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12/04/07 包装紙コレクション ライト館当時の「帝国ホテル」から新宿角筈「中村屋」まで 選りすぐりの17点


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向かって左が帝国ホテル、右が白木屋の包装紙 いずれも薄い紙が使われてれてるだけに、これだけの状態で出てくるのは稀なことだと思います。

■春の嵐が日本列島を駈け上がった後、東京ではようやく桜の花が開きました。店の近く、青山墓地の通り抜けの道沿いの桜も、この週末が見頃になりそうです。
来週、4月の11日(水)・12日(木)は、2年に一度、東京で開催される「全古書連大市」の入札~改札当日となります。古本業界でも電子化が進み、この市場では組合初となる「電子入札」が全面的に採用されます。これにより、11日(水)に現品を確認・入札しておけば、翌日の改札時間ギリギリまで、パソコンまたはスマホがあればどこからでも入札も札を改めることもできることになりますので、12日(木)は余程のことがない限り、店は通常営業する予定でおりますが、万一のことがございますので、この日にご来店される場合には、念のため、お電話で在席をご確認下さいますようお願い申し上げます。尚、10日(火)、14日(土)は通常営業いたします。ご不便をおかけいたしますが、何卒よろしくお願いいたします。
百科事典は、大変申し訳ございませんがお引き取りできません。有名な作家の巻数の多い全集は、ご期待されている金額には程遠いとお考え下さい。世界の名画など、美術全集も運ぶだけでかえって処分費がかかる場合があります。はい? ならどういうものを残せばいいんだ? ですか。そうですよね。ご質問、ご尤もです。本屋がこんなことを、できることなら云いたくはありませんが、いまの時代、大きくて立派で、普通なら先ず絶対に捨てないようなものは、換金も、どこかで活かせないかとお考えになるのも、できればお諦め下さい。お客様にとっていらないものは、ほかの多くの方たちにとっても、必要がないケースが多いのです。それよりむしろ、とるに足らないもの、一見みすぼらしいもの、薄っぺらいもの、人に全然知られていないような人たちの名前しか出てこないもの … そうなんです、普通なら人が真っ先に捨ててしまうようなものこそ、お捨てになる前に是非拝見できればと思います。もしかすると、驚くようなお値段になるものも出てくるかも知れません - これは冗談でも虚構でもなく、2012年現在、日本の古書組合で開かれている市場の実状から、最大限、お客様のお役にたつための、ご蔵書・紙モノの整理の際のアドバイスです。今週の新着品は、そのよい一例となりました。
戦前の、というのは即ち、フランク・ロイド・ライドによる「ライト館」当時の、ということになりますが、その戦前の帝国ホテルの紙モノ関係では、崔承喜出演のクリスマス・ディナーショーの番組(プログラム)、絵葉書などを扱ったことがあり、市場ではパンフレット数種を目にしていますが、これは今回が初見、従って初入荷となったのが、画像の「包装紙」です。「ライト館」の建築に見られる煉瓦づくりの色、視線を横方向に誘導するようなテクスチャーを包装紙のデザインに応用。上下の植物意匠も、当時の輸入壁紙のデザインに同じようなものが見つけられそうです。オレンジ色に贅沢な金色を配した包装紙は、帝国ホテルの格とイメージに非常によくマッチしていて見事。包装紙が建物を想起させる、そんな力さえ持っています。


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上段左より 資生堂、中村屋、高野果実店 下段左より 伊東屋、美津濃、文房堂

お隣は百貨店「白木屋」の包装紙。「日本橋」と並んで「大塚」とあることから、白木屋大塚分店が開店した昭和12年以降の戦前もので、日本橋白木屋の第二期と大塚分店の2店を設計した石本喜久治の建築意匠に統一したかのような、直線とアールを組み合わせたモダンなデザインです。漢字と欧文とで記された「白木屋」の文字、キャッチフレーズ「最も買ひよき店」などタイポグラフィは、時代的には先行した『マヴォ』など、前衛芸術の流れ汲んでいるようにも見えます。
■あんまり面白いので包装紙が続きます。相馬愛蔵・黒光夫妻の「新宿角筈十二番地 中村屋」はカリーやボルシュなど喫茶部のメニューから、和菓子、洋菓子、パン各種まで、商品のラインナップと価格が細かく記載された機能重視型。いまとなっては貴重な資料です。同じ新宿からは「新宿駅前 高野果実店」つまり高野フルーツパーラー。こちらは端整な洋風デザイン。大正12年、ベルリンから帰国した村山知義が帰国後初の個展を開き、前衛芸術運動のスタート地点となった神田「文房堂」は表現主義風の格調高くこなれたデザイン。銀座と丸ビルに店を構えていた「伊東屋」は明るくメリハリの効いた米国風のタッチ。「美津濃」のデフォルメされた身体表現はどこかアーペンコの彫刻やシャルル・マルタンのイラストを思い出させたり。「資生堂の包装紙は、こちらはいまさら言うまでもありませんね。
これら画像にとったもの以外に、「東京 神田 三省堂」「新宿駅前 紀伊国屋書店」「丸善株式会社 神田支社」「花王クリーム」フロアガイドを兼ねた「三越呉服店」そして「東京 銀座 松屋呉服店」などを含む“選りすぐり”の17点、いずれも経て来た時間を思えば状態もよく、何より「よくぞいままでとっておいて下さいました!」と - 誰が何を云っても、普通ならとっくに捨ててますって - 旧蔵者の選択眼と慧眼とに感服しきりです。これらの包装紙の主たる会社や商店のほとんどが、いまも存続しているというのも、思えばすごいことではありませんか。たかが包装紙?されど包装紙!なのです。
今週はこの他、北川健次氏の写真、コラージュ作品6面(額装済オリジナル作品6点)が明日入荷。来週は全連大市ですが、一方で、明日から始まる“「鹿島茂コレクション2  バルビエ×ラブルール」に勝手に連動企画 (もちろん仮) ”なども思案中、もしかしたら楽しいお知らせをお届けできるかも知れません。乞うご期待!

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