#205 6-1-6 Minamiaoyama Minatoku TOKYO
info@nichigetu-do.com
TEL&FAX:03-3400-0327
sitemap mail

detail

08/09/13 Information

top080913-1.jpg

『CHEMINIMENT(=歩み)』 1985年刊行・限定75部。ミシェル・ビュトールとドルネーの署名入り。

■お決まりの営業ご案内。来週も店は16日(火)・18日(木)・20日(土)の各日12時~20時で営業いたします。その後、月内の営業日は「一新会大市」というのがある関係で、23日(火)、27日(土)、30日(火)を残すのみとなります。催事(後述)に気をとられている皆さま、店もよろしくお願いいたします。 店もよろしくというからには「新着品も大丈夫なんだろーな。」という声も聞こえそうで。はい。お陰様で新古本中心ですが、今週は久しぶりの大量入荷。問題は、値段をつけて棚に出しデータを入力する私の手が追い付かないだけでして。そんな今週の新着品から、先ずは『CHEMINIMENT(=歩み)』と題された上の画像、左端の函のサイズで11.5×10.5cmの小さなアーティスト・ブック。1985年にパリで発行された限定75部本です。装丁・図版はドルネー(DORNY , Bertrand)、テキストはミシェル・ビュトール。ビュトールのテキストは、一連の“空間詩”のひとつかと思われます。奥付頁の両名の署名に加え、表2にあたる頁には1989年の日付のあるビュトールの署名があります。本文頁の色の帯が絡み合うような図版の白い部分はエンボス、着色部分の手法がどうもよく分からないのですが、エアブラシを使っているように見えます。書籍本体は開いていくと全長1m30cmに及ぶ紙(一か所貼り合わせ)の片面刷り、函は白の厚紙の上から色紙を貼り込むなど、手が込んでいます。と表層をなぞるのは簡単なわけで、ああ折角のビュトールのテキストが読めない。従って表=造本と内=テキストとの連関を理解することができない。というのは古本屋としていかにも“弱い”なぁ。

top080913-2.jpg

大正9年、音楽と文学社が発行した『ペトルーシュカ』は大田黒元雄の第三訳著集。

■原書には手こずるばかりなので、次の新着品は翻訳書。大田黒元雄著『ペトルーシュカ』は大正9年の刊行(初版)です。大田黒のこの「第三訳著集」は、当時大田黒の大森の自宅におかれていた「音楽と文学社」から発行されました。レイ・ヘンリーによる表題作、アーネスト・ニューマンの「音楽批評家を掛ける罠」など翻訳に加え、文字通り音楽に関して見た夢を綴る「夢と音楽」、コンサートの聴衆を軽妙かつ少しの皮肉をまぶしてスケッチした「WHO’S WHO IN AUDIENCE」と大田黒自身の著作が収められています。「音楽と文学社」からは、当書刊行前年まで同人誌『音楽と文学』が発行され、またこの大森の自邸では月に一度、当時の先端音楽をとり上げてコンサートまで開かれていたといいます。自著の出版にサロン・コンサート。大富豪の一粒種の好き放題と片付けるのはこれまた簡単なことですが、例えばディアギレフのバレエ・リュスの紹介をとっても、この人には常に批評-何を紹介するのかという「選択」を含めた-の姿勢が見られます。流行や先端といった表層をなぞるだけなら、おそらくは、どんな時代にもそう難しいことではないでしょう。けれど、時間とともに変化してやまない表層の、その向こう側にあるはずの客観的な真実や普遍的な核心を説明可能にし、指し示すことのできた人たちだけが-少なくとも古本屋の扱う世界では-名前を残しているように思います。自問はこのくらいにして、大田黒といえば『露西亜舞踊』(大正15年刊行・限定750部の方ですが)も久しぶりに再入荷、この他音楽・演劇の古書・新古本、建築、ファッション、美術関係の新古本等約150冊は日々コツコツと棚入れ&データアップに努めたいと…。 先週までの“さわり”から、今週は決定事項をご案内。「ムラカミさん家のガレージセール(仮)」はタイトルを「Open-House-Market. 2008. October. series.1 築73年・ムラカミさん家に見る昭和のくらし - 大田区・村上邸」に変え、10月12日(日)開催で決定いたしました!お気付きかも知れませんが、series.1ということは…そうです。同じく10月中に場所を変えて「series.2」を連続開催する可能性が濃厚となってまいりました。「series.1」については来週初め頃までに詳細をご案内し、「series.2」についても決定次第詳細をお知らせいたします。ともに個人様宅での開催のため、事前のお申し込みを必須とさせていただきますので、HPの動きにご注意ください(お申し込みフォームもご用意いたします)。 「しばし待たれよ。さらば扉は開かれん!」

inquiry 新着品案内 / new arrival に関するお問い合わせ

お名前 *
e-mail address *
お電話番号 *
お問い合わせ 件名
お問い合わせ 内容 *
  * は必須項目です)

recent