■今年に入ってからというもの、ここ ( = 新着案内 ) でのマンネリ化には書いてる本人でさえ辟易として、どうにか打開の道はないものかと考えても考えても妙案は浮かばず、そうこうするうちに記録的猛暑とやらが追い打ちをかけ、朦朧とするアタマでは単純な思考にすら困難を覚え、そうでなくとも浮かばない代案などが出てくるわけもなく … といった経緯で今週は詳しい - というか毎回毎回くどい! - ご案内を、基本的な情報を除いてちょっと “ 放棄 ” してみることにいたしました。一度でいいからやってみたかった説明抜き。それは無理でも最低限で。きっと全然問題ないはず。
←――― ■古いガラス瓶約20点が今週フランスから届きました。シロップ、ジャムなどあくまで一般消費財用とあって製法は型抜きなど簡易ですが、その分、フタや栓、そして欠けたりシミが飛んでいたりするラベルなど、ひとつひとつ異なる細かい部分の差異に目をひかれます。細長い試験管のように見えるのはバニラビーンズ用で、これだけはさすがに少し高そうな佇まい。手前のグリーンの長方形は手巻き煙草用の紙で、こちらもフランスからの到来です。
■『染織之流行』は稲西合名会社編集、菱山相互会発行(いずれも大阪)による月刊のキモノのデザイン専門雑誌で、昭和10年前後発行分内、約20冊の入荷です。毎月新しいデザインの生地見本や石版刷の流行色カラーチップの現物貼込多数。また、流行や商業に関係する解説記事、見本市の陳列風景の写真など、周辺資料も。画像中左端の戦後、ミッドセンチュリーの頃のデザインを思わせる大胆な図案は「高島屋百選会撰品 新ゴシック模様」で、「ホグシに研究を望む」という織元さんに向けたと思われる但し書きまで堂々と印刷されて添えられており、当誌が技術とデザインとを橋渡しする役割を果たしていたことが、このことからもうかがわれます。――――→
←――― ■『Olympia 1936』は1936年に開催されたベルリン・オリンピックの総集編ともいうべき2冊組の書籍。大会の運営から競技風景、競技結果などを総覧。別丁写真の他に、紙焼写真をわざわざ糊貼するかたちで多数所収した当書のビジュアルは、当時の様子を非常にリアルに伝えるのに役立っています。また、ベルリンの街中の装飾やヒトラーはじめナチス党幹部の関わりなど、プロパガンダの傍証となる要素や、各国スポーツ選手のユニフォーム図鑑としての要素など、さまざまな側面の情報を得られるのもビジュアル書籍ならではといえるでしょう。
ううむ。やはり問題なかったか。すっきり。簡潔。読みやすい。分かりやすくもなったような。こうしてみると、いままでのくだくだしい解説は一体何だったのでしょうか ( ガックリ ) 。
ともあれ今週この他には、舞踊関係を中心に白っぽい本が20冊ほどと、市場の出品量が少なかったのに伴い、入荷もわずかなものとなりました。この猛暑、本など重たいものの動きも鈍るのが道理というもので、来週以降、市場が荷物で溢れるのを期待したいところです。
あ。先週まわらなくなった首はお陰さまで回復いたしました ! もうひとつの首の方もこれくらい早くまわるようになってくれないものかと思い続けてはや15年…! もうすぐ15年だというのに。こちらはまだまだ心配のタネが尽きません。やれやれ。いまはせめて、涼しくなってくれるのを祈るばかりであります。