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09/02/14 扁額『仏説阿弥陀教』- 経典とデジタル界の近似性 ?   


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「沙門 円空瑞元」と銘のある『仏説阿弥陀教』の墨書き写経、絹本・扁額仕立て。デジタルのドットのように文字を抜くことで余白をつくり、この余白で「南無阿弥陀仏」を浮き出させている。

■小店が入居している「パレス青山」では今後数カ月を要する外壁塗装工事のため、今週から足場の組み上げが始まりました。このため小店でもベランダ側の看板を一時撤去、さらに在席の目印になっていたフラッグも当分出せなくなりました。“100年に一度”の余波でニチゲツドウも潰レたかぁ……ってそうではなく。これまで以上にコッソリ営業を続けているだけのことですので(旗が出ていなくても)お立ち寄りいただければと思います。
無事リニューアルなったかに見える当HP(もしかしたらそうでもない???)ですが、実は現在もマイナーチェンジや試行錯誤を続けております。「catalogue」の「並べ替え」もそのひとつで、現在、「発行年度の古い・新しい順」で並び替えられるよう、データの修正を進めております。来週末までにはこれも終える予定ですので、頃合いを見計らって一度お試しいただければ幸いです。さらに「複合検索」、「買い物カゴ」といった機能についても今後の課題として現在継続作業中。速報性が命のネット上で、それに反する息の長い仕事となっておりますが、より使いやすいHPの完成まで、いま暫くお時間をいただけますようお願い申し上げます。
■来週月曜日に開催される「中央市会大市」のため、今週金曜日は神田の市場はお休み、南部支部の入札会に行ってまいりましたが食指の動くものなし(唯一「ロデオボーイ」は欲しかった。いや真面目なお話)。というわけで、今週の新着品は最近の入荷品で当コーナーでご紹介していなかったものから選びます。仏説阿弥陀教』の墨書き写経、絹本・扁額仕立て。見れば一目瞭然誰でもわかるこれだけのことしか分からない。南無阿弥陀仏は確か浄土宗の教えの中核をなす経典、しかし末尾の「沙門 円空瑞元」の円空はあの円空とは思えず、二つ捺された落款は読めず、誰の手かも製作時期も不明(といってもそう古いものではありません)。画像はこれまで3年半毎週続けてきたこの新着案内のなかでも、最もアナーキーになってしまいました。合掌。  面白い、けどよりによって南無阿弥陀仏。このご時世に南無阿弥陀仏。いや、これってむしろ厄払い。しかし私が買うべきものか。買ってどうする…と市場で散々迷った挙句、どう見たって感心するばかり、で、つい買ってしまったという私は罰あたりです。  経典ですのでもちろん全て漢字(旧漢字)、これを1文字約5mm角の墨書きで1行26文字×112行、下書きなしの一発勝負で大きさ・位置ともほとんど狂うことなく、また一か所の潰れもなく書ききった、まさに渾身の作。


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「安政六年巳年」「本銀弐 笹藤」とある『紋本帳』。家紋等紋章を集めたデザイン集には、幾何学的抽象とでも呼ぶべき図案も。 

さらに、この一文字一文字をデジタル用語でいえばドットに見立て、全体としては完全な四角形に収めつつ、ドットを抜いた余白部分で「南無阿弥陀仏」を浮き出させたところは超絶技巧としかいいようがありません(とりわけ斜めの余白のとり方など絶妙です)。緻密な構想と精緻な手仕事との結果、余白として穿たれた「南無阿弥陀仏」の書体は、まるで初期のコンピュータのフォントを見るようです。写経とデジタル・フォント。この意想外の組み合わせで示された近似性には、「古い」「新しい」という単純な区分への揺さぶりだとか、突き詰めてたどり着いた発想のもつ普遍性あるいは限界だとか、実はさまざまな思考へのヒントが隠されているように思うのも、もしかしたら南無阿弥陀仏の有難さ、でありましょうか。これで厄も落ちてくれれば尚有難く、当面は店の飾りといたしますか(店がますますアナーキー……)。
「仏説阿弥陀教」の画像に何を並べるべきか…迷った末に取り出したのが「紋本帳」説明するまでもなく、家紋等「紋章」のデザイン帖で、「本銀弐・笹藤」の墨書き、「本銀町弐丁目・笹金」「笹金」の印があるところなどから見て、キモノなどに紋を書き入れる専門の職人・紋章上絵師の家に代々受け継がれてきたものと思われます。現在店にある三冊の内、画像は安政六巳年」と表紙に書かれた一冊からデータ処理で切り抜き黒バックに置いてみたものです(実際には和紙の上に切り貼りもしくは直接描かれ、和綴されています)。ご存知黄門様の葵の御紋や九曜紋など代表的な家紋はもちろん、松竹梅に麦、筍など植物や鶴亀蝶など動物をモチーフとしたもの、ケルトを思わせる西洋風のがあるかと思えば、ここになければ紋章だとは思いもしない“幾何学的抽象”まで、デザインは多様。「何をいまさら」ながら、どれをとっても相当モダンなデザインです。何より驚くのはその精緻な仕事にありまして、画像では判然としないのが残念ですが、細部を描く非常に細い線は途切れることなく震えもせず、均質に、しかもきっちり左右対称に引かれています。かつて、キモノの紋章書き入れは、染めも仕立ても終えた最後の最後、そこだけ白く抜かれたところに直に筆を入れて完成させたのだと聞いたことがあります。紋章上絵師の失敗ひとつで高価なキモノが台無しになる可能性を思えば、この紋帳程度の仕事は当然だったのかも知れませんが、こちらもまた、手仕事による超絶技巧の凄さをいまに伝える一冊です。今週はいささか仕事が滞りました。来週からはまた気持ちを切り替えて、データの更新にも努めたいと思います。そして16日・月曜日、中央市大市の結果については……合掌。じゃなくってまた来週!
 

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