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08/06/28 Information

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『XXe SAISON de Serge de Diaghilew 10 Galas des Ballets Russes』。1927年、サラ・ベルナール劇場で開催されたバレエ・リュス公演の公式パンフレット

■今週月曜日、市場出品のためにお客様からお預かりしたご蔵書が3t車で1.5台分…ご同業のご協力を得つつ、今週から当面週に二日は古書会館に引き籠っての仕分け作業が続きますが、来週も店は火・木・土曜日、各日12時~20時で営業いたします。かつてはお客様宅にお伺いしたところで量に圧倒されたり分からない本にとまどったり、素直に「これは無理!」と思たりしたものですが、最近では「まっ。どうにかなる。」と思えるようになったのも十余年の古本屋歴の賜物か。心身ともに少しは頼もしい古本屋になったもんだ。といいたいところですが、いまだに不案内な本多数、つい四ヶ月前には肋骨を疲労骨折…何とも怪しい。年々厚くなるものはといえば-腹の辺りの贅肉と、何よりツラの皮ばかりでございます。 さて、今週は久しぶりにパリからの到来品あり。新着はともにそのなかから。上は『XXe SAISON de Serge de Diaghilew 10 Galas des Ballets Russes』。1927年、サラ・ベルナール劇場で開催されたバレエ・リュス公演の公式パンフレットです。5月27日から6月9日までの期間中に10回の公演がもたれ、エリック・サティ作曲の「メルキュール」、そしてプロコフィエフ作曲の「鋼鉄の歩み」の二演目が初演された公演です(ともに振付はマシーン)。日別演目については扉に記載があり、また、小店でこれまでに扱ってきたパンフレット7点のなかでは、珍しく舞台美術まで写り込んだ写真が7点と比較的多く掲載されています。上の画像中の右下・横に長い写真は「ロミオとジュリエット」の舞台から、ずらっと並ぶダンサーたちの足元だけを撮影したもの。こういう洒落っ気も嬉しいではありませんか。この他、今回画像にとったのは左からイラストで構成された表紙、マシーン、バランシン、構図が素晴らしいウィジコフスキーのそれぞれ肖像、そしてマン・レイ撮影によるリファールのコスプレ(?)と、いまから82年前の綺羅星の如き布陣。来年はバレエ・リュス初演から数えること100年。ユーロ高、燃料税の重圧をはね返してパリに行くためには……働きなさい。

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ブレネレスキのイラストをあしらった1927年発行「トゥーランドット」より「泣くなリュー」の楽譜。

■同じ舞台でもこちらはオペラ関係。日本では荒川静香とパバロッティの口パクでも知られるようになったプッチーニの「トゥーランドット」より歌曲「泣くなリュー」の楽譜。1927年の発行で、深い紺を地色に金をあしらった中国趣味のイラストは当時、挿絵本でも活躍していたブレネレスキが手掛けています。以前、プランタン百貨店がやはりシノワをモチーフに作った「アジャンダ」でも、この人の仕事を見ていますが、確かにシノワを描かせると上手い。画像では残念ながら金ベタにしか見えない部分にも雲霞や鱗の地模様が敷かれるなど、この楽譜でも細部にわたるこだわりを見せています。日本でも、セノオ楽譜の竹久夢二を筆頭に、杉浦非水、恩地孝四郎、斎藤佳三などなど画家や商業デザイナーが手掛けた楽譜が多く見られますが、おそらくこれは音楽が「趣味」として広まった近代の一現象を背景としているものであり、たかが楽譜のペラ一枚の後ろにも、間違いなく潜んでいる何かがあります。この他、パリからはこちらもイラストがなかなかのエメリヒ・カールマン作曲オペレッタ「Die Baiadere(インドの舞姫)」の楽譜、藤田嗣治がジャケットを手掛けたダミアのレコード、カッサンドルの扇子(赤)、ニコラのワインリスト、ベトナム反戦ポスターなどが入荷。また、ビバンダム君が昔の姿で出ています1910年代ミシュランの観光ガイド2点、『ニジンスキーの舞踊芸術』(クララ社版)、戦前映画広告集4冊などが今週から来週にかけてお披露目となる予定。店は棚も引き出しも入れ替えを始め、溜まっていた紙モノの整理にも漸く着手いたしました。気が向いたら覗いてやってください。

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