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09/11/07 『銀座細見』の装丁はあのルネ・ラリック…? そして日月堂は印刷工房に鞍替えか…?


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安藤更生著『銀座細見』(初版)は昭和6年・春陽堂の発行。後ろ側、黄色地に市松模様に見える赤い部分は「銀座」の文字の反復。手前・本体の装丁はコティの白粉のパッケージのパクリで、もととなったパッケージのデザインを手掛けたのはルネ・ラリック。

■11/5の締切に銀座松屋の即売会の目録データを無事渡して少しだけ肩の荷も降り- 残る準備作業のことはせめて数日棚上げにしたいので - 今週も市場へ。もぉ~ちろん、新着品もございます。最初は昭和6年・春陽堂発行、安藤更生著『銀座細見』(初版)。画像で後ろになっているのが黄色い紙に赤文字で“銀座銀座銀座…”と果てしなく反復される強迫神経症的デザインのカバー、その手前がカバーの下から現れる書籍本体の装丁。で、この本体の装丁ですが、小店のお客様にはパリ仕入れの際の定番品としてご承知の方も多い、パフをモチーフにルネ・ラリックがデザインしたコティの白粉のパッケージと、そうです。まるっきりおんなじ引き写し。銀座=モードの尖端=舶来=コティ=ラリックという一体どのあたりまでが記号と化していたのか、いやむしろ、『銀座細見』を見てきたおのぼりさんに、銀ブラの途上、目につくはずのコティの白粉商品から装丁の意趣に気付いてもらおうというたくらみだったのか、いずれにしても、当時多くの人にとって憧れの対象だった一種の記号が一見素っ気ないカバーの下から現れるという趣向、いま見てもなかなか粋なものだと思いますよ春陽堂さん。
店のバックヤードに設けられた通路が、在庫を整理してやっと本来の機能を果たすようになったばかりだというのに。こんなものを行李二つ分(!)買ってしまったらここに至る格闘も水の泡な新着品がこちら。行李二つ分(くどいようですが「!」 )、全て、一点の曇りもなく「お茶」に関するものばかりという広告・商標の版木並びに活版印刷用図版凸版。気が遠くなるので数は数えませんでしたが(しかも市場の途中)有象無象数百はあると思われます(…………)。


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数百点一挙入荷となった全て「お茶」に関わる広告・商標の版木並びに活版印刷用図版凸版から。左右は主に茶道を教えるもので木口木版の版木からの試し刷り。真ん中は戦後・金属凸版による印刷版で茶筒に巻きつける紙用か。

で、画像の真ん中は金属板を木の台に打ちつけた戦後の活版印刷用、茶葉を詰めた筒缶に巻き付ける紙用かと推察。画像左右はおそらく戦前の、茶道教材本に使われた図版でこちらは木口木版の版木から不肖・日月堂あるじが自宅に持ち帰りこんな図版ですとお目に入れるべく刷り出してみたもの。ヘタです。右側一番上の茶懐石の図などひじょーに愛らしい。なのにヘタ。残念。さて、この有象無象をどうするか、ですが、こうなると古本屋業を一時休止して印刷工房でも始めようかという勢い。といいますのも、カフェや雑貨屋さんなどアンデパンダン=独立した個人経営系のお店にとって、そのまま包装紙、袋、ショップカード等々何しろ使えるものが多く、正直、古本屋より稼げそうなので。あっ。年賀状にだって使えるし。といったところでまだ松屋の準備もあり、店主は刷るのがヘタときておりますので、とりあえずバラ売りの予定。値段を付けたものからせっせと新しいキャビネットに収納してご覧に入れます。小店になり代わって行李二つから印刷工房志願という方には積極的に“おまとめ販売”もいたしますので、ご転身などご志望の方にはこれを機に、ひとつ、ご検討を賜りますよう……(って、それは押し売り)。


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1950~1960年代の『The New York Times Magazine』。報道写真、広告図版に優れたものが多い割にほとんど知られていない雑誌(下左のフォードの広告は余白の赤と商品の白のバランス、同じく白いウサギと競わせるアイデアなど秀逸。実はいま店頭で最も売れてほしくない商品)。

■キャビネットといって思い出しました。今週、キャビネットの引き出しのほとんどが「紙モノ」に入れ替わりました。戦後の百貨店や不二家等の包装紙、唐長製京唐紙、20世紀はじめフランスのユーモラスな写真絵葉書1950年代のアメリカの新聞など。この他、1950~1960年代の海外旅行パンフレット・地図類、同じくチケットや領収証、1920年代フランスの印刷見本など、値付け終了次第キャビネット入りの新着品も控えております。お客様にお手間をおかけいたしますのは大変恐縮ではございますが、小店キャビネットはご自分の手で! ご自由に! 引き出してご覧ください。はい。そうです。キャビネットをご覧いただかない限り、小店の半分も見ていただいていない。ということになりますので。
しつこいぞ私は。ご覧いただいたことにならないと云って思い出しました。画像にとりましたこちらの雑誌、1950~1960年代の『The New York Times Magazine』です。週刊ペースで発行された新聞社発行の雑誌は、タブロイド紙を使っていい感じの古び方。しかも、アメリカの優れた報道写真多数・よき時代のカラー広告多数、で、中面も表紙もご覧の通りなかなかのもの。ケネディーだった普通に登場。それなのに。中までご覧下さった方はこの数週間でまだたったの数名。ううむ。確かに「なにそれのカリスマ。」だとか「選書家。」だとか、そうした人たちが口にしたこともない雑誌であり、「有名なグラフィック・デザイナー」が手がけたわけでもないフツーの雑誌ではありますが。しかし。これは「もったいなかろー」というので画像でのご紹介と相成りました。『銀座細見』のカバーの下に隠された記号ではありませんが、実体のあるモノはいつも非常に複雑な表情を持つものです。『The New York Times Magazine』にしても、並べるのは苦しいものの小店の特徴のひとつであるキャビネットにしても、自ら働きかけることでしか、その複雑な表情は姿を現わさないものです。人から聞いたことのない、ネットからは得られない、そんな何かを先ず最初に自分自身で手に入れる。古本屋という仕事がどこか面白そうに見えるのだとすると、まだまだ駆け出しの私を含めた古本屋が、日々そうした体験を市場を通じ、お客様のお宅に伺っては積み重ねているからなのではないかと思います。知る前に見る。教えられる前に発見する。リアルな空間としての店では、そんな楽しみを味わっていただきたいと切に願うものであります。「定評のある高名な商品が、ほぼない。」そんな困った店に間違って足を踏み入れたあなたには- “いまやアクションあるのみ!”なのであります。 

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