと思われるだけになかなかハイセンスなデザインが多い『現代の一般商業図案』④家紋製版用のシルクスクリーン(家紋を白ヌキにした絹布を木枠に張り渡したもの)→ ①から④は21日午後、店に到着の予定
遠くフランスの地で、日本での主要なニュースや同地での催しなどを滞仏邦人に伝えたガリ版刷りの日刊紙『日仏通信』が昭和11年の96号から昭和13年の522号まで揃って入荷。レアです。 これと同時期に何らかの目的で作成された、イタリア・ファシスト党やマルクス主義についての孔版刷りマル秘文書4点 その少し前、フランスのアール・デコ最盛期の店や建物のファサード、店頭装飾の写真を集め、未綴じのプレートに収めた『Nouvelles Devantures et Agencements De Magasins 4eme Serie』 鹿鳴館で舞踏会が開かれ始めたのと同じ頃に起こった「国語国字改良運動」。それを背景に生まれた『ローマ字雑誌』が創刊号からおよそ60号分 昭和51年・紫紅社より限定300部が発行された『裂地集 型染』型染裂現物83点貼り込み!) 上村六郎の序文付の『民芸縞』帙入りの縞織布現物50点(おそらくは奥付の添付された外箱がないために詳細不明)名物茶碗や香合などの実に大味な描写がむしろ素敵な『茶道宝鑑』全木版刷帙入り8冊揃 → ⑤から⑪は店に入荷済で、すでに各所に散らばって、みなさまのご来店をお待ちいたしておりますのですが、これで全部ご紹介できたわけではなく、ここからがやっと今週の新着品。
選んだのは、集団的自衛権でいよいよ公明党が容認する可能性が浮上してきた本日、歴史はその痕跡を必ずどこかに残しちゃうんだもんねという教訓をこめて、太平洋戦争下、南方を中心とした植民地での世論の懐柔を目論んで発行された対外広報雑誌です。
大日本帝国(!)発行のプロパガンダ誌としては、東方社(原弘、木村伊兵衛他)の『FRONT』と日本工房(名取洋之助、河野鷹思他)の『NIPPON』とが表現上での双璧をなしていますが、これらの2誌に政治的社会的上層部へアプローチしようとの狙いが見て取れるのに対して、読者対象も記事の内容ももう少し一般的なところに落としこんで発行が続けられていたのが大阪毎日新聞社の『SAKURA』です。


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今回入荷したのは昭和17(1942)年=第4巻の7号から12号と昭和19(1944)年=第6巻の1号と2号の合計8冊。状態はいずれもかなり良いものです。
当時の侵略地の関係から、主要なテキストは英語だけでなく中国語を併記し、さらに、南方諸国との関係で訴求が必要な話題については日本語のカタカナが添えられるというトライリンガル雑誌。「プロパガンダ=形態としてのグラフ雑誌=表現としてのフォトモンタージュ」の方程式に則りながら、「ビルマ コクミン ヘ オクル ウタ」「ヘイタイサン ト コドモタチ」といったカタカナの日本語で、感情的・感傷的な言辞に終始する様は、過日、集団的自衛権を巡って民主党党首と交えた論戦で、問題の本質には触れないまま現総理が力説したとかいう言葉とよく似た性格のものに思えてなりません。
『SAKURA』より…「センソゥ オ スルトキ ワ ニッポン ノ ヘイタイサン ワ アラシ ノ ヨゥニ ハゲシク ツヨイ ケレド イツモ ワ ソヨカゼ ノ ヨゥ ニ ヤサシイ オヂサンタチ デス。」 cf. 「自衛隊 ノ 諸君 ニ 愛スル 家族ガ イルコト オ ワタクシ ワ シツテイル。」
■「自衛隊最高指揮官として、重さと責任をかみしめている」と語るのを見ると、「気分はすでにこの方と同じ?」とちょっと聞いてみたくなってしまったその東條英機が表紙を飾るこちらはシンガポール語によるプロパガンダ誌『NIPPON JANG MOELIA』
昭和17(1942)年にジャパン・タイムス社が発行した当誌は非売品とされており、もちろん小店にとってこれが初見。全頁アート紙使い、全体の1/3に2色刷りが使われていて、当時めぐまれていたはずの対外広報誌のひとつ『SAKURA』と比べてももう少し贅沢。定期刊行物とは違って、『NIPPON JANG MOELIA』が試験的に発行されたものだったり、ある特定の目的のために1冊だけつくられたものだったりする可能性を示すものではないかと推測しています。市場で、とくに雑誌に詳しい同業諸先輩でさえ初見と話されていたのとも、そう考えると辻褄があいます。「今回を逃すと二度はない」と自分に言い聞かせての入札で、近年もっとも改札結果が出るまで胃が痛んだ1冊です。
さて、今週、あまりに重なる仕事にクタビれて、放心状態で眺めていたディスプレイからふと目にとまったのが「ふたつの太平洋戦争」という一文でした。ここに書かれている当時の日本を、ちょうどいまの北朝鮮と重ねてみると、アメリカの側の見方がよく理解できるのではないかと思います。非常に興味深い指摘が多い文章だったことを書き添えておきたいと思います。
さて、25日からはパリ。来週はしっかり働いとかないとひじょーにまずいと店主かなりあわてているもよう。「はたらかんかいわれ。って感じ? 」「はいそーです。」
 

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