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13/02/09 買ってはみたものの … 奉天尋常高等学校関係者写真アルバム と 『吉岡康弘作品集』


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氷上運動会参加者の足元を見ると、草履に何かを括り付けてるようにも見え…。

■落札した直後からたちまち、猛烈に後悔することになる品物というのがあって、小店の場合、古い写真アルバムを落手した時に、そうした気持ちを味あわさせられることが多いということに薄々は気付いているのですが、だというのにしかし、また買ってしまったボロボロの写真アルバムが2冊……。何しろアルバムとしての体裁がほぼ崩壊している状態ですので、販売できる状態に戻すまでにはしばらく時間がかかりますが、どんなものかということだけご案内しておきますと、宮城県出身の教職関係者で、大正の初め頃から奉天尋常高等小学校」に奉職していたと思われる人の写真アルバム。左の画像にもとったのが「大正4年氷上運動会満洲大会」と焼き付けのある集合写真と、画像にはとりませんでしたがその右隣に置かれている「奉天氷上運動会第一回大会」の集合写真が目に入り、他にも例えばレンガ造りのモダンな学舎、それはもうだだっ広いその校庭、雪になる前の運動会のスナップ、「在奉天宮城県人会」の立派な門、ロシア語の刻まれた石碑、雪の重みで倒れた電柱など、目をひくもの多数。アルバムに出てくる成人男子のほとんどが洋装というのも面白いところです。
奉天尋常高等小学校については、とてもしっかりと調べられたサイトを発見。後に「奉天春日尋常小学校」と改称された同校で、厳冬の校庭に散水、スケートリンクにして楽しんだという思い出も記されていて、アルバムの写真とも一致する内容。また、別のサイトでは、大正4年の第1回満州氷上運動会が「全満スケート大会」に発展し、終戦近くまで続いたとありました。
面白い! それだけじゃなくて資料的にも意味があるじゃないか! なんてことをついつい思ってしまうわけなんですが、しかし何故、猛烈な反省がもたらされるかと云うと、あくまで個人の足跡を記録したアルバムというもの、そこに残された様々な方向性をもつ情報をもっともよく束ねるのは、どこまでいっても旧蔵者その人であって、そうした情報の全てを必要とする人が外部には居ない。つまりはアルバムごと買ったところで、当人以外の人にとって必要だったり面白かったりするのはせいぜい数点の写真でしかない - ということに起因するものであるらしく、多分、晴れて販売の段となったところで、売れる確率は相当に低そうだという予測を立てております。うううう。どうして買っちゃったんだろ。


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『NUS』から39年後のNUSの一例。

吉岡康弘作品集』。1962年、「読売アンデパンダン」に出品しながら猥褻を理由に会期途中で撤去された写真を書籍化したもので、問題の作品群に「解体と組立」と題した一連の写真を加え、同じ年に非売品として発行されました。巻頭には中原祐介の解説が和英仏の3ケ国語で据えられています。黒のクロス装、表紙平に欧文を、背には○を、いずれも白一色で押した瀟洒な装丁、角版断ち落としを多用した大胆なレイアウトは「H.NARASAKI」とあり、これは間違いなく、この当時、『草月』の編集に携わっていたはずの楢崎汪子。中原といい楢崎といい、背後に読売アンデパンダンの仕掛け人・海藤日出男の存在があったことを思わせる布陣です。
先週のフランス製ヌード写真集とたまたま2週続いての身体・裸体をテーマとする写真集が入荷したことになりますが、この2冊を並べて見る時、美に関して、或いは人間に対して、約40年という時間の隔たりがもたらした大きな変化を思わずにはいられません。
■今週は『20世紀のポスター』等タイポグラフィ、グラフィック・デザイン関係の本・雑誌・図録2本口、木版掛紙の見本帖『高級手摺掛紙追加見本』、フェルナン・レジェの生涯を描いた限定版などの洋書が入荷いたします。先週入荷した『アサヒグラフ』は漸く三分の一程に目を通したところですが、いやはやこれが実に面白い-なんて云ってないでどんどん先に進めなければならないし、奉天のアルバムを崩壊から救う方法を考えねばならないし、それにしてもどうしていつもこう仕事に追われることになっちゃうんだか。現在TV番組放映中の「ビブリア古書堂」に漂うあの優雅でアンニュイな感じとは生涯・金輪際・絶対・無縁です日月堂は。



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