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12/06/30 旅の記録を詳細にとどめたスクラップ帖2冊 と 旅と飛行機にまつわる3つの冊子


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スクラップ帖は何であれ、魅力的な紙モノの集合体であるわけですが、この後、ダイハツの社長にまで出世する伊瀬さんのそれは、記録性の面でも十二分な内容を備えています。全旅程分ではないことが実に惜しまれます。

■今年下半期最終週の更新はお知らせから。毎年恒例の「明治古典会 七夕古書大入札会」が来週7月6日(金)~7日(土)、東京古書会館で開催されます。これは、古書会館で普段は業者間に限って開催される古書入札会を、下見日の6日・7日に限って広く一般の方にも開放する貴重な機会です。こちらの専用ウェブサイトにある「出品目録」をクリックすると現れる出品全商品、先の2日間は会場で実際に手にとりご覧いただくことができ、また、もしご希望の品物がありましたら、組合加盟業者がご希望価格での入札も承ります。
この「七夕大入札会」のため、来週7月3日(火)・5日(木)は12時~20時で通常営業いたしますが、7日(土)は夕方16時~17時頃からの営業とさせていただきます。ご不便をおかけいたしまして大変申し訳ございませんが、7日(土)に関しましては、お電話で在席をご確認の上でご来店いただければ幸甚に存じます。また、入札ご希望商品がありましたら、7月5日(木)の20時までに先ずはご一報下さい。但し、小店の場合、代理入札についてはすでにご面識のあるお客様に限らせていただきます。諸々勝手を申しますが、何卒よろしくお願い申し上げます。
また、「七夕~」に伴い、新着品の更新も来週1回お休みさせていただきます。次回更新は13日深夜~14日未明にかけて。暫しお待ちを。
『旅行記念集』1951年に仕事でヨーロッパを見てまわった際の記録をまとめたスクラップ帖で、見てまわった人は、後にこの企業のトップまでのぼりつめることになったダイハツ工業株式会社の伊瀬芳吉氏。残されたのは、スカンジナビア航空機での出発からスイス、フランス、イタリア、ドイツとまわったNo.1と、ドイツ、スイス、デンマーク、オランダの記録となっているNo.2の2冊で、全行程分が残されていないのが非常に惜しまれます。
これまで色々なスクラップ帖を見てきた経験から、スクラップ帖というもの “杜撰な記録と精緻な記録” “センスの悪いものと良いもの” という2項の掛け合わせにより、つまらないものから面白いものまで、およそ4~5段階にランク付けできるのではないかと思うのですが、この伊瀬氏のスクラップ帖は記録性とセンスとを併せ持つAクラス。例えば1都市滞在中の鉄道切符だけ、とか、その国の煙草パッケージの見本だけ、とかをレイアウトよくまとめたページがある - ちょっと大袈裟ですがページ構成における計画性とか構想がないとこれがなかなか難しい - だけでも、無頓着に貼り付けといった体のものとの違いを物語っています。


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下右がカナダ国営鉄道の誇る、子ども専用のお食事メニュー。朝食、夕食、ティータイムでそれぞれ価格の異なる4コースからお選びいただいていた模様。

がしかし、特筆すべきはその記録性。機内食の塩袋、宿帳の見本、手荷物札、電報用紙など既成の紙をサンプルのようにして採集しているばかりか、列車の時間や行き先の指示、簡単な伝言など、現地で書いてもらったあらゆるメモの類、ホテルが預かっていたという各種メッセージ、カフェの伝票から針を買った時の受領書まで、全て几帳面な文字で、いつ、どういう場面で入手した何であるか、ということが誰が見ても分かるように丁寧に書かれています。ここまでの記録魔は稀。「10/6 Zurich出発ノ際 飛行場デ 知リ合ヒニナツタ税関吏 Mr.Hunziker ガ オ土産ニト渡シテクレタ チョコレートノ箱 (親切ナ彼ノ思ヒ出)」なんて書かれたパッケージ(画像「Lindt」の下)が出てきたりする - どうしたら税関吏と仲良くなれるのだろう? - のを含め、高度成長期を支えた人たちの西欧体験に対する興味で見ていたはずが、いつのまにか伊瀬さんという個人に対する興味へと変わってゆきました。残念なことにこちらは全く面白味のない絵葉書の貼込帖3冊と合わせて5冊が入荷しています。
■旅の続きで小さな紙モノ3点。画像中下の右、見開きで置いた英文冊子はカナダ国営鉄道発行の『DINNING CAR MENU FOR THE LITTLE FOLK』。無刊期ですが、1920~1930年代頃のものと思われます。今年1月、満鉄のメニューをやはり新着品でご紹介したように、鉄道の食堂車にメニューがあるのは当然。ですが、この時代、比較的国情も安定していたはずのカナダのこととはいえ、鉄道の食堂車で子ども専用のメニューまで用意されていたとは…。この冊子の存在によって初めて教えられたことです。全2色刷、中綴じ12P、イラスト多数の絵本のようなつくりとなっています。
画像中下左『定期航空案内』とあるのは日本航空輸送株式会社が日本国内及び大連、台北、京城など植民地各地で運行していた定期航空便の昭和13(1938)年4月~9月当時の離発着・運行時間表。東京から大連までは片道190円、福岡で乗り換えて8時間強で到着…といったことがとてもよく分かります。
3点目は飛行機つながりで、画像中の、上の方に見開きで配置した『谷渡り・ヨット号飛行機 進空記念』昭和9(1934)年、サスペンダーやガーターなどの分野で日本初の商標=ブランドとなった「谷渡り人物印」商品を製造販売していた株式会社松直商店が大日本義勇飛行会に「乙式一型偵察機一機」を寄贈したのを記念し作られた、凡そ15cm四方、表紙共紙の全20P、写真も多数収められた小さな冊子。大日本義勇飛行会はこの当時、全国の児童に呼び掛けてタバコの銀紙を集め、これを原資として飛行機を購入し、少年飛行兵の養成に努めていました。寄贈機のネーミング「谷渡り」と並ぶ「ヨット」は松直商店社長・松岡直次郎が同じく社長を務める「ヨット鉛筆株式会社」に由来するものですが、このヨット鉛筆、第二次大戦前後には三菱、トンボと並ぶ鉛筆の三大メーカーだったようで、社長である松岡は立志伝中の人。なるほど飛行機1機寄贈したところでビクともしないばかりか、大日本義勇飛行会に名を連ねる爵位連中との関係強化や児童へのアピールを考えればお安いご用だったのかも知れません。
今週はこの他、白っぽいところを中心に映画関係の書籍が約80冊入荷いたします。ここのところ滞ったままの在庫目録ですが、来週からは在庫目録にも追加作業を進めたいと思います。いや、進めねば。何しろ来週はもう7月、2012年も下半期突入です。1年の何と早く過ぎていくことか…。

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