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08/09/06 Information

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1969年開催『クロス・トーク/インターメディア』のプログラム等一式・完揃い。左はスタン・ヴァンダービークによるコラージュ、右は函。

■今週、店にだぁーれも来ないのは何故? 思い当たるフシがあるとすれば…すでに興味は先週さわりをお知らせした秋の企画展に??? うぅーむ。ウチならあり得る。ですが、みなさま。分けても今年の企画展は「余技中の余技」でありまして来週も店は火・木・土曜日の各日12時~20時で営業いたしますので。ええ。なかなかフクザツではありますが。はい。ご来店の程、よろしくお願いいたします。 先週に続いて金曜日の市場はワンフロアーのみ。夏の荷枯れが続いているだけならいいのですが。ともあれ最も落手を願っていたものが落とせたのは幸いでした。二年ぶり、二度目に手にしたそれが上の画像、1969年、翌年に控えた大阪万博の記念イベント『クロス・トーク/インターメディア』のプログラム等一式(正方形の紙箱に10点の冊子・パンフレット等を収めた完揃い)です。このイベント、芸術とテクノロジーの融合をテーマに、前衛音楽を中心として三夜連続で開催された大規模なもので、実験工房、フルクサス、グループ・音楽、草月アートセンターといった戦後日本の前衛芸術シーンを包括したかのような内容と、これに連なる内外主要人物を網羅した顔ぶれが揃っています。企画・構成は秋山邦晴、ロジャー・レイノルズ、湯浅譲二。『エッセイ』と題された冒頭の冊子のそのまた巻頭を瀧口修造の一文で飾るのは当然の人選というべきでしょう。イベントとこのプログラムについての驚くべき詳細は、以前に一度ご紹介したWeb版特集目録『机上のK.K氏』(このページのNo.33)をご覧いただければ幸いです。

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昭和16年『新制作派作品集』。表紙は三岸節子、同人の文章には従軍・時局関係多数。

■日本国民待望の万博前夜、高度経済成長の渦中にあって一万人を集めたという「クロス・トーク/インターメディア」から遡ること四半世紀。そこにはアートに関わる人たちまでもが戦争に駆り出される状況がありました。右の『新制作派作品集』は昭和16年=1931年の発行でモダンな表紙は同派協会会員の三岸節子、同じく内田巌が編集人を務めており、図版の他に同人の比較的長い文章が収められています。翌17年発行の二冊で落札したのですが、二冊を眺めると猪熊弦一郎「コレヒドールへ行く」、小磯良平「南方絵画通信」、荻須高徳「仏印で遭った仏蘭西人」、佐藤敬「従軍想抄」その他、現在再録=再読の難しい従軍や時局がらみの文章がとても多いのに気付きます。「独逸を追はれた猶太人」の脇田和が、ベルリンで見知ったユダヤ人と日本で偶然再会したのを“独逸を疲弊させた”ユダヤ人が日本でも増える“警告”として受け止めているところなんゾ、国際的ポピュリズムとでも評したくなります。もちろん、時局に関係なく画業や日常について綴った随想が主流ではあり、この当時同派唯一の女性同人だった三岸節子が寄せたのは「画事徒然」。自分は“生涯の仕事が明日から始め(ママ)ると思ひきはめる所まで漸くたどりついた”ばかり、しかも“芸術の世界は永遠”なのだから、画家として生きると決めた“私は命が惜しい”のだと。あくまで自身の、画業に対する思いの丈を綴ったかに見えるこの文章ですが、しかし、最後の最後に改行をして置かれた一行は、「命を大切にすることだ。」-あの時代に、同人のなかたったひとりで記した、この短い一行のもつ重みには、付け加える言葉などありません。 さてさて。先週、“さわり”をご案内した「ムラカミさん家でフリーマーケット」ですが、先ずは訂正。フリマではなくこの場合、正しくは「ムラカミさん家でガレージセール」(仮)でした。昭和のくらしの空間をご覧いただく機会でもあることから、オープンハウスといった意味もこめられないかと只今タイトル思案中。販売する商品例の写真撮りは終えましたので、詳細ご案内の文章とご来場申込のフォームなど用意が整い次第、来週後半か再来週初めには当HP内に別ページをアップする予定でおります。会期はいまのところ10/11~13頃の一日か二日を予定(まだ変更の可能性あり。必ず続報でご確認ください)。また、解体直前とはいえ個人様宅での催しとなりますので、必ず事前にお申し込みをいただきます(お申し込みがない方はご入場をお断りする場合もございますのでご注意ください)。お待たせいたしまして恐縮ですが、2004年開催時の様子などもアーカイブでご参考までご高覧いただきながら、いま少しお待ちくださいますようお願いいたします(あっ。2004年の時の商品は全て売り切れ御免なさい)。乞うご期待!

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