#205 6-1-6 Minamiaoyama Minatoku TOKYO
info@nichigetu-do.com
TEL&FAX:03-3400-0327
sitemap mail

detail

09/10/23 11月5日(木)までは店内放任状態か…? 時間はなくとも新着品はあります少し。


Warning: getimagesize(http://nichigetu-do.deci.jp/img/info_thumb/1256303606311.jpg) [function.getimagesize]: failed to open stream: HTTP request failed! HTTP/1.1 404 Not Found in /home/users/2/deci.jp-nichigetu-do/web/navi/info/detail.php on line 146
1256303606311.jpg

1967年、フィンランドの鉄鋼メーカー組合が発行したPR本『FINNMETAL』。Juha Anttinenという人のデザインで、ロシア・アヴァンギャルド、バウハウスなどの戦前の新興写真タッチとミッド・センチュリー・テイストとの混じり合い具合が絶妙。

■年末に参加させていただくことになった百貨店即売会の目録締切を11月5日に控えているために、今週折角ご来店いただいた方々には雑談の暇もなく、大変失礼をいたしました。移転終了から間もなく目録締切と続くため、古本屋になって以来これほどの忙しさはなかったという慌ただしさに、メールへのご返信も遅れております。いま少し、お時間をいだけますようお願いいたします。一方でこの状況というのは、店主が目録掲載品とニラメッコしている分、お客様には店内商品をごゆっくりご覧いただけるという非常に稀な期間ともいえまして(…はははは)、ご来店の好機としてお勧めする次第、みなさまどうかよろしくお願いいたします。
といったところで今週の新着品から。店頭買い取りでお客様から持ち込まれるご本の中には、しばしば思わぬ発見があるもので『FINNMETAL』もそうした好例。1967年にフィンランドの鉄鋼メーカー組合が発行した英文のPR用資料集で、ハードカバーの書籍の形態がとられています。数値データと各章リード部分を除くと、ほぼ全ページ工場風景や最終製品の写真とビジュアル処理とで構成されています。レイアウトはJuha Anttinenという人。1950~1960年代にフィンランドで活躍したデザイナーで、1950年代にはフィンランド航空のポスターなども手掛けています。ページによって紙質を変え、紙の色を変え、図版によっては粒子を荒らし、1/3を残して断ち切ったページあり、袖を折り込んだページあり…といったいかにもお金をかけた構成で、往時の鉄鋼業界の勢いをうかがわせます。鉄と工場-小店好みのツボをおさえてのお客様の到来に、またしても、市場では見落としてしまいそうな本の存在を教えられました。


Warning: getimagesize(http://nichigetu-do.deci.jp/img/info_thumb/1256303627094.jpg) [function.getimagesize]: failed to open stream: HTTP request failed! HTTP/1.1 404 Not Found in /home/users/2/deci.jp-nichigetu-do/web/navi/info/detail.php on line 166
1256303627094.jpg

レオポール・シォヴォ作・画、山本夏彦訳、昭和22年発行の『年を歴た鰐の話』。戦前、大人の洒落本として山本夏彦が日本に紹介したところ、童話と間違われて売れているようだ…といったことを山本夏彦自身、冒頭で書いています。

■福音館発行・出口裕弘訳でいまも読めるレオポール・ショヴォ作・絵『年をとったワニの話』、こちらは文藝春秋社から復刻版も出ている日本初訳となった桜井書店版・山本夏彦訳『年を歴た鰐の話』の昭和22年発行・第4版です。ネット上、たいへん親切に添えられる現行書の「利用対象」は「小学生」とあって、すっかり童話として扱われておりますが、ショヴォの作品の魅力に惚れこんだ山本によれば、“作者は「無意味」といふ武器で、近代の知性に挑戦して、読者を自在に翻弄している”のであり、“通人の洒落本とも云ふべき”本書は、“童話として世に転々し、その悉くが破れ、棄てられ、一部が好事家の手に帰することを庶幾するのが賢明”だと書いております。昭和16年の初版発行から大戦下を経て当書発行の昭和22年まで4回も版を重ねる程度にはきちんと売れながら、しかしこの本がなかなか古書市場にも出てこないのは、山本の喝破した通りの命運を辿ったものが多かったからなのかも知れません。ごく短いお話の中で何度も複雑骨折を重ねていく皮肉な物語の運びはやはり大人の笑いに近い気がします。絵は全てモノクロの線を重ねて描かれており、これまたお子様にはあまり受けそうにない、けれどとっても洒落たものばかり。まだ紙が配給制だった時代の粗悪な紙に印刷された大人のためのナンセンス絵本は、一体どんな人が大切にしていたのか、この当時としては比較的良い状態での入荷となりました。今週はこの他、ファッション系、デザイン系と傾向はある程度まとまっているものの、まだほとんど内容をつかめていない書籍がダンボール箱で3箱分ほどあり、何が出てくるかは明日からのお楽しみ・面白そうなものから順次店に出していきたい…と思っておりますが、目録が先か。品出しが先か。それが問題で。

inquiry 新着品案内 / new arrival に関するお問い合わせ

お名前 *
e-mail address *
お電話番号 *
お問い合わせ 件名
お問い合わせ 内容 *
  * は必須項目です)

recent