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10/09/18 今週はエロ坊主と女学生で (!?) 今東光による雑誌『文党』/ 手づくりパワー炸裂! 女学生による『慰問袋』他戦時資料


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画像左=創刊号 今東光「文党に就いて」3P有 表紙はリノカットの風合いを生かした印刷か  右=第2巻第1号 党人11人による「党人漫談」に菊池寛や他紙の批判有 足穂は今宛ての私信を公開したもの。

■エロ坊主。いきなり下品ですみません。正直に云って、今東光という名前からそんな言葉しか頭に浮かばない私に、一体どんな解説ができるというのでしょうか。ご覧の 
←――――  『文党』はその今東光が興した文芸雑誌で、新着品は文党 創刊号』『文党 第2巻第1号』(大正14・15年、金星社発行)の2冊です。当誌の特徴的な表紙の意匠はいずれもご存知・村山知義によるもので、創刊号についてはリノカットを思わせる印刷もよい雰囲気です。またしても正直に云えば、と申すまでもなくすでにご推察の通り、即ちこれジャケ買い。繰り返します。他に云うことないんで。ジャケ買い。ジャケ買いであります ( ヤケ買いでもありますが ) 。
創刊号の「党人」に今東光、村山知義の他、金子洋文水守亀之助など、いかにもこの時代の反体制好き(?)が加わっていることや、第2巻第1号ではサトウ・ハチロー稲垣足穂や梅原北明や下店静市や河原埼長十郎なんていう名前も出てきて分野も硬軟の度合いも幅が広がってるな、とか、“党”結成の時なのか雑誌の売り出しの時なのかともかく今、村山、金子あたりが集まって歌うたいながら街頭行進までしたらしい、とか、あ、梅原の『世界奇書異聞類聚』で村山が装丁で手伝うようになったのもここでの出会いがきっかけらしいゾ、とか、そもそもこの雑誌って当時文壇を牛耳っていた菊池寛と今東光との対立がきっかけで生まれたんだ、といったことなどなどなど、当誌誌面を見て、さらにちょっとだけGoogleさんの力を借りれば実にあっさりと分かることでありまして、さらに私に付け加えることなどあろうはずもございません。
この当時の格好いいものには必ず、尖がった精神が宿っているようですよ、と、非常に漠然としたことだけ添えて『文党』のご紹介とさせていただきます。



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左端の上から3点が『慰問袋』の表紙で、図画工作的な中面は、この3冊から撮影し、合成した画像となっています。手作りの細かな紙細工、さまざまな部分に挟まれたメッセージの様子などお分かりいただけるでしょうか。なかには教育実習の際に指導した作品や、寮生活をコマ漫画にした作品なども見られます。

ここ数年で最も苦慮、上手くいかなかった画像でお届けしなければならないのが非常に残念なのがこちら ―――――→ 
タイトルをつけるとすると、『戦時体制下・岐阜高等女学校女学生関係資料一括』といった感じになるでしょうか、「ゆうパック」のMサイズくらいの箱一杯に詰め込まれて出てきたのは、同校の教師・加藤正巳という人の元に残されていた品々。時代的には昭和10~13年頃の『訓練調査簿』『訓育簿』など一人一人の身上書をまとめた綴り、そして、加藤先生出征の折に、教え子たちが贈った手作りの『慰問袋』と題された手製冊子が主な内容です。『訓練調査簿』などの身上書には、家族構成、家業、成績、好きな科目と嫌いな科目、愛読雑誌名、将来の希望、自宅周辺地図まで、女学生の自筆で記入(成績は加藤先生)されています。家業では個人商店が多く、しかもその業種が非常に多岐にわたっていることや、愛読雑誌では『少女倶楽部』が圧倒的支持を受けていることなど、少し見ただけでもなかなか面白く、読み取れることの多い資料性の高いものだと思われます。
しかし、何といっても圧倒されるのが『慰問袋』と題された一群の手製冊子で、折り紙・切り紙あり、押絵に布細工あり、各頁にポケットや切り込みなどの仕掛けがあり、その仕掛けをひも解くと小さくきれいに畳まれたメッセージが次から次へとややや出てくる出てくる-中には4cnほどの切り紙のタコの4mm程度の幅のハチマのところに1.5×2cmのメッセージカードを六つに畳んではさむというこの細かさ。しかもそれが今日まで残ってます。-といったとんでもなく手の込んだものばかり。いやもう何といったらいいのでしょうか、13歳から17歳くらいまでの女子の多くが持っている、小さくて可愛いものを作るのが好きという基本的性向が、戦時体制へと移行していく世情、抑圧されがちなところにもってきて、一旦『慰問袋』という大義名分を与えられると途端にそれまで抑圧されていたエネルギーが一気に大爆発 … とでも考えない限り理解し難い理不尽なまでの熱心さに溢れております。もっとも、理不尽という点では何より、その可愛らしい手製の品々の姿と、そこに添えられた「武運長久」や「爆弾三勇士」といった言葉とのコントラストほど、理不尽なものもないのですが。
一方、寄書を見ると「大好きな大好きなお父様」なんて穏当、「お父上のように、あるいは兄のように、お慕いしておりました」と直截に告白するものまであって、出征と聞いて勢い余ったものか、或いは感傷が筆を滑らせたものか、しかしそれでも女学生たちの情熱を一身に集めたこの加藤先生、かなりモテた方だったのではと想像します。この箱ひとつ、比較的きちんと目を通したのはまだまだ氷山の一角で、全体詳細は明日、店に入荷してから見ていくことになります。こうした云い方は不謹慎ですが、一体何が飛び出すか、どうかお楽しみに。
■今週はこの他、写真関係の展覧会の図録約10冊1950年代オーストリアの観光誘致ポスター5点、明治期発行・木版刷『陸軍武官服制』、とりとめのない組合せの冊子・書籍類の1本口などが明日には入荷いたします。この他、来年1月の即売会目録用にと数点を落札しておりますが、こちらは当面、店頭たけでのご紹介となります。涼しくなってまいりましたところで、店にも是非お運び下さいませ。

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