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14/02/15 近代史出発点の日本を示す地図 / コブデン・サンダーソンの渋い仕事


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■追記 : 下記の予定を変更し、2月15日(土)は荒天のため店を臨時休業いたします。大変申し訳ございませんが、ご理解を賜りますようお願い申し上げます。

■とうてい東京とは思えない窓外の景色。半世紀に一度級の雪景色を、まさか二週続けて眺めることになろうとは。明日は明日で強風と雨という、商売からするとあんまりな予報も出ています。明日、店は営業する予定でおりますが、万一の可能性も充分ございますので、ご来店をお考えの場合は、12時以降、必ず一度お電話で在席しているかどうかご確認下さい。03-3400-0327までよろしくお願いいたします。どのみち足元が悪いこと必定です。外出の際にはみなさまどうかくれぐれもご注意下さい。

今週は明治時代の地図と地誌関係の文献9点が、明日、店に入ります。
最初の画像は浅野明道訳著・鬼頭道恭図画『萬国詳図 東半球』(明治12年=1879年 初版)
広げると縦50cm・横49cm程、おそらくは銅版に彩色を施したもので、時代からして当然ではありますが、樺太の下半分も台湾も朝鮮半島も、まだ他国として示されています。
漢字で標記されたアフリカ諸国・中東諸国などは何やらお伽噺の国めいて、架空の地図のようにも見えてきます。海の向こうの未知の世界を、当時の日本人は一体どんな気持ちで眺めていたのでしょうか。折り畳めば19cm×12.5cmに収まる世界の東半分の図です。

■画像2点目は上田貞治郎纂訳『小学用地図 萬国之部』。表紙と裏表紙に厚紙を使った典型的な明治の洋装本=ボール表紙の本で表紙の図版は銅版画、明治18年=1885年に発行された初版です。


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本のサイズは19.5×16.5cmほど。地球、亜細亜、亜弗利加、欧羅巴、北亜米利加、南亜米利加、阿亜尼亜洲(オセアニア)の7図を、いずれも銅版彩色・片面刷りして収めています。巻頭の「地球」の図は、画像でご覧いただける通り、そのままでは本文頁に収まらないサイズで、上の方に世界の大河、下の方に世界の高峰を図示するなど、芸の細かいところを見せてくれます。

残る7点は次の通りです。
亜米利加国コロ子ル氏撰・日本 西村恒方訳『萬国地理訓蒙』明治5年=1872年 和本 木版多色刷地図入り  小林弘貞著『萬国新地図 全』 明治34年=1901年 軽装 石版多色刷地図帳  谷口政徳著『受験応用 萬国小地誌 全』明治24年=1891年 軽装 挿画入り参考書  森琴石編輯『日本地誌略附図』 明治10年=1877年 上製小型本 片面刷・銅版彩色図集(北海道・千島、琉球含む) 星唯清著『大日本全図 県名改正』 明治9年=1876年 片面刷・銅版彩色大判地図  廣田巌麿著『日本地誌略附図 巻四 北海道・琉球』 明治10年=1877年 和本 木版刷 詳細地図集   土橋荘著『下等小学 日本地誌略図問答諳射巻二 東山道・北陸道之部』 明治9年=1876年 和本 木版多色刷図集
山ひとつ越えた向こうがよその国だった鎖国の時代から、何も見えない海の向こうに他国の存在を見るようになった明治時代へ。日本人が新たな世界観を確立していくその最初の頃、つまり江戸末から明治の初期に日本で流布していた世界地図というのを、いつか一度は扱ってみたいと思っていただけに、今回のようにまとまって落札できたのは幸いでした。


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日本がその後の歴史の中で行った、言葉通りの版図のかき変えについて、そして、いま再び近隣諸国との間での火種をまたしても抱えてしまうに至りそうな現状を考える上で、多くの意味を持っているに違いない、近代の歴史の出発点に位置する資料です。

■装丁に施された表紙のヴェラム革が、そのまま見事なオブジェのような佇まいを見せるのを、折角なので残しておこうというのが今週の3点目。コブデン・サンダーソンが主宰・運営していたプライヴェート・プレス、ダブス・プレス1906年=明治39年に限定300部を発行した『LONDON』副題「A Paper read at a Meeting of the Art Workers Guild,by T.J.Cobden-Sanderson  March 6 1891」とあるように、内容はコブデン・サンダーソンが1891年に工芸職人組合で行った講演録であり、ダブス・プレスの顧客に贈呈されたものだと云います。いかにもコブデン・サンダーソンらしく一切の装飾を排し、そっけないほどシンプルな組版の本文8ページには、しかし、欧文組版かくあるべしという基本の全てが詰まっているのだとか。佇まいから組版まで、どこまでも控えめで渋い。飾りや挿絵や色彩や、そうしたものはもういいかなという域に達してしまった、相当な玄人筋に好まれる一冊です。売れる目処なし。う。




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