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12/02/04 「銀座 古書の市」を打ち上げて、また店での日々が始まりました。フレデリック・キースラーとブルーノ・タウトの著書で新着情報も再開です。


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■1年を通してたった1度の“土日祝日関係なし・1週間ぶっ続け”営業期間であり、店をスルーした商品含め有象無象の雑書・紙モノをご覧いただく機会であり、さらにまた店主の顔色を気にせずあれもこれも手にとって吟味していただける絶好のチャンスともいえる「銀座 古書の市」。今年、第28回を数えた伝統の - といっても小店参加はまだたったの3回目 - 即売会も今週月曜日に無事打ち上げることができました。
搬入日前夜の雪に始まって、期間中ずぅーっと続いた厳しい寒さにも関わらずご来場下さった方々には、心より御礼申し上げます。ご来場、本当に有難うございました。ご注文品の発送や店の復旧作業もほぼ済ませて、明日からは何事もなかったかのようにまた店に戻りました。1週間皆勤で通した即売会とは違い、こちらは週に3日ではありますが、ご来店をお待ちいたしております。また、目録掲載品で在庫のあるものについては引き続きご注文を承ります。どうぞお気軽にお問い合わせ下さい。何卒よろしくお願い申し上げます。
今週の新着品は前回に続いて“長期熟成塩蔵品”からのご紹介。日本では、山口勝弘の著書『環境芸術家キースラー』で僅かに知られるばかりのフレデリック・キースラーによる『contemporary art applied to the store and its display』。1930年、アメリカ・ブレンターノ社の発行です。前にも後にも日本の市場で、少なくとも私自身が目にしたのは当品を落札した時の一度きりで、紛失を告げられた時からせめてこれだけでも取り戻せないかと何度願ったことか。改めてページを繰ってみて、天と小口ギリギリのところに組まれたテキストや天地左右いずれか一辺を断ち落としにした写真図版の扱い等、印刷工程でのリスクを顧みない大胆なレイアウト、世界各国から集められ厳選された図版に漲る緊張感などなど、バウハウス叢書を足場にしてキースラー流に深められた造本とエディトリアル・デザインで、記憶に深く刻まれているのも当然の完成度です。
著者であるキースラーはデ・ステイルのメンバーとして1920年代より展覧会や博覧会の装飾、舞台、ウィンドー・ディスプレイなどを多数手掛けましたが、まとまった書物の出版は当書が初めてだったようです。キースラーは当書のなかで、前衛芸術をモダニズム装飾の基本として位置づけ、彼の考える新時代のウィンドー・ディスプレイ、照明設計、グラフィック・デザイン、建築などを豊富な図版とともに示しています。


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図版には、ピカソの絵画、バレエ・スエドワのための(!)レジェの衣裳、ヴェスニンの舞台装置から、B・タウトの建築、ミースの椅子、ツァイスの望遠鏡等の他、1925年パリ万博における展示設計や宣伝用印刷物の組版などキースラー自身の作品がかなり多く含まれており、アンビルドアーキテクトとして知られるキースラーの実作を知り、思想を辿る上で、おさえておく必要のある資料のひとつといえそうです。
■こちらもまた同じような装丁が施されており、バウハウス叢書というのが当時のブックデザインにいかに大きな影響を及ぼしたのかを思い知らされるわけですが、ブルーノ・タウト著『EIN WOHNHAUS』もまた、8年を経て帰ってきたなかの1冊。1927年発行の元版で、一応カバーも - 傷みばかりか欠けまであるのが残念ではありますが - 付いています。
内容はといえば世界的建築家ブルーノ・タウトが自邸を自身で設計して建てた際の建築設計と家具・インテリアデザインの記録をまとめた詳細な書籍でありまして、巻末にはカラーチップまで添えられています。タウトの自邸は、ラウンド型のケーキを6分の1に切り取ったような不思議なかたちをしています。この当時、タウトが労働者のための集合住宅に熱心に取り組んでいたことを考えると、自邸もまた、次なる集合住宅設計への足がかりだったかのように見えてきます。
この本、空白の8年以前は、市場で時々見かけることのできる本だったのですが、最近はとんとご無沙汰で、本当に久しぶりの入荷となりました。8年の歳月の間には様々な変化があったわけですが、しかし最も著しい変化と云えば、キースラーの生年月日や書誌を、或いはタウトが何年にどこにいて何をしていたのかを、私は机の前に座ったままどこに行くこともなく、目の前にある道具ひとつで瞬時に知ることができるようになったというところにあるのでした。便利になった分、今度は私の脳ミソの塩漬けが、ただいま着々と進行いたしております。いつになればかえってくるものやら。いやいやそっちはかえってこないって。
そんなアタマでこんなところにもお邪魔することになりました。詳細はこちらから。下の方にある「展示関連イベント」がそれです。それにしても大丈夫なんだろーか。もちろん大丈夫、私以外は …… 。

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