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13/05/11 土 1970年前後 アメリカの学生運動とカウンターカルチャーに関する一一次資料

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■ゴールデンウィークも明けて、もうすでにすっかり日常に戻りました。店をお休みしている間、ジェオグラフィカさんで開催されたアンティークマーケットにお出掛け下さったみなさまには、心より御礼申し上げます。本当に有難うございました。新しいお客さまや、参加されたアンティークショップのオーナーの方たちとの出会いもあり、小店にとってはみのり多い催事参加となりました。また、この機会に、ジェオグラフィカさんにお預けする商品の大部分を入れ替えました。これまでジェオグラフィカさんにお預けしていた商品は小店に戻すなど、日月堂の店頭商品の入れ替えも並行して進めております。この作業の間、店内は多少お見苦しい格好となりますが、どうかいま暫くご容赦下さい。みなさまのご来店を、再び表参道の日月堂で、お待ちいたしております！ あ。もちろん、ジェオグラフィカさんに是非お運び下さいませ!

■新着品、実はここのところネタの順番待ち状態になってきている中で、今週は1回性が高く、かつ印象深いものを選びました。1960年代後半から1970年代初頭、当時、世界的な潮流を先導した学生運動の一大拠点カリフォルニア大学バークレー校を中心に、アメリカで出版・発行された学生運動関係の雑誌、新聞、写真集、タイプ打ちレポート等200点強。体積にしてダンボール1箱と少々分を一括で販売いたします。

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日本の70年代安保闘争当時の学生運動関係資料は、地下出版系冊子からアジビラまで価格が高騰していますが、こちらアメリカのものはまだ穴なのか、落札の僥倖に恵まれました。国内外に関わらず、学生運動に関する一次資料がここまでまとまって古書市場に出てくるのは小店の知る限り珍しいケースです。旧蔵者は同時代に資料を収集していた研究者らしく、几帳面な筆跡で残されている書き込みや線引きもまた、資料として見ることができるでしょう。
画像1点目は、全体をざっくり眺めている途中でごく一部をクローズ・アップしてみたものですが、シュルレアリスムなどアート、プロパガンダ、日本の学生運動などとコミットしたメディアを中心に、デザイン的に優れているもの多数あり、というより全体にセンスもよろしいようで、旧蔵者、デザインでセレクトしたのか？というギネンさえ頭をよぎります。

■というわけで、画像2点目は、中面に配されたアートなビジュアルを少しだけご紹介。『RADICAL  AMERICA』のシュルレアリスム特集特別号(1970年)の表紙と裏表紙。『RADICAL  AMERICA』は表紙からしてどの号もスタイリッシュですが、ここでは中面に散見されるコラージュ作品をとりました。その他、ギー・ドゥボールの主著『スペクタクルの社会（Society of the Spectacle）』(1970年 デトロイト)に使われた写真、同人誌『WEAPON No.1 1965』や『PEOPLE ON THE STREETS』に寄せられた学生による写真や詩など。この他、薄冊ながら表紙の写真が目をひく『young socialist discussion bulletin』、日本の学生デモの写真が表紙に使われている『WORLD OUTLOOK』(1968年2月)や『THE INSURENT SOCIOLOIST』　　(1983年春号)なども印象的です。

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■だからといってスタイルだけかというと、当然とはいえさにあらず、非常に豊かな内容があるのがこの一塊。左翼急進主義から校内自治、労働運動、帝国主義研究、ベトナム反戦、人種差別問題、そして環境問題に至る－いまになってみると市民運動を総ざらいするような－各種問題に関するタイプ打ち(=少数部発行?)の論考・レポートだけでも30点余りを数えます。
画像3点目には、当時、カウンターカルチャー紙として、上に挙げたような若者たちの問題意識を全面的にカヴァーし、カウンターカルチャー紙として最も影響力を持っていたといわれるアンダーグラウンド・ニュースーペーパー『Berkeley Barb』1975～1976年発行内5点を中心に、ボブ・ディランを表紙に使ったカルチャー紙『ROLLING STONE』(1969年10月)、アジア系学生向けの月刊タブロイド紙『GIDRA』(1974年 5周年記念号)を配置してみました。いずれも新聞形式ながら、海外の古書店でしかるべき評価額が設定されているところから見て、資料的な評価が定まっているものと目されます。

■実数として見て多いのは『RADICAL AMERICA』22冊、『THE INSURENT SOCIOLOIST』16冊、タブロイド紙『Gurdian independent radical news weekly』9点など。また、環境問題関係の24点なども目を惹きます。
仄聞するところによれば、海外の大学では日本の学生運動のアジビラまで収蔵しているところもあるそうで。さて、半世紀近い時を経て現れたこのアメリカの一側面、一体どこのどなたに評価していただけるのか、ここまで持ちあげておいた挙句にナニですが、実は私にはさっぱり分からないのでした……う。働こっ。