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12/03/03 凡庸が非凡に化けたベルリン・オリンピック他渡航記念写真帖 / 昭和10年、日本の大学生の目に映ったアメリカ


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上から3点目はベルリンの動物園の正門。象と象の間にオリンピックの五輪装飾が。その上、飛行船には「ヒンデンブルク」のドイツ語が読めます。ブランデンブルク門の横には大きな日章旗も見えて、この角度からの写真は他にあまり見たことがないように思います。

■3月に入りましたが、依然として寒い日が続いています。一方で、すでに花粉も飛び始めたとかで、街ゆくマスク姿の人たちの多くが、果たして風邪によるものなのか、はたまた花粉対策なのか、判別するのがむつかしいシーズンの到来となりました。昨年からはさらに、放射性物質対策という事情も加わって、春風でも吹けばむしろマスク着用率が高くなることが推測されるここ、日本国東京都より、今週も新着品のご案内を申し上げます。
表側から中面まで、どこを見てもただの一文字もない個人のアルバム。旧蔵者は「写真にちらほら写っているこの人か?」という以外、手掛かりの一切がありません。その点では大層つまらない。けれど、被写体を見るとなかなか面白い。というのも - もちろん相当のお金持ちではあったはずですが、政治や外交、軍、スポーツはじめオリンピックの組織や人脈と一切交わらない - あくまで一般人による、1936年のベルリン・オリンピック観戦を主目的とした渡航だったと見られ、アルバムに貼り込まれた六つ切りの写真50点の内、ベルリン市内のオリンピック関連装飾や日本選手団の入場、メインスタジアム上空の飛行船ヒンデンブルク号、フィールド競技、飛び込み競技などオリンピック関係の写真が10点と最も多い割に、どの写真をとっても全然ドラマチックなところもなければ、絵葉書や報道写真に見られるようなあざとさもない、ごくごく“フツウの写真”であることが、結果としてこのアルバムを他にあまり類のないものにしているわけですね - というのは果たして誉めているのだろうか貶しているのだろうか、いずれにしても墓穴を掘っている気がしてきたゾ。


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太平洋を挟んで日章旗と星条旗をデザイン化した表紙。巻頭にグラビア16Pを置いた雑誌のようなつくりになっています。

………それは兎も角。折角の外遊をベルリンだけで済ませるはずもなく、ピラミッド、エッフェル塔、南仏、ベネツィア、アルプス地方、ニューヨークの摩天楼を経て、ホワイトハウス、ナイアガラ、インディアン居住地、ハワイ先住民と、無名氏の立ち寄り先がこれ1冊で一通り押さえられる構成となっています。
昭和10(1935)年、日本の大学生が中心になって前年に結成されていた「日本英語学生協会」主催による「第2回 日米学生会議」の報告書にあたるのが『学生ノ見タAMERICA』。これが初見というので市場で目次を見始め、最初に目に入ったのが「久保貞次郎」の名前でした。当時26才の東京帝大生、「協同的文化建設への期待」と題し、アメリカのリベラリズムを讃える文章はいかにもこの人らしく、若き日の姿を写した小さな写真も添えられています。韓国の政治家として名前を残した金溶植も中央大学の学生として参加、「アメリカ人と政治」と題した文章を寄せています。指導教員として同行した早稲田大学杉森孝次郎教授、府立第一高女・石川しづ子を含め、参加者総勢47名の名簿には、西村伊作の娘・西村ヨネ、戸川秋骨の娘・戸川エマなど11名の女学生も含まれていました。
こうした名前が散見されることからも、この当時の学生は、国家が強いたイデオロギーに縛られない自由な精神でアメリカの大学生たちと交流していたのだろうと思うとこれがなかなか一筋縄ではいかないようで、ご興味のある方は現品に正面から当たっていただければ、その辺りのことも詳らかにしてくれるに違いありません。
■今週はこの他、1970~80年代、海外のギャラリーや美術館で開催された写真展のポスター約40枚(比較的小ぶりなもの多数)、『芸術的現代の諸相』など板垣鷹穂の著書3冊などが入荷いたします。

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