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08/03/08 Information

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『ASAMA MARU(浅間丸)』の豪華パンフレットと開くと巨大な一枚刷りパンフ『NITTA・YAWATA・KASUGA-MARU(新田丸・八幡丸・春日丸)』 いずれも戦前・日本郵船発行。

■全治1ケ月。整形外科のセンセイの言葉はまるで予言のようでした。ある日、忽然として痛みが消えた肋骨骨折。数えてみれば骨折が判明して丁度ひと月のことでありました。ご心配をおかけいたしましたがお陰様で完治です。毎日牛乳。これだけは続けます。来週も店は火・木・土曜日の各日12時~20時で営業いたします。乞うご来店! 何だかよく眠れたなぁ。と思いながら寝ぼけ眼で目覚まし時計を見れば…13時。あろうことか!市場の開札スタートまで残り30分!!どうしよう。もう無理。でも行かないと。というわけで、今週は辛うじて間に合った後半戦のみの参戦となりました。「ここで買えねば新着品がないゾ。」という緊張感がむしろ功を奏したものか、これだけは意地でもと思った戦前の日本郵船の案内三点一括、何と1,000円という僅差で、ここのところずーーーーっと負け続けていた某書店さんを振り切って落札。上の画像はこのうちの2点、表紙にアール・ヌーヴォー&ジャポニスムの王道的図案を配し、金色づかいも印象的な『ASAMA MARU(浅間丸)』の超豪華なパンフレットと、昭和15年に竣工した『NITTA・YAWATA・KASUGA-MARU(新田丸・八幡丸・春日丸)』の大判・極美パンフレットです。『ASAMA』は20.2×44.5cmという極端な横長。表紙を開くとやはり贅沢に金色を使って描かれた客船の全容が現れ(画像左下・変則的なサイズはこうした中面により招来)、さらにその下からは、ボート・デッキ、Aデッキ、Bデッキ…と続いてEデッキまで、ページを開くたびに船内各層別、ということは概ね等級別の構造・配置が現れるという趣向。いまでも大きな建造物を輪切りにして見せる絵本がありますが、ちょうどあんな格好だと思ってください。一方、『NITTA~』はペラものながら全て開くとタテ66cm・ヨコ90cmに及ぶ、ペラものと呼んでしまうには巨大な代物。両面とも図版の一部はカラーで印刷されています。浅間丸の就航は昭和4年なので、こうして表紙を並べてみると、新田丸等の竣工までの約十年の間に、デザインはアール・ヌーヴォーからアール・デコへと着実に変化したことが明らかです。十年の歳月はしかしそればかりではなく、「浅間丸」が当時から“太平洋の女王”と称され、いまもって我が国戦前の代表的な名船と謳われるのに対し、「新田丸」「八幡丸」は欧州航路用に建造されながら欧州第二次大戦勃発により太平洋航路へと航路を変更、それもつかの間、数年後には太平洋戦争に向けて航空母艦に改修、また、「春日丸」に至っては完成を目前にして海軍徴用にあい、客船として使われることは一度もなかったといいます。今回落札した3点には、画像の2点の他に『欧州航路新造船 新田丸 八幡丸 春日丸』のこれまた豪華なパンフレットがあり、「客船」としての春日丸は、新田丸・八幡丸が行くはずだった「欧州航路」は、そして日米開戦