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13/12/21 2013年打ち上げとなる新着品はパリづくしで - みなさまよいお年をお迎え下さい!


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■明治古典会クリスマス大市を打ち上げて、駿河台下の東京古書会館を出たのは19時をだいぶ過ぎたころ。市場の熱気にあてられていたこともあって、思いの他の寒さに不意をつかれました。東京に初雪が降ったのも知らぬままほぼ一日、古書や美術品をめぐる競りにうつつを抜かしていた次第。1点、お客さまから入札を依頼されていた品物は落札できず、靖国通りから一本入った裏通りで足を止め、電話をかけてご報告すると、不本意な結果にも関わらず、温かいねぎらいの言葉まで頂戴してただもう恐縮するばかりでした。
「ずいぶん寒くなってきましたね」「今年も色々有難うございました」「お風邪などお召しになりませんように」「よいお年をお迎え下さい」なんて口ぐちに交わしているうちに、ああこれでいよいよ今年も暮れていくんだなと実感しました。
画像を用意してこの原稿の下書きを始めたのは0時まであと10分程度を残す頃のこと。日を越してあと、10日程経てばまた新しい年がやって来ます。かくして2013年の更新もこれで打ち止めとなる今週、新着品は久しぶりにフランスもの多数、パリづくしの更新です。
古いもので1919年、新しいところで1936年発行のフランスの雑誌『Femina』16冊アンドレ・マルティ、シャルル・マルタン、そしてジョルジュ・バルビエというジャケ買いだって無理からぬ表紙のイラストレーションに先ず注目。このあたりは1920年代までのもので、1930年代に入ると表紙のイラストは地味に、或いは写真を使ったものへと変化しますが、それと反比例するかのように本文の写真頁のクオリティは飛躍的に高まります。どのあたりを狙うかは、従って、選ぶ方の目的と好み次第。日本の市場に『Femina』がこれだけの冊数まとまって出て来たのは本当に久しぶりのことでした。


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続いて待望の『Vogue』。フランス・エディション3冊、コンチネンタル・エディション2冊、イギリス・エディション1冊の合計6冊。しかも1917年から1925年というアール・デコ黄金期の発行分です。こちらはルパップ、マルティ、ブレネレスキといったあたりが表紙のイラストレーションを手掛けています。画像中、ブルーを背景に女性の肖像を幾何学的表現に置きかえた表紙の号はモダン・スタイルの特集号。また、何気ないカットにマルタンやマルティを起用など、内容的な充実は『Femina』を上回って、ファッション雑誌の代名詞と云っても過言ではないヴォーグの面目躍如。そのためか、有名ブランドのハイ・クオリティな広告も目をひきます。
『Femina』にしても『Vogue』にしても、この辺りの年代のものが或る程度まとまって出てくるのは、とくに最近では稀。すでに全冊状態を確認、キャビネット上に位置を定めて、みなさまのお越しをお待ちいたしております。
『125 DÉCORS ET COMPOSITIONS DU JOUR INÉDITES』は小店としてはそれほど珍しくない、けれど、久々の入荷となったフランスのアール・デコ・デザイン図案集。無刊期ですが、調べてみると1920年発行のもよう。
専用ポートフォリオに未綴じの図案リーフ20葉、デザイン図数としては125案を所収。この内、12葉がポショワール手法によって色付けされたカラープレート。これまで扱って来たこの手のポショワール図案プレートの内でも、色の鮮やかさでは際だっている印象があります。一方、デザインの方はと云うと、全体にやや俗っぽい感があるのですが、それだけに、表現主義や未来派やキュビスムや構成主義が、いかにして大衆的な消費のためのデザイン=アール・デコに取り込まれていったのか、その過程を物語る証拠物件のひとつとして見ることもできそうです。
ま、コムツカシイことは脇において、額装するなりスキャンして使うなり、これまた「あなた任せ」の1冊なのでした。
で、今年のトリは19世紀末から20世紀始め頃、サマリテーヌ、プランタン、ボン・マルシェなど、フランスの百貨店が発行した通信販売用のカタログです。チラシなど含め約20点の入荷。今回入荷した分は、外出着というより家庭内での生活で身につける下着や室内着など普段着と、それに関連したリボンやレースなど手芸用品と素材、靴や仕事着が中心。画像中、一番左はサマリテーヌのカタログより、室内着の布見本のページ、右上はプランタンのリボンだけを集めたカタログ、右下はサマリテーヌのカタログより、コルセットのページ。他に、いまの盛り髪はこの当時の先祖帰りではないかと思うすさまじい装飾の婦人用帽子など、見ているだけでついつい時間を忘れてしまう面白さ。いまの私たちのファッションやお生活雑貨も、100年後の世界では「いやはやこりゃ見どころ突っ込みどころ満載」なんて云われるようになるんでしょうね。
■今週はこの他、現代美術関係で形態がユニークな図録類が入荷、こちらはキャビネット上にスタンバイしました。この他、明治末~大正初め頃の手札からキャビネサイズの古い写真がちいさなダンボールで一箱、絵葉書交換を趣味としていた人の戦前海外来信コレクションがアルバム3冊分、野中ユリ『彷徨引力』等2冊洋雑誌『テアトル』合本1冊、『世界旅行萬国名所図会』地図含む全9冊揃い他、すでに入荷しているものと明日、入荷するもので商品入れ替えを進めつつ、年内来週まで営業いたします。ご来店のほど、よろしくお願い申し上げます。


