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09/04/18 またしてもケンサクのキーワードにひっかからないものばかり買ってしまった気がする


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『ORNEMENTS DE PERLES DES PEUPLES FINNOIS ET SIBERIENS』はエスキモーやラップなど北方少数民族の服飾&服飾小物のデザインを集めたポショワールのプレート集で、アール・デコ博におけるロシア館の産物。プレート28葉揃の完品。

■先週の長い長い一週間から一転、今週は「あ。」という間の一週間。恒例の金曜深夜の更新となりました。最初はこちら。『ORNEMENTS DE PERLES DES PEUPLES FINNOIS ET SIBERIENS』は直訳すると『フィンランドとシベリアの人々の珠玉の装飾集』といった感じでしょうか。北方少数民族に伝統的に引き継がれていた主に服飾と服飾小物のデザインを細部に至るまでポショワールで表現し、未綴じのプレート28葉にして専用のポートフォリオに収めたもので、1925年にパリで刊行されました。タイトルから「フィンランドとシベリア」に限定されたように見える当書ですが、実際にはエスキモー、ラップからタングースなどまで、地域的にはアジアを含む広範な北方系諸民族がとり上げられています。これは珍しい、いってみれば異色のファッション・プレート集。プリミティブ・アートへの関心と評価が高まっていた当時のこと、「北方少数民族のファッションにまで視線は及んでいたわけか。」程度に思っていたのですが、持ち帰ってからフロント・ピースをよくよく眺めてみれば、小さな字で、1925年のパリ万博、即ちアール・デコ博のロシア館において展示されたなかから優れたものを選んで編まれた、とあります。1924年にはレーニンが死去、スターリン体制がスタートして、一国社会主義の表明とロシア館で打ち出されたものとの連関のなかで、


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ジョン・バチュラー著『AINU FIRESIDE STORYS』は大正13年、教文館発行の初版で扉に著者の献呈署名・年月日入り。表紙には家族と思われるアイヌの人々とその住居の写真が。

こうした展示を位置づけるべきものなのかどうか、そういえば各国パビリオンの“内部”で行われていたことについては意外に手がかりが少ないように思います。慌てて今年1月より架蔵の『ARTS DECORATIFS INDUSTORIELS MODERNES』11冊の記憶を辿ってみても、北方少数民族にまつわる図版など全く思い当たらず…あの時には「これだけで十分」なんて書きましたが、博覧会の奥はどこまでいったも相当に深そうです。
北方少数民族関係ではもう1点、こちらも新着の『AINU FIRESIDE STORYS』。テキストは英文ですが、発行は大正13年、東京の教文館で当書は初版著者宣教師として北海道に渡り、圧政のもとにあったアイヌに教育や医療など温かく手を差し伸べ、アイヌ文化の記録と紹介にも大いに力のあったジョン・バチュラーです。翌年には邦訳(意訳)版『アイヌの炉辺物語』が札幌の富貴堂書房から出ていますが、この元版と思われる当書は非常に稀な上に、扉にバチュラーその人による直筆の献呈署名と年月日が入っております。上製ながら厚紙に色紙と写真を1点貼り込んだだけの表紙、B6サイズに欧文二段組みで104頁という質素な佇まいまでもが、この本の成立の精神を表しているかのようです。
■精一杯の虚勢ということでは正反対の精神というべきか何というべきか、21冊まとまって市場に出たのが『JAPAN TIMES WEEKLY』と同誌を改題した『NIPPON TIMES WEEKLY』。店に届いたところで再度確認する必要はありますが、「満洲国誕生10周年記念号」を含む概ね1942年から1943年に発行された号
 


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『JAPAN TIMES WEEKLY』と同誌を改題した『NIPPON TIMES WEEKLY』、1942~43年頃発行内21冊が入荷。フランスで戦中に発行されていた左翼雑誌に画像右端の写真と非常によく似た図版があった記憶があります…。

1942年から43年といえば日本がガダルカナルやアッツ島で敗戦、第一回学徒出陣へと至る時期にあたり、誌名も発行元の社名も(「ジャパン・タイムス社」から「日本タイムス社」へ)変更されていて、時代の暗さを感じさせます。戦時下を代表する日本の対外広報誌といえば『FRONT』と『NIPPON』。確かにこの2誌の全編を通じた高いクオリティと比べると物足りなさはあるものの、画像のような表現はあちこちに散見され、前記二誌に比べれば断然格安なこうした雑誌も「いまのうち」な気がします。この雑誌、落札しようと思ったのは実は裏表紙。満洲衛生実験所、東亜旅行社など、毎号出稿が変わるフルカラーの広告は完成度の高いものばかりで、この広告だけでも十分価値あり、と見ます。今週はこの他、柳瀬正夢装丁書を含む戦前の左翼文学・思想書12冊明治期の木版刷り・古代更紗図案集二冊組なども新着、前回新着をご案内した戦前の洋書類も明日からは店に出す予定、またcatalogueデータも少しずつアップ作業中です。ついでにもうひとつ。前回の更新でご紹介した『西洋料理献立』の画像左端、晩餐会メニューの表紙に描かれた人はどうやらフランツ・ヨーゼフのようです。例によってお客様のご教示によって判明したことで、自分の不勉強とお客様の有難さとに改めて感じ入りました。不勉強な古本屋だからこそ、どんなに苦労が伴おうと、やっぱり店はやめられないという次第であります。

 

 

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