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14/03/08 実験工房に関連して 薄いけれど内容の濃い2点


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■2012~13年初頭にかけてニューヨーク近代美術館(MoMA)で開催された現代美術展「東京 1955-1970」をひとつの契機として、日本の戦後アヴァンギャルド芸術に対する再評価の機運が高まっているのは周知の通りですが、小店では2006年の9月に特集目録「机上のK.K.氏」をウェブサイト上で公開、2009年には「事件を起こせ! 1950~1970s 戦後日本・前衛美術の青春時代」と題した特集目録を発行。実験工房、ネオ・ダダ、内科画廊、、ハイレッド・センター、グループ・音楽、日本のフルクサス、草月アートセンター、南画廊などにまつわる印刷物を積極的に扱ってきました。戦前の美術・デザイン関係が主力の小店ですが、実はこのあたりもまだまだ充実させていきたい分野のひとつとなっています。
今週の新着品2点は、こちら側の路線で久々の入荷となった2点。
表紙に1956 (昭和31) 年、電子音楽「7つのヴァリエーション」を共同作曲した黛敏郎と諸井誠によるグループ名『ars nova』が記された音楽会のプログラム。『ars nova』がこの音楽会のタイトルかと思うとさにあらず。「ars nova 前衛音楽の夕」と「電子音楽とミュージック・コンクレートの会」と二つのタイトルが併記されており、必然的に武満徹が参加、また、美術に北代省三、照明に今井直次が参加していて、俄然、実験工房色が濃くなってきます。
早速、昨年から今年にかけて開催された展覧会の図録『実験工房展 戦後芸術を切り拓く』での記載を確認しようと開いてみると、1957年5月、大阪の「ガスビル講演場」で開催されたこの音楽会については言及が見当たりません。この前後を確認すると、その代わり1956年に東京・山葉ホールで実験工房の主催により開催された「ミュージック・コンクレート 電子音楽 オーディション」、1957年3月に第一生命ホールで開催された黛・諸井による「第一回現代音楽の夕 アルス・ノヴァ」が出てきて、それぞれの内容、参加メンバーなどを当パンフレット比較してみると、「ars nova 前衛音楽の夕 電子音楽とミュージック・コンクレートの会」というその奇妙なタイトルの通り、東京でそれぞれ別々に開催された二つのコンサートを合体するようにして実施されたものだったことがうっすらと浮きあがってきます。


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パンフレットに挟み込まれていたチラシの内の1枚は、“日本の現代作品をLPに→ミュージック・コンクレート 電子音楽を予約販売”とあって、武満の3作、黛&諸井の「7つのヴァリエーション」を録音したレコードの発売を謳ったもので、大阪でのこの音楽会、もしかしたらLP発売のプロモーションの一環だったのかもしれませんが、しかしそれにしても、北代の実験映画に関する解説と海外作品上映、黛・諸井・武満・北代・今井の揃い踏みによる質疑応答まで用意されていたこの音楽会、何とまあ贅沢なことであったかと感嘆するばかりであります。

実験工房のメンバーが、総合的な空間を創出する“実験”のための格好の場としたのが大阪万博でした。今週2点目は1970年・大阪万博「鉄鋼館」で行われた「スペース・シアター」の英文パンフレット。この「鉄鋼館」は、武満徹が音楽監督を、宇佐美圭司が照明・レーザー光線による演出を担当した「スペース・シアター」を主体とする施設であり、二つ折のパンフレットに挟み込まれたペラ1枚に、スペシャル・ライブを含む上演演目がまとめられています。他に、鉄鋼館ジェネラル・マネージャーを務めた前川国男の挨拶、劇場やコントロールルーム、最新機器などの写真と紹介文等が掲載されています。
それにしても…「机上のK.K.氏」や「事件を起こせ! 1950~1970s 戦後日本・前衛美術の青春時代」。いま思うとちょっと早過ぎたかなと思わぬでもなし。ま、古本屋にはありがちなことではあるのだけれど。

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