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12/02/25 『DAS MODERNE PLAKAT』はベル・エポックのポスターを1冊の本に綴じ込めたタイムカプセルだ !


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左一番上が表紙平の部分 その見右下からミュシャ、スタンラン、そしてお馴染みのロートレック がしかし店主の好みは下段の一番上、三角定規や蜂の巣のモチーフをあしらった建築事務所のポスターなんだそうです。

■先週1回お休みしたため、久しぶりの更新となりました。この間に市場で落札した品物が「眼鏡屋さんの視力計測用レンズセット」「古印材(各種)」 - といっても実は既に彫られてしまっている印章や特殊活字 - 1箱などという、またしても古道具屋的ガラクタを含め15点。今週はその内2点のご紹介です。
1点目は表紙平ヴェラム革使い、背タイトル及び罫部分金箔押し、三方が茶系色及び金色のマーブル染めという重厚な、見るからに洋書らしい洋書『DAS MODERNE PLAKAT』1897年、ドレスデンで発行されたドイツ語による「現代ポスター」を扱った書籍です。19世紀末といえば、ご存知の通り近代ポスターにとって第1の黄金期ともいうべき時代。ポスター画家として名声を博す一方、パリで自らリトグラフ工房を起こし石版多色刷ポスターを次々に制作、「近代ポスターの父」と呼ばれるようになったジュール・シェレからミュシャロートレックスタンラングラッセ、おおお、分離派もあるゾといったあまりに有名、とても高名な作品を、ポスター現物と同じ石版多色刷でどしどし刷って書籍の中に収めてしまったというもので、A4片面刷された収録作品点数は何と52点ロートレックもスタンランもグラッセも、収録作品複数という椀飯振舞です。当文中ここまでに名前を挙げた作家の生没年を調べてみると、この本の出版当時は全員存命というのにもビックリして、ベル・エポックと呼ばれた時代の名実備わる豊穣を改めて思いました。テキストは国別に構成されているのですが、巻頭に置かれているのがこれまた驚くことに我がニッポン。ま、確かにジャポニスム花盛りの当時のこと、こうした扱いも頷けましょうが、しかし芝居の場面や火消しの活躍などを描いた浮世絵を、遥か西方の方々が一体どのように解釈していたのか、ドイツ語の読める方に一度是非読み取っていただきたいとも思います。
さて、この本の評価額ですが - 欧文タイトルと発行年とを入力して検索してみたところ、出てきました。トップに表示されたサイトを開いてみると、石版刷部分をプレートとしてバラ売りしているところらしく、これを合算していくと …… むむむ。あり得ない。あり得ません …… という額になりますので、ついフラフラとバラ売りしたくなる気持ちをグッと抑え、ぐぐぐぐぐっと抑えた上で、小店としての値付けでお客さまをお迎えしたいと思いますはい。


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魚とオマールエビが描かれたカッサンドルがデザインしたレストランのショップカードは石版刷。裏側には「泰ちゃんにあげます パパより」という書き込みが残っています。

絵葉書も在庫だけは充分あり、しかもなかなか減らない最近、それでも欲しいのは日本人の海外体験の手掛かりになる、使用済みの絵葉書です。市場ではコレクション用の大きなアルバムに整理された状態で出ていたため、一部使用済みがあることだけ確認して、あとはままよとあてずっぽうに札を入れ、落札できたのがこちらです。1935年から1938年頃までの「藤島敏男」という人宛ての絵葉書と、「藤島敏男」という人が「泰ちゃん」という自分の子供や家族に宛て出した絵葉書、そしてやはり「藤島敏男」という人が渡航中の日誌をその地の絵葉書に書きとめたもの、全て洋絵葉書で200枚弱。藤島敏男、なんていう名前に心当たりは全くなく、泰ちゃん、に至っては分かりっこないもんね。と多寡をくくりながらも、こういう時はともかく検索、検索あるのみです。「藤島敏男」→日銀監事、登山家としても知られる。「藤島敏男 藤島泰」→ 藤島泰輔。父・敏男、母・紀子の間に生まれる - ってはい? 作家の? 数多のアイドル要する某タレント事務所の方と結婚された? さらに傍証をと思って他に出てくる名前まで検索してみましたが、出てくるのは登山研究家や銀行関係がほとんど、やはり藤島敏男・泰輔親子の旧蔵品と見て間違いなさそうです。ううむ。検索というのはすごいもんだわなしかし。
1936年のベルリン・オリンピック、1937年のパリ万博、飛行船LZ129号、朝日新聞「神風号」世界一周飛行にちなんだ裃姿の小便小僧、そして、カッサンドルがデザインしたレストラン「プルニエ」の石版刷ショップカードなど、1葉で充分通用するものが含まれたこの一口、とくに日記にあたる部分など内容を把握するまで少々お時間をいただきます。悪しからずお待ち下さいませ。
■先に申し上げましたように、「眼鏡屋さんのレンズセット」や「古印材(各種)」に加え、ここのところ各方面から話題の『考現学』元版1930年代英語版『VOGUE』数冊、戦中中国の写真帖、朝日新聞社発行・戦前英文グラビア雑誌で裏表紙を南満洲鉄道のカラー広告が飾る『PRESENT-DAY JAPAN』6冊、河野鷹思が表紙デザインを手掛けた『アサヒグラフ臨時増刊 新議事堂号』や『東京パック』など大判薄冊8冊小紋裂貼込帖1冊、ハラルド・ゼーマンが芸術監督に起用され最も刺激的でありながら観衆の不興を買った『ドクメンタ5』(公式総合資料集)等々が明日午後には店に入ります。

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