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08/08/09 Information

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『ガゼット・デュ・ボン・トン』より、ポール・ポワレ&ジョルジュ・ルパップのファッション・プレート。もちろんポショワール。

■暑さに加えて時に命の危険を感じるような雷雨。加えてオリンピックも開会。古本どころではない時節-というのを言い訳にして、明8月9日(土)、12時~20時で営業した後、8月10日(日)~15日(金)は店、ネットとも夏季休業をいただきます。どうかご容赦のほどお願いいたします。8月16日(土)からは通常の火・木・土曜日の週三日・各日12時~20時で営業いたします。ご来訪を心よりお待ちいたしております。 先週のダダカンから一転、今週の新着品一点目はエレガンス極まりない額モノ。ポール・ポワレの“マント・デュ・ソワール”をジョルジュ・ルパップが描いたファッション・プレート。額の裏側がテープで塞がれているため、プレート自体を確認できないのですが、キャプションの書体、プレートのサイズや紙質などから見て『ガゼット・デュ・ボン・トン』に収められていた一枚と見て間違いないでしょう。額の裏が開けられないのは困りもので、デジカメではこれが限界でしたが、実際にはこの画像の数十倍素晴らしい…赤と白と黒との目にも鮮やかなコントラスト、ゆったりとしたローブの流れを描いた繊細な線と極淡い白を刷いて表された模様、ローブと同じ赤の差された爪先等々…のは、やはり現物をご覧いただくしかありません。そこまでいうなら額からはずしなさいヨ、とはご尤もなのですが、ステンシルで彩色されたシックな花模様の額、溝をあしらうことでより立体的に見せるマットと、今回に限っては額装自体捨てがたいものがありまして悪しからず(ホントに手を抜いてるんじゃありませんてば)。ポワレ&ルパップという最強のタッグマッチとはいえ、フランスは1920年代にしてこの洗練。横目で見た2008年オリンピック日本選手団のユニフォームは……遥かな時を経ていまやカワクボ、ヨージを擁するに至った国としてはいかがなものかと思うのは私だけでしょーか。ヘルツォーク&ド・ムーロンは中国でもカッコいいけど。

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金星堂「世界プロレタリヤ文藝選集」の二冊。ともに革命ロシアに対して批判的な内容。

■タダカンと『ガゼット・デュ・ボン・トン』。アナーキーと洗練。落ち着きどころを見出せぬまま、この両端の間を右往左往し続ける小店。なので。新着品二点目は金星堂「世界プロレタリヤ文藝選集」のうち、イレーツキイ著・工藤信訳『鼠陥し』中島信訳『牢獄通信』(ともに昭和5年発行・初版)。後者の著書名は「政治犯十数人」。著者=政治犯。しかも十数人。頭数、正直不明。何といいましょうか、そこはかとなく迫力の漂う著者名です。他に類書はないかと、いまちょっと「日本の古本屋」でケンサクしてみました。「政治犯を救う会」はあっても「政治犯」というのは他にありません。残念です。横道にそれましたが、方や政治犯、方やイレーツキイ=「現代露西亜の傍系的戯曲家・小説家」を著者とするこの二冊、どちらも「革命ロシア」に対する批判の色濃い内容です。「プロレタリア」と冠しながら、「革命ロシア万歳!!」一色にならないあたり、とてもまともだと思います。このシリーズの内、以前扱ったアレクセイ・ガン著・黒田辰男訳『構成主義芸術論』も全く同じ装丁でしたが、この三冊に限っていえば、装丁者は図版に添えられた「ken」というサインでしか示されていません。巧みな図案と構図、バランスに優れたタイポグラフィ、二色印刷という制約の中でそれを効果的に活かしたデザインはかなりのものだと思うのですが、果たして「ken」とは一体何者なのか-既に目いっぱいの宿題に、もう一つ宿題を加えての夏休み突入です。ビンボー暇なし。誠に至言であります。 8日(金)は神田・五反田と市場をハシゴ。五反田の落札結果は月曜日に判明します。この他、店には現代美術関係の図録・芸術論考各種図書多数入荷。来週金曜日にはそうしたもののなかからまた新着品をご紹介いたします。暑さ厳しき折、みなさまにはどうかくれぐれもご自愛くださいますよう祈念申し上げます。そして、楽しい夏休みを!

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