#205 6-1-6 Minamiaoyama Minatoku TOKYO
info@nichigetu-do.com
TEL&FAX:03-3400-0327
sitemap mail

detail

08/09/20 Information

top080920-3.jpg

石本喜久治著、大正13年・分離派建築会発行『建築譜』(初版)

■明日は営業時間中に台風一過となってくれよと祈りつつ席を温め、その後は9月の爽やかな気候に期待して店は23日(火)、27日(土)、30日(火)の各日12時~20時で営業いたします。「一新会大市」の関係で、24日(水)・25日(木)・26日(金)はお休みさせていただきます。何卒ご理解とご留意を賜りますよう…。 古書市場では市場毎に年に一度の「大市」というのが開催されるのが習わしです。業者向けの目録が出れば心せよと言い含められ、当日何が飛び出すか分かったものではないので少しでもいいから余裕が欲しいなんて邪心にとらわれ、大市前の入札は湿りがちとなる私の場合、やれやれ今週の新着品は僅かなものに終わりました。画像は石本喜久治著、大正13年・分離派建築会発行『建築譜』(初版)。日本の建築史資料のなかではよく知られた本なので説明の要もないのですが、できるだけ簡潔にまとめると“当時工学中心に考えられてきた建築を芸術・デザインの視点で捉えようとした日本初の近代建築運動である「分離派建築会」の創立メンバーのひとり・石本が、遺産処分で得た資金を頼りに1922~23年にかけてドイツを中心に海外遊学した際に撮影した写真や購入した資料の図版から50点を選び、巻頭に自身の解説を付して発行した書籍”ということになるでしょうか。洋行の成果ともいえる当書を出しながらしかし「これと云つて人に聞ひていただく話もなければ自分にも得たと思ふところがない」と洋行の効用をきっぱり否定し、むしろ関東大震災後の「バラツク芸術の出現に当面して非常な感激を受けつつある」といい、末尾に至っては「あまり面白くもない印象的解説を附けて至つて杜撰なこの不体裁な一小冊子を敢えて公に」するのだとあってハスに構えたというか韜晦というか、けれど解説が主にブルーノ・タウト、表現派のハンス・ペルチッヒ、そしてバウハウスのグロピウスの3人で構成されている辺り、そして上製&書き文字タイトル金箔押しというこの本の体裁を眺めるに、この人はなかなかのタヌキであっただろうと思われるのでした。この他、『メタボリズム以後-戦後日本建築の軌跡』等建築関係書約20冊、戦前の雑誌『フォーブス』4冊、1931年海外渡航者が残した紙モノ一括などが僅かとはいえ新着となります。

top080920-1.jpg

「Open-House-Market Series2 築76年・スズキ邸に見る和のしつらえ-中野区・鈴木邸 10月28日(日)開催決定。

■さて、こちらもタヌキ。ではなくて。本当に昨日まで調整が続いておりましたOpen-House-Market Series2が、10月26日(日)で開催決定となりました。画像のアップはまだですが、専用ページには概要とお申し込みフォームをアップいたしました。シリーズ・タイトルは「築76年・スズキ邸に見る和のしつらえ-中野区・鈴木邸」。こちらは数寄屋造りの純和風建築。昭和7年の新築以来、ごく僅かな建て増し部分を除けば、全く手を入れることなくつい最近まで現役を通したというお宅です。新築当時の図面(パース、平面図)も残されていて、当日はこうした資料も展示できればと思っています。後日改めて画像をアップいたしますが、鈴木邸での物品販売は、ガラス器や家具など趣味的な性格のもの、そして建具や建具の部品など、何かの素材として活かしたくなるようなものが中心となりそうです。Series1の村上邸とSeries2の鈴木邸とでは、奇しくもほぼ同時代の個人住宅で空間として見るとカジュアルとシック、販売する商品で見れば実用性の高い商品と趣味的・素材的な商品という両面をご覧いただけるのではないかと思います。この頁の「企画展」の項にある「Open-House-Market」のアイコンをクリックして専用ページをご高覧の上、お申し込みフォームを利用して是非Series1と併せてお申し込みください。来週末頃までには販売する商品の画像を追加アップする予定です。みなさまのご参加を心よりお待ちいたしております。そして決して忘れたわけではない古本屋業。来週「大市」では少しでも面白いご案内ができるようにと念じつつ戦ってまいります。

inquiry 新着品案内 / new arrival に関するお問い合わせ

お名前 *
e-mail address *
お電話番号 *
お問い合わせ 件名
お問い合わせ 内容 *
  * は必須項目です)

recent