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自分が生きている場所と時代を考える上で、今週、印象に残ったいくつかのことを、2013年の締め括りにかえて。
放射能の可視化 = 表現を通じた告発として
http://photo.sankei.jp.msn.com/info/data/2013/12/1217noguchi/
強制される愛国=もはや教育現場での思想統制というべき事態が進行しているとしか思えない事例として http://www.saitama-np.co.jp/news/2013/12/18/01.html
2013年に進行したこととは一体何だったのかを考える上で、朝日新聞に掲載された高橋源一郎「論壇時評 愛を強いる支配 ここは、DV国家なのか」より
「今年になって目立ったのは、様々な社会的「弱者」がバッシングを受けたこと、「従軍慰 安婦は戦争につきもの」という政治家や、「子どもが生まれたら会社を辞めろ」という女性評論家が現れたこと、そして、新しい政権が、強硬な政策を次々と打ち出し、対話ではなく力でその政策の実現を図ろうとしていることだった。さらに不思議なのは、力を誇示する政治家たちが、同時に力とはおよそ正反対な「愛(国心)」ということばを叫ぶことだった。 誤解を恐れずにいうなら、わたしには、この国の政治が、パートナーに暴力をふるう、いわゆるDV(ドメスティック・バイオレンス)の加害者に酷似しつつあるように思える。 彼らは、パートナーを「力」で支配し、経済的な自立を邪魔し、それにもかかわらず自らを「愛する」よう命令するのである。」
埼玉新聞の記事と併せてこの一文を読むと、数を笠にきた権力が、民主主義の道をはずれ、もはや専制的暴力へと変質していると云ってよい状況にあることを物語っているように思います。「防衛計画の大綱(防衛大綱)」に武器輸出三原則を見直す方針も盛り込んだというこの国の政治家は、しかしその専制的暴力を国内のみならず国外にまで広げていこうとしているのではないかという疑念さえわいてきます。
2014年は一体どのような年になるのか。高橋源一郎の「論壇時評」は、次の一文で締められています。即ち-「DV被害者へのアドバイスの多くは、こんな一文で終わっている。 わたしがいま書くべきことは、実はそれと同じなのかもしれない。 ……自分を責めてはならない。 明るく、前向きな気持ちでいることだけが、この状況から抜け出す力を与えてくれるのである。」
明るく前向きな気持ちをもって、みなさまどうかよいお年をお迎え下さい。

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