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14/03/15 スランプ真っ最中の収穫から 織田広喜の絵入り書簡 と 原三郎『図案 動物選集』


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■年に一度は襲われるスランプ。実はいまがまさにそれでありまして、この数カ月、どうも買う気がしないし売れる気がしない。入札の場合、買う気がしないとまず間違いなく買えなくなります。買えなくなると新しい品物が入らないので店はますます売れなくなります。売れなくなると尚一層買う気が起こりません。買う気が起きないと…という絵に描いたような負のスパイラル。日月堂、たいへん、たぁ~いへんにマズい状況にはまりつつあります。
そんな中、かすかな希望が「これは買っておかないと…(汗)」と思ったものについては辛うじて落札できているということであり、先週、今週と1点目がそれにあたります。
今週は、洋画家・織田広喜の絵入り書簡。師である岡田謙三とその夫人に宛てて書かれたもので、岡田の渡米に伴い、絵の勉教のために住み込んでいた自由が丘の岡田宅から、中原実の家に移った当初に書かれたものです。岡田、織田、それぞれの年譜から、1950年のことであり、織田の文章から、岡田の渡米前・自由が丘の岡田宅に送られたものであることが伺われます。
この当時、織田は36歳。画家を志して上京して以来18年目と、それなりに修業を重ねていたはずですが、さまざまな表現で何度も繰り返される岡田への感謝の気持ちと自由が丘の頃の思い出を、まるで子供のような調子で綴った文章 - 中原宅で与えられたアトリエについての多少の不満もまじえながら-がとても印象的です。
絵は、自分で作ったという一本足のテーブル、その上で仕事をしているというベッドなど、中原宅での新しいアトリエの様子を描いたものですが、よく知られた織田の油彩画に比べ男性的な印象を与える鉛筆画。女性の描き方は織田の作風ですが、何より絵画と文章とのバランスが絶妙。絵画好きより挿画好きに訴えるものと云うべきで、あああっ。つまりは織田ファンには売れない!!! という気がしてきました…というくらいの現在スランプであります。
 


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■2点目は動物をモチーフとした図案集でタイトルもそのまま『図案 動物選集』。東京美術学校(東京芸大)出身、後に京都工芸繊維大学繊維学部教授となった図案家・原三郎を編者とし、名古屋の深田図案研究所が大正11(1922)年に発行したもので、編者の専門や版元の土地柄から、主に染色図案を念頭に編まれたものと思われます。布装タトウに図案のカラープレート30葉、序文2葉が付されています。ヨーロッパ各国でさかんに発行されていた図案集をもとに編まれたものではないかと思われますが、構図、配色ともまとまりよく、強い印象を残すプレートが多数含まれています。

今週はこの他、美術関係の図録・資料類が入荷しますが、比較的まとまった量となってしまったがために、店頭でのご紹介までには少々お時間をいただくことになりそうです。これまたスランプの…??? 

■3.11からもう3年が経ちました。昨日の東京は、ちょうどあの日のように冷たい風が吹く1日でした。あの日被災した町は復興しているでしょうか。仕事に復帰されましたか。もといた場所には戻れましたか。ご自宅は再建できましたか。あの日、被災された方は、あの日以前の生活を、少しは取り戻されましたでしょうか。
3年という月日が、失ってしまったものを埋めるのは無理だとしても、せめて、以前の暮らしを取り戻していくための足がかりとなってくれたのなら、と思います。これからの1年が、これまでの3年より少しでも実りの多い月日となりますように、お祈りいたしております。
一昨晩深夜の伊予灘地震には驚きました。こちらにはあまり情報が伝わってきませんが、被害にあわれた方々には心よりお見舞い申し上げます。
この国に暮らす限り、いつ、どこで、何が起こっても - いまや近隣諸国との軍事的紛争を含め- 不思議がないことを思い知らされたこの3年でした。
明日が、そう悪くない日であればいい。歳のせいもあってか、最近はよく、そんなふうに思います。1日1日と、それでも春は近づいてきています。明日はきっと今日よりあたたかくなる。

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