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13/02/02 1920~1930年代のマスターピース 『THE TIMES WEEKLY』と『NUS』


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あやうくキャビネットの一番深い引出しに入りらない量の入荷。紙の焼け方・疲れ方など、いまならお好みのあたりをお選びいただけます。

■今週月曜日、何とか無事に「第29回 銀座 古書の市」を打ち上げてまいりました! ほっ。
会期中、松屋銀座の会場まで足を運んで下さったみなさま、目録でご注文を寄せて下さった方々に、心より御礼申し上げます。本当に有難うございました!
即売会会期が終わればそれでお仕舞。かと云いますとこれがそうもいかないもので、火曜日には参加店が集合しての最終的な売上集計と次年度の方向性に関する大筋の打ち合わせがあり、目出度く散会の後はとって返して会期中、会場にいらっしゃれなかったお客様への目録ご注文品発送作業に着手、これが水曜日まで続き、水木両日に発送を済ますと木曜日、今度は店で、店頭販売用に店に戻した本や紙モノの縛りや梱包をほどいては再び店内に配置し直すという前向きなんだか後ろ向きなんだかよく分からない作業が1日中続き終電近くに終了!万歳!!! - かと思えばさにあらず。週明け月曜日には五反田の南部古書会館で、市場で売り払ってしまう予定の本の出品準備が私を待っているという次第。すでにヘロヘロっ、ヨレヨレっ、としている店主ではありますが、いまの時代、するべき仕事があり、やりたい仕事をやらせてもらえる場があることが、先ずもって何よりの幸せというもの。つべこべ云わずにもうひと頑張りすることにして、当新着品ご案内も再始動です。
毎週火曜日、神保町の東京古書会館では「東京洋書会」という入札会(市場)が開かれています。文字通り、洋書を専門に扱う市場。小店は営業日とあってなかなか出掛けていけないのですが、1/29(火)上記集合時間の少し前に市場を覗いてみると、まるで私を待っていてくれたかのように出品されていたのがこの英字新聞。いい塩梅に四方も焼けております。1934年から1935年にかけて発行された『THE TIMES WEEKLY EDITION』が高さにして約20cm分と、久しぶりにまとまっての入荷となりました。眺めているだけでも充分面白い週刊新聞ですが、約90年の時間をかけて程よく古色のついた新聞紙に、ユニークな写真、洒落たカットなどが印刷されていて、コラージュなど作品づくりに最適です。


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画像は日月堂的に得心のいくよう並べてみた例ですが、100プレートをランダムに並べてもすぐにこの程度には絵になってしまう力のある作品集。美しいものはやっぱり「美しい!」と云っておきたい。

この新聞、初めて店頭に置いたのが2009年の春頃、この時は高さにして120~130cmほどの大量入荷で、さすがに完売はあり得まいと思っていたのがほぼ1年で売り切れたという、小店としては数少ない成功事例のひとつとなりました。その成功体験に基づく仕入れが、今回もまた吉と出るかどうかは、ひとえにお客様次第でございます。
『NUS』=『ヌード』というそのものすばりのタイトルは、未綴じ100プレートから成る女性のヌード写真集。といっても背景にアール・デコ装飾をもってきたり、ノイエ・タンツを思わせるポーズをとらせたり、モードな髪形をしていたりと、それはもう徹頭徹尾たいそう芸術的。新興写真の作風に基づく見事な女性ヌード100点を撮り下ろした写真家の名前を、扉では「LARYEW」とクレジットしていますが、調べてみると肖像写真家としてすでに高名だった二代目ワレリー(=Stanislaw Julian Ignacy 1863~1935年)の変名なのだとか。奥付にあたるページが見当たらないため、扉を手掛かりにケンサクしてみると、この他にも、『NUS』の発行が1923年だったこと、本来、上製・赤クロス装、赤紐付きのポートフォリオに収められていること、そして、アール・デコ期の傑作写真集のひとつに数えられていること、などが分かってきました。写真100葉の印刷はフォトグラビュールという複製技法を採用したものですが、このフォトグラビュールというのが腐食銅版画の一種、いまとなってはとても贅沢な刷りとなっています。
今回入荷したのはプレート100葉と、表紙と扉とが揃っている一方、残念ながら元々のポートフォリオが欠けていて、その代わり、和本などのために誂えられる例の多い帙に収められています。古くから日本国内で架蔵されていたものと推測していますが、或いはポートフォリオにあしらわれていたはずの『NUS』というタイトルが人目に触れるのを嫌ってのことだったのかも知れません。動機がどうであれ(?)、この写真集を選び所有していた人の美意識には敬意を払っておくべきでしょう。
戦前のモダニズムの時代や20世紀末のバブル期など、我らが諸先輩がその美意識で選び、所有してきた良質な商品によって、いま、私たちは食べさせてもらっているのだということを、改めて深く思い至らせてくれる1冊でした。とどまるところを知らない断捨離流行りですが、そろそろ見直していただかないと、古本屋の将来はないんじゃないかと考え込むことしきりです。
■今週はこの他、戦前から1960年代までの『アサヒグラフ』が11本口の大量入荷、戦後の海外ガイドブックを含む洋書の口などが明日、店に入ります。

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