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10/12/11 別に右的に転回したわけではありませんがここのところ和ものが続いてます キモノの図案意匠台帳 / 1893年の博覧会

■今週もお知らせからまいります。来週12月14日の火曜日はこの日に開催される「東京洋書会 歳末特別市」のため、店はお休みをいただきます。変わって12月15日(水)、現在調整中のスケジュールが延期となった場合は店を営業いたします。12月16日(木)、18日(土)は通常の12時から20時で営業いたします。と、何ともややこしいことになっておりますので、来週ご来店のお客様には必ずお電話で事前に在席をご確認いただければと存じます。ご不便をおかけいたしまして本当に申し訳ございません。どうかご容赦の上、何卒よろしくお願いいたします。


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只今土曜日の夜中の4時。キャプションまで書く力は残っておりません…

引き続き目黒・ジェオグラフィカさんで開催中の「原由美子さんの仕事場から」。会期が長いこともあって商品の補充を心配していたのですが - 実は毎週週初め、定期便のようにして原さんからお品物が届くので、その心配はすっかりなくなりました。お陰さまで週の初旬には常に、追加商品を会場に並べております。今週は革のコートや同じく革の軽いジャケット、アンティーク風ネックレスやブローチなどがダンボール箱から出現、なかには早々に売場から姿を消したものも。あくまで現品限りのこの展示販売、多少タイミングに左右されるところもあろうかと存じますが、一度といわず二度、三度とお訪ねいただければ幸甚に存じます。来週ですか? もちろん。商品追加予定あります!
■で、ようやく今週の新着品。木版図案のプレートのように見えるのは、1冊の表紙に「大正七年 絵摺」の題箋が貼られたキモノ図案の綴り縦44.5cm・横63cmという大判、1冊に52~59枚を綴じ込んだ合計3冊の入荷です。図案はほとんどが型抜き紙の上から着彩、部分的に手描を加えたものと思われますが、繊細な線を伴う図案ほど、ほぼ肉筆といってよい仕事になっています。立体造形的な洋服では色や柄ばかりでなく-というより色や柄以上に-フォルムの差異がデザインの差異となるのに対して、造形的にはほぼデザインが単一なキモノの場合、デザインの差異の殆どを色と柄とが担うだけに、テスタイル・デザインの多様さと完成度の高さは必須であり必然。大判で一気に眺める160点超す図案は、大正という日本のデザインの一黄金期とも相まって圧巻です。図案には図案家の名前、個別のノンブル、意匠の“銘”と、図版によっては納めた先 - 取引先、個人を含む - を記載、商品台帳を兼ねていたのかも知れません。旧蔵者は甲府の「株式会社丸章」となっていますが、いまその所在地を調べてみるとすでに姿を消してしまっているようです。毎年・毎シーズン、台帳として残された50案全てが染に出され商品化されていたのか、とすれば1意匠あたり平均何反の着尺がつくられていたのか、はたまた台帳はあくまで見本で注文があったものだけ染めていたのか … 思えばキモノにまつわる商品流通の基本的な仕組みについて、実は何も知らなかったんだと気付きました。今年のはじめから日本の染や織、あるいは和菓子などに関わった品物が市場にまとめて出てくる機会が増えているように思います。日本人が長い時間をかけて鍛えてきたデザインを、日本人はいよいよ手放し始めたのか - 知らないことを置き去りにしたまま、手仕事とそれを支えた道具や痕跡がいまどんどん散逸していこうとしているようで、度々眼福を味わいながらも、どこか漠然と不安を感じ続けた2010年です。


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…z、zz、zzzzzz

幕末維新開国以降、日本の工芸品を世界的なレベルでの産業振興に役立てていこうと、先進諸国の工芸品を熱心に研究していたのは周知の通りで、こちらはそうした流れを伝える痕跡のひとつだといえそうです。『閣龍世界博覧会 美術品画譜 第壱集』は明治26(1893)年・大倉書店の発行で、著者は久保田米僊。米僊は画家として国民新聞に入社し、報道画という分野を開拓した立役者のひとり。当書発行年に開催された「シカゴ万国博覧会(=コロンブス博覧会、コロンビア博覧会とも)」にも取材に訪れ、当書はその報告画集といった内容になっています。図版、緒言、跋等全て木版刷(図は多色刷)、日本の出品物の他に独仏等欧米の出品工芸品から、多分に“米僊好み”の作品が選ばれたようではありますが、維新から四半世紀、シカゴの展覧会にフランスで造られた「乾山模造磁器花瓶」や「日本模造名刺皿」などというものも出品されていて、世界と日本との距離が当時としては非常に早いスピードをもって縮まっていたことを思わせます。画像は当書所収全24図の内、これは私も欲しいかもと思った2点。見開きは「仏国製青銅花瓶 鋳込浮紋」の表と裏で、裸のこどもみたいなのはおそらく天使で、ヌーヴォーといってしまえばそれまでですが、蛙との組み合わせが面白い。左端は「墺太利製帽架 灯及犬猫銅製柵門木造」なるもので、木製の帽子掛け兼照明器具に青銅の犬と猫がくっついてるのではなかろーかと想像するのですがどうでしょう。
先週土曜日に店に出した『POLAND』『POLAND REVIEW』、「営業日案内」で画像を入れた文具系空箱関係他が店内の雰囲気を変えてくれました。来週土曜日までには絵葉書を全面的に入れ替える予定。すでに店内では来年1月26日からの松屋銀座「銀座 古書の市」の準備も始まって少々落ち着かないところもありますが、残り少ない年内営業日にご来店いただければ幸いです。

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