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08/12/20 サーカスは芸術だ 『L’AME DU CIRQUE』


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1924年・限定403部発行『L’AME DU CIRQUE』。ルオー、デュフィなどのリト及び手彩色プレート14点の他、コクトーなどによる挿画多数。

■来週に入ればクリスマス、それを過ぎれば気分はもう年の暮れ。年内の店の営業日は明日20日(土)、23日(火)、25日(木)、27日(土)の4日間、各日12時~20時となります。慌しい時節、小店も慌てて商品の入れ替えに努めつつ、ご来店をお待ちいたしております。 この仕事を始めてからというもの年の瀬を迎える度に、1年をどうにか古本屋としてやり過ごせたことに安堵を覚えます。毎月末の銀行残高の減少、毎週数度は参戦する市場という名の賭け、売れるか残るか予想もつかない商品、その上にある日々、とは即ち「綱渡り」。今年も何とか綱を渡りきれそうなところで、今週数多ある新着品から選んだのは『L’AME DU CIRQUE』。タイトルは「サーカスの精神」とでも訳せばいいのでしょうか、アカデミー・フランセーズによる道化師の心得をテキストに、豪華アーティストによるビジュアル作品を付し、1924年に限定403部を発行しています。初見ながらキュビスム風の表紙(ポートフォリオ)に目が留まり、開いて見るとリトグラフおよび手彩色のプレートが14点、サインを見ればデュフィのがあって (上の画像左端)、おやおやと慌てて目次に戻ればイラストを寄せた人物名がずらずらずらっと13行。コクトー (なるほど)、スゴンザック (まあね)、ピカソ (来たか御大)、ルオー (ははぁっ)……フランス挿絵本の黄金期にあっても王道に位置づけられそうなこの内容では小店の手には余ります。と思いつつもここひと月ばかり不意に格上の品物が落ちてきたりするのでままよと入札したら落札と相成ってしまいました。テキストは40Pほどの短いものですが、コクトーをはじめプレートを手掛けたアーティストの挿絵も多数、文字組とのバランス、レイアウトも見事な一冊です。この本に欠けるところがあるとすればそれは唯一、「綱渡の極意」なのでしたワタシの場合。


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『Dancers on a Plane CAGE・CUNNINGHAM JOHNS』。1989年・限定200部発行。ジョン・ケージ、マース・カニングハム、ジョン・ケージの直筆署名入り。

■来年、2009年はディアギレフ率いるバレエ・リュスがパリでの初公演を果たしてから丁度100年、そしてディアギレフの死による実質的な解散から80年にあたります。バレエ・リュスの終焉から約四半世紀の後、ディアギレフがストラヴィンスキーやピカソと手を組んだように、新時代の音楽家・美術家と手を組み、ダンスの新しい言語を探り始めた一人にコレオグラファーであるマース・カニングハムがいます。新着品2点目は、『Dancers on a Plane CAGE・CUNNINGHAM JOHNS』。1989年、イギリスで発行された限定200部本で、ジョン・ケージ、マース・カニングハム、ジョン・ケージの三名揃い踏み直筆署名入りです。ロンドンで開催された展覧会に際して発行されたもので、序文はスーザン・ソンタグ。165Pの内、約1/2はケージによるスコア、1968年のマルセル・デュシャンの大ガラスをモチーフとした作品等カニングハムによる公演やレッスン時の写真、ジョーンズの平面作品といった図版で、巻末には資料も付されています。ロマンチック・バレエからバレエ・リュス出現までの時間と、バレエ・リュスからマース・カニングハムまでの距離。20世紀に入ってからの時代の進むスピードは、前世紀の比ではなかったはずです。そして、20世紀の5分の2を生きてきて、いま21世紀も二桁が直近となってみると、ここ一カ月-たったの!-の間に市場で起きていることひとつとっても、そのスピードはさらに加速しているとしか思えません(…単なるトシのせいか?)。来年は一体どうなるのか誰にも予測はつかず、どこで聞いても厳しいという言葉しか返ってこない2008年の暮れ。間違いのないことがあるとすれば、私たちには歴史という豊かな手掛かりが既に与えられていること、なのだと思います。一方、ピンチはチャンスとは誰のいった言葉だったか、こうした逆境だからこそ地べたを這うものは強いもので、今週はこの他にも大量の新着品あり。添田唖蝉坊『浅草底流記』昭和5年版、『詩・現実3』カバー付き、『建築写真類聚』がバラックやらカフェー・レストランやら18冊、戦前左翼系書籍8冊、戦前都市風俗関係書籍4冊、戦前詩集・翻訳詩集5冊、銅版画集『PARIS』他フランスの限定本3冊、『ラテン・アメリカの文学』シリーズ・月報付き(このシリーズは月報も必見)の10冊、果ては上田義彦写真集『INTO THE SILENT LAND』(限定版) なんていうものまで。しかもこれがいま覚えている範囲のことで、実際には他にもあったなぁ……と、先ほど組合のネットに繋いで来週の支払い分を確認いたしましたところ空前絶後の額に愕然としました。しかも払いは年内。ピンチはやっぱりピンチでしかないばかりか、ますますのピンチを招いたようです。綱渡り、最後の一歩が肝心。というのも、やっぱりどこかに書かれていたような気もするけれど……。

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