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12/09/22 だから何? 正体不明・藤田江牛という人の一人雑誌52冊 / で、どうする? 木版刷図案集『花言葉』


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右側の人物で本文中に掲載されていた著者の肖像。実際にはさすがにもっと小さい。それにしても、どこかの道楽息子かインテリたかり屋か…藤田江牛氏、いまのところ詳細不明。

■先ずは大切なお知らせです。明日22日(土)はいつも通り12時~20時で営業いたします。来週は下見・入札日が9月26日(水)・27日(木)と続く「一新会大市会」が開催されます。可能な限り水曜日に用を済ませてくる予定ではおりますが、出品の量や内容によっては27日(木)も市場へ出向くことになる可能性があります。このため、27日(木)にご来店の際には、必ずお電話で在席をご確認の上、お出掛けいただければ幸甚に存じます。ご不便をおかけし大変恐縮に存じます。何卒ご海容の上、よろしくお願い申し上げます。

金曜日の市場、シャルロット・ペリアンはこれまでの小店の売値を超え、最終台の『飛行官能』函付き美本は「これ以上はもう絶対にゼッタイにぜぇ~ったいに、無理。」な札で臨んだというのに二番手に終わって今回もやはり落手叶わず。これまで逃し続け尚且つこんな格好でさらに負けたとなると、もはや縁に恵まれないものと思い定めることにしました。「飛行官能よ、さよーならぁ~」。ううう。
それはさて措き。現実を直視して、新入荷品のご紹介です。
『伸びゆく東京 大東京ゲブルトの歌』『ニュース短歌 戦慄エポツク』『ダイア・パレード』『フェブルアールの芸術』『踊る南洋』『明暗フリユーリンク』メルツってシュビッタースの真似なのか『メルツの詩歌陣』…e.t.c. “モダン”っぽいタイトルが並んでいて、しかも、稚拙なところはあるものの、ドイツ表現主義の影響と思われる木版画が表紙を飾る冊子。全冊「藤田江牛 著作及装丁」もしくは「藤田江牛作歌」とあるけれど、藤田江牛なんてもちろん聞いたことがない。毎号A4の用紙を二つ折した表紙と本文が1折だけ、つまり表紙から裏表紙まで毎号たったの8ページで、昭和7年から12年までに発行された52冊の落札分の奥付から見ておそらく毎月発行されていたらしい、藤田江牛という人の「詩歌芸術」(一部短篇の抜粋みたいなものもありますが)作品だけを発表するために発行され続けた一人雑誌。しかも、超マイナー …… ってだから何。そうなんです。だから何だというのでしょう。因みに、藤田氏、自ら名乗る肩書は「歌人、詩人、短篇小説家」と欲張っていて、行は「東京白星会新明星社」となっています… ってだから何。そうですよね。いや全くもってその通り。


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京都・芸艸堂が昭和11年に発行した『花詩集七 志きしの巻』初版。上製、経本仕立て、木版刷の美しく洒落た図案意匠集。

実のところ、この発行元とされる新明星社には「後援名家」の方々というのがいらして、日本画家・渡邊華石、金工工芸家・栗田雪雄、伊東深水の師匠・中山秋湖、象牙彫刻の名人・菊地互道、お茶大教授・下村三四吉、教育学の稲毛詛風など、それらしい名前が並んでいたりするもので、藤田江牛という人のことも、ま、ケンサクでもしてみればどこかで簡単に引っかかってくるはず……と思ったのが甘かった。大甘でございました。市場から自宅に戻り18時半頃には本日の更新作業に着手したというのに、土曜日の夜中の1時をまわってもどうにもまったく詳細不明です。やれやれ。
ただ、52冊中の数冊に掲載されている、ちょっとダンディーに決めてみたサイン入り!の自らの肖像写真、昭和11年1月号に掲載した「藤田江牛氏著作 カタログズ」に並んだ4冊の内『抒情詩集 有曇華』があの「南天堂版」となっていること、さらに版画に見られるドイツ表現主義的作風やタイトルのセンス、そして、毎月コツコツと作品をつくり、印刷して折って重ねて穴開けて紐で綴じて毎回そんなふうにして発行だけは続けたらしい、けれど実りがあったのか不毛だったのかまるで分からないその情熱など、藤田江牛氏ご本人も人並みではなく、どこかはみ出してしまっていた人であったことだけは確かでしょうね。
さて、その文学方面の作品ですがちょっと読んでみますと……ははははは。今日名前が残っていない最大の要因は、もしかしたらココ - 藤田氏にとって最も肝心だったはずの文学系の作品 - にあるのかも知れないと、ここで再びうなるしかない日月堂です。ううううう。あ。国会図書館にもない、誰も知らない、という点では稀覯本かと。ってだから何……。


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■今週は“木版つながり”で画像の2点目は『花詩集七 志きしの巻』木版刷りの図案意匠集はお馴染みの京都・芸艸堂により昭和11年に発行された初版。経本仕立て片面多色木版刷りで32ページ。同一モチーフで一単色刷りと多色刷り各1図を組み合わせた28図を収めています。「色紙(=色紙と短冊)」のデザインということになっていますが、もちろん何にでも応用可。小店、図案集や印刷見本など好んで仕入れるのですが、図案集は元々そのデザインを“使ってもらう”ことを目的に作られたものであり、印刷見本は当然ながら複数の注文主の依頼にも応じる著作権のしばりのないもの。つまり、パクリや複製を忌避するどころか歓迎するものだったわけで、さらに時を経、スキャンや加工も自在となった現在、何にどう使うのかはお求めいただいた方の発想とセンス次第なんであります。
今週はこの他、久しぶりに『山口勝弘 360°』(勝井三雄装丁、初版、完本)=画像3点目も入荷。また、ただいま店内で洋古書18本口=約400冊が積み上がっていて、できれば明日から荷解きにかかりたいと思っております。






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