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11/10/15 いまだ百貨店文化華やかかりし頃の『ル・シック・タカシマヤ』 / 戦後ドイツの織物の本


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■昭和20(1945)年の敗戦から7年、昭和27(1952)年に発行された高島屋のPR誌『Le chic ル・シック・タカシマヤ』。縦26cm×横25cm・40ページ全アート紙使いのグラビア誌で、表紙とセンターページはフルカラー、その他の本文ページも2色刷を多用と、とても贅沢なつくり。さらに、第2号(画像中上段の2カット)の表紙は猪熊弦一郎、第3号(同下段の2カット)の表紙は吉原治良がこのPR誌のために制作した作品で、それぞれ短いながら制作意図についての文章も寄せられています。5月1日発行の第2号にはやはり画像にとった岡本太郎と東郷青児という戦後画壇のスター2名の絵と文による「たのしい水着のアイディア」はじめ、河野鷹思の「巴里モード紹介」、田中千代他による「初夏のデザイン」、森田たま、佐藤美子、吉井孝子(吉井勇夫人)らによるキモノから、木村荘八、川井玉堂、吉川英治、石黒敬七などによる随筆まで、たいそう豪勢な内容です。
同じ年の11月1日に発行された第3号は「創業120周年年号」と銘打ち、巻頭には明治から当時までの高島屋各店の外観の写真が据えられ、社長の「御挨拶」が極短いのに好感がもてます。モードでは流行を見せ始めていたという畝織の服地「オットマン」を使った洋服のデザインの提案や田中千代の「既製服時代」が1950年代という時代をとてもリアルに物語っています。キモノでは宇野千代、「暖房のいろいろ」と題して岸田日出刀、高島屋が受注した東西歌舞伎座の緞帳についてデザインを手掛けた東郷青児と三宅周太郎が寄稿と、こちらの号も太っ腹な内容。
デルモンテのアスパラガスの缶詰から米国製の洗濯機から冷蔵庫まで、在留外国人を対象としたOSS(=Overseas Supply Store)商品を写真入りで紹介した「OSS Shoppin guide」、
高島屋施工による東邦海運東照丸の船室と日活国際会館・日活ホテルのインテリア(以上第2号)、「大阪高島屋工作所を観る-近代家具のできるまで」(第3号)といった内容から見ても、『ル・シック・タカシマヤ』というPR誌が店頭で配布するフリーペーパーのようなものではなく、上顧客に的をしぼった一種のクラスマガジンだったと推察されます。


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百貨店のPR誌が高名な文筆家を起用したのは古く明治時代に遡るし、大正時代には人気の高いグラフィック・デザイナーを自社に抱えてPR誌の仕事もさせるなど、百貨店の成立とほぼ同時に誕生し、戦後まで長く他社との差別化のために有効に働いてきたはずのPR誌ですが、いまではすっかり鳴りを潜めてしまったようで、ただいま現在我が国で絶大な人気を誇る某作家の某短篇集の初出とされる『トレフル』は、1980年代初頭、某百貨店の当時「クローバーサークル」と呼ばれていた会員向けのPR誌だった記憶がありまして、この記憶に間違いがなければ、これが百貨店PR誌最後の一閃だったのでないかと思うのです
■こちらは1912年にウィーンとライプチッヒの版元から出版されたジャガード織の専門書で、『TECHNOLOIE, BINDUNSLEHRE, DEKOMPOSITION  U.KALKULATION DER JACQUARD-WEBEREI』という長い名前。柄によって糸をどう渡していくのかというのはやってみるより図示する方がむしろ難しいような気さえするのですが、当書はそれが見事に達成されているばかりか、色使いも含め、非常に美しい図版で説明されます。図版ページは全て片面刷、図解中生地現物が貼り付けられているものがある他、サンプル生地現物貼り込みページが1ページあります。図版の見事さについつい手が出た1冊ですが、何しろ織機をベースとした技術書。趣味の織物にどの程度応用できるものかは不明でありまして、とすれば一体どうした方にお求めいただける可能性があるというのか、あ、ちょっとアタマが痛くなってきた。
■伊勢型紙116枚。画像をとってくるのをすっかり忘れておりました。現在バックヤードに置いてあり、けれどお話をしてみて「もしや」とか「これは」と思われるお客様には裏から取り出してお目にかけております。で、これまでのところご覧下さったお客様は100%がご購入、小店久々の高打率商品になりそうな予感がしてまいりました。調子に乗って、来週にはキャビネット上にどっかあ~んと置いてみようかなどと考えています。
また、新着品は他に、セゾン美術館図録『ディアギレフのバレエ・リュス』『ル・コルビュジエ』、ロキシー劇場他戦前海外劇場プログラム等冊子8冊、ミヒャエル・エンデ直筆署名入り書簡、一柳慧直筆書簡、戦前戦後婦人雑誌付録及び実用冊子約50冊、などが来週火曜日に店に入ります。

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