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13/06/01 取り扱い注意物件3点 - 但し、目をそらすべからず。


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■東京も梅雨に入りました。そして日本全国一斉に、本日より6月に入りました。小店にとって目覚ましいことといったら、日々の過ぎゆくスピードだけだな、なんてことはさて措き。
来週6月8日(土)は、東京古書組合南部支部 - 小店の所属支部です - で開催される大市会のため、開店時間を14時半とさせていただきます。
不便に不便を重ねまして誠に申し訳ございません。ご理解を賜りますよう、何卒よろしくお願いいたします。尚、4日(火)、6日(木)は普段と変わらず12時~20時で営業いたします。つ
今週は立て続けに、「取り扱い注意」な物騒な物件3点。いずれも屈折したチョビ髭男とその取り巻きがつくり出したスペクタクルにまつわるスタイリッシュな歴史の遺物であり、ニッポンのプロパガダ雑誌『FRONE』同様、過度にカッコいいものは疑ってかかれという好例です。
『Großer Preis von Deutschland』は1937年、ドイツのニュルブルクリンクのサーキットで開催された自動車競走「ドイツグランプリ」の公式パンフレット。未来派風デザインの表紙はシルクスクリーン刷りと思われ、色の出かたやぼかし方も実に見事。表紙を開き扉を見ると、やはり真っ先に姿を現すのがチョビ髭男その人であります。
こちらの物件のボリュームはと云いますと、A4サイズで本文48ページ。カラーは表紙だけですが、本文の大部分は1927年に完成したニュルブルクリンクでの自動車および3輪オートレース関連のグラビア写真で占められ、過去のレースのデータなども掲載。もちろん、この年に出走するドライバーおよび自動車のデータも掲載されています。
この年の「ドイツグランプリ」ですが、出走する27台の内、国別ではハンガリーが2チーム、イギリス、スイス、フランスでそれぞれ1チームがエントリー、他は全てドイツとイタリアばかり。エンジンはドイツのアウトウニオンとメルセデス・ベンツ、イタリアのアルファ・ロメオとマセラッティの4メーカーが全て。前年に掲げられた「ベルリン・ローマ枢軸構想」もあり、両国の接近を思わせます。


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パンフレットには、周回毎順位や成績などを観戦者が自分で書き込める一覧表などもありますが、当品は未使用の美品。この場合は書き込みがあった方が面白かっただろうにと、むしろその点が惜しまれます。
■ナチス・プロパガンダを扱う際に、言及されないことは絶無といってよいレニ・リーフェンシュタール監督映画のうち、ベルリン・オリンピックの記録映画「オリンピア」に関する印刷物『OLYMPIA』。表紙の下方、映画製作会社「TOBIS」のロゴのそのまた下に、『REKLAME - RATSCHLAGE』とあるこの1冊は、つまり、1936年 ベルリン・オリンピック大会記録映画「オリンピア」のための広告宣伝実例集ということになります。おそらくこれは珍しい … 珍しいはず … はずだと思う … と思いたい。
映画とレニを推薦する言葉を冒頭に、製作関係のデータからポスターやパンフレットの実例多数。とくにパンフレットについては三つ折りで、フォトモンタージュによるデザインの異なる2種の現物を糊付けしてあるという徹底ぶり。文字のみの場合、カットを入れる場合など、新聞の囲み広告のヴァリエーションもあれば、映画館に掲示する宣伝文句などもあり、あらゆる告知に対応できるように、かなりの力を注いで作られたものです。
A4サイズ、56ページ。1点目の扉がチョビ髭男だったのに対し、こちらで最初に出てくるのは、小さな肖像写真とはいえ監督であるレニ・リーフェンシュタールの肖像3カット。戦後、ナチス協力者とする報道に関して訴訟を起こし、ことごとく勝利したことが知られているレニですが、残されたこの印刷物だけをとり出し虚心に見る時、果たしてそのジャッジに頷けるかどうかは、見る側のひとり一人に委ねられています。


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本日の3点の内、最も政治色=プロパガンダとしての性格が色濃く表現され、しかも最も広く、一般家庭の中にも入り込んでいたはずのカレンダーより。1940年版、週単位で切り離していくタイプのカレンダーで、月の替わり目には1P全体を使った写真のページがあり、また、月の半ばには写真部分を切り抜くと絵葉書として使える部分が設けられていて、ナチスのイメージが一般家庭に根を下ろし、或いはそこから拡散していくように作られたもの思われます。
力が入り過ぎたためかカッコいいを通り越して滑稽なもの、健康な青少年像や健全な労働者などステレオタイプなイメージもたくさん含まれていますが、カレンダーという日用品から発したメッセージの果たした役割は、決して小さくなかったはずです。
こちらは表紙欠、数葉切り離れなどがあるためジャンク品に近い扱いとなります。
いま、時代は私たちの頭の上、日本の上空で大旋回を始めたように見えます。大旋回させようとする意思が、働いているように思えてなりません。憲法96条の改正から消費税還元セールの規制に至るまで、“主導したかる政治”については警戒心が頭をもたげてきます。例えば表現の自由については、絶対的正義は絶対的正義として認めますが、しかしその実行となると、非常にあやうい点をはらんでいるのだということについてもまた、とくに芸術、表現に関わる方たちは知っておく必要があると思います。古本屋にもまた、深く関わる問題です。http://d.hatena.ne.jp/higuchi1967/20130529 ← くれぐれも、くれぐれも「全文に」お目通し下さい
政治家の発言に対して、とくに歴史認識に対する某首相の発言に違和感を感じるのは何故かという点については、未来社の『未来』最新号掲載の町田幸彦「くつろぎやすい過去」がその理由を明確に教えてくれました。
ナチスは過去であって過去だけのものではありません。日中戦争も太平洋戦争も過去であって過去だけのものではありません。これら歴史の遺物をまっすぐに見るということだけが、光さす未来へと続く道なのだと思います。
 
* 最後のブロックの冒頭部分について、例示として不適切なところがあったため、一度アップした後、加筆訂正いたしました。悪しからずご了解下さいませ。
 

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