■おかげさまで今週月曜日、「第30回 銀座 古書の市」を無事打ち上げ、しばらくぶりに店に戻ってまいりました。
会場では、思いがけないものにお客さまが目を留めて下さったり(!)、店主の「ぬかり」をご報告いただいたり(!!!)、何より多くの方と久方ぶりにお目にかかることができて、売り場に居るのが楽しい6日間となりました。
目録注文締切り段階では落ち込みが予想された成績も、幕を開けてみれば目標を達成、2014年も幸先のよいスタートを切ることができました。
ご多忙のところご来場下さいました皆様、ご注文・お買い上げ下さいました方々に、心より御礼申し上げます。本当に有難うございました!
■カーゴ4台の商品を銀座に運び、カーゴ4台半の商品とともに表参道に戻ってきました。
ううむ。なぜ、なぜにそこで? なぜ増えてるんだ??? ……………… と、それはともかく。
この荷物を何とかしないと、即売会が終わったとはいえないわけで、店内、ただいま表面上は平常を取り戻しておりますが、とりあえずあちらにこちらにと詰め込んでみた結果、キャビネットや棚には通常の1.5倍ほどの紙モノと1.2倍ほどの本とが充満した状態となっております。
来週からは店の営業も通常に復します。この機会に(充満?)是非、店にもお出掛け下さい。何卒よろしくお願い申し上げます。
■さすがに疲れてしまった今週、新着品のご案内はごく簡潔に。
1点目はパリの名門画廊ベルグリュアン(BERGGRUEN & CIE)が展覧会にあわせて発行した図録です。
1953年から1956年頃までのもので、縦25cm、横11.5cmという小体ながらこれがなかなかスゴいやつであります。
何がスゴいかと云って、収録されている図版の完成度がスゴい。『ピカソ デッサン 1903-1907』『クレー&カンディンスキー』『クレーの世界』など、表紙がムルー工房によるリトグラフ、中面図版をダニエル・ジャコメの工房が担当、写真版にポショワールを加えたいわゆるジャコメ版となっているという贅の凝らしようであります。
手工業的複製品の最後の一閃とでもいうべき綺羅星の如き図録、14種・15冊の入荷となりました。
かつてこのうちの何冊かを、何のこだわりもなくかっるぅ~く売ってしまった記憶がある小店店主、今回は記憶に留めるべくしっかり商品と向き合うのだと申しております。あ。エデュアールだとかスーポだとかテキストにも要注意だなんて、いまやっと気付いた模様。
■こちらは即売会前に棚に入れながら、図版でしっかりご紹介できないままきてしまった商品から、『世界旅行 萬国名所図会』全7巻および萬国地図付きの完揃い。
こちらも文庫本サイズという小さな形ではありますが、明治期日本の洋本に特徴的な厚紙に絵を刷りこんだボール表紙、三方マーブル染めという体裁で、銅版画の挿し絵が各ページ二分の一を占める本文は全頁片面刷りの袋綴じ。
中心1ヶ所を留められた円盤をまわすと、各国の時間が一目で分かる時計盤などの仕掛けもあって、こちらはこちらで手づくり感が一杯。銅版画の味わいも含め、デジタル化がいくら進んでも現物の魅力の色あせることのない、愛すべき書物のひとつだと思います。