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10/10/09 “こんなものも” 扱います -「和菓子の木型」大量入荷 / “こんなものが” ありました 1954年・アメリカ空軍輸送機による遊覧飛行アルバム


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和菓子用の木型入荷88点のなかから(図版中、人気の鯛はすでに数点品切れに)。全てもちろん手彫り。板が二重になっているものは、厚みの部分にも平部分の意匠と連続するデザインで彫りが施されています。

■来週の火曜日・2010年10月12日で、現在の205号室に店を移転して新たにスタートしてからちょうど1年を迎えます。変わらず市場に通い続け、週三日とわずかな日数ですがその日だけは店に腰を据えて過ごしたこの1年ですが、時代はこの間にも変転を遂げ、市場で元気に買い続けている同業者の多くは目録やインターネット専業、つまり店をもたない方たちで、とくにこの数カ月、この業界ではもはや「店」は重荷に過ぎないのではないかと考え込むことしきりでありました。ちょっとやそっとのモノでは容易に買わない市場(=マーケット)と、しかしそれでも買い続けることでしか対応軸を持ち得ない小売業者 - 平たく云えば「買わないお客様」と「買い続ける業者」- との間の我慢比べが、古本の世界、いやおそらくはどんな分野でも、起こっているものと思われます。今度はどんな1年が待っているのかは分かりませんが、むしろ多くが店という営業形態を捨てていくであろう時代だからこそ、しぶとく店を続けていきたいと思っています。決してたやすい1年ではなかっただけに、例えばこの新着品ご案内へお寄せいただいたご反応や、とりとめのない集書のどこかに手柄を見つけ出して下さるお客様の存在は、本当に心強く、有難いものでした。この場を借りて、心より御礼申し上げますとともに、次の1年も懲りずにお付き合い下さいますよう、改めましてお願い申し上げます
堅苦しいことは抜きにしても、実際にこんなモノを買ってしまった日には、つくづく店があって良かったと思うわけです。というのが先週の末尾に“古本屋らしからぬ物体の一塊”と触れておいた物件で、和菓子用の木型が大量の一括入荷となりました。入札用封筒に記された個数は「88コ」でしたが、今週値付けに着手したところ、たまたまその場に居合わせたお客様とたまたま値付け終了直後にご来店下さったお客様がすぐに食指を動かされて、ただいま在庫は80個弱。やはり鯛に人気があります。高松の現役の職人さんのハンコを押してあるものなどあり、全体的にそう古いもではないようですが、インテリアに小物入れに或いはホントにお菓子の型にと、使い方はあなた次第。こればかりは早いもの勝ちとなりそうで、ま、しかしそれでもまだ80個、80個もありますからね。ご来店の折には是非、その大胆な意匠と見事な技のひとつひとつに、いちいち感心していただきたい。と思う次第です。


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アメリカ空軍の輸送を使って行われた親善遊覧飛行の写真帖。左から時計まわりに 1P目の搭乗直前風景、機内に設置されたレセプション用の設え、離陸準備完了、表紙、窓の所に集まって非日常的風景に見入る日本人、スイッチの説明を受ける …といった具合に展開される。

■私が知らなかっただけなのか。しかし珍しいと思う「世の中にはこんなモノがあったのか。」という出会いは今週の市場でもありました。絵葉書のような富士山の写真の余白に「29 OCT 1954」という日付の出てくる『FOURTH SESSION JAPAN-AMERICAN COMMUNITY-RELATIONS ADVISORY COUNCIL』。これ、平たく云えば朝鮮戦争当時、日本に駐留していた米軍の主要部隊と、日本のオピニオンリーダーとの親善交流の記録とでもいうべきもので、当品はアメリカ第5空軍所属・第374空輸航空団の輸送機に日本人を乗せ、立川基地から富士山まで、遊覧飛行を行った際の記念アルバムです。25cm四方、厚紙表紙に英文の簡単なキャプションを添えた紙焼写真19葉を綴じ込むという体裁で、日本人の搭乗を迎える米兵の隊列→楽隊のパレード→要人同士の挨拶と握手→輸送機船内に長いテーブルをセッティング→そこでレセプション開催→シートベルトを締めて→はいもっと強く締めて→さあ出発→操縦室でスイッチの説明なども受け→“あんゆーじゅある”な景色を窓外に望み→雲の上に頭を出した富士山を眺め→立川基地帰還→ぐっどばい!。と、まるでコマ送りのように写真で展開される構成には、どこかコミカルな味わいさえ感じられて、朝鮮戦争のキナ臭さとは一見無縁。紳士然として日本人を迎えるアメリカの軍人と神妙な面持ちで彼らの指示に従い、降り立つ時には満面に笑みを浮かべている日本人の姿とは、おそらく理想的な親善交流の成果として描かれたものでしょう。搭乗している日本人はおよそ一般人とは思えず、政治家か財界人か、見る方がご覧になれば人名まで明らかになるのではないかと思います。今年、「復水盆に返らず」という日本人に長く親しまれてきた格言の信憑性まで疑わせる結果となった米軍基地問題。半世紀以上前から、そりゃもちろん啓蒙や懐柔や恩恵や思い遣りやひょっとすると利○○与やウ○取引だとかともかく何だか色々なことがあったのだろうと推察するわけですが、しかしこんなモノが残されているとますます想像力が刺激され…なんてことは放置しといて紙焼きの深い黒色も印象深い当品、こちらも是非店頭でご覧下さい。
今週はこの他、ロシア構成主義的装丁を中心に戦前の書籍20冊明治期・中西屋発行小型冊子2点納富慎介という人の限定リトグラフ刷カレンダー10点浜口陽三の献呈署名入りポスター額装済1面コム・デ・ギャルソンの『six』8冊、赤玉ならぬ「白玉ポートワイン」の木箱と大正の頃のガラス乾板その他が入荷。来月下旬には2011年1月26日から銀座松屋で開催される即売会の目録の締め切りがやってまいります。新着品の多くは店頭入荷後数週間でご希望がなければ目録に使用する予定で、一旦こちらに振り分けますと今度は目録発行まで販売できなくなります。もしもお目に留まるもの、気になる商品などございましたら、どうかお早めにお尋ねいただけますようお願いいたします。
■また、先週少しふれた企画展は、「原由美子さんの仕事場から」というタイトルが決まりました。言わずもがなの日本のスタイリストの草分け、ファッションディレクターとしてご活躍を続けておられる原さんの …… 詳細はまた来週改めて。ご期待下さい!

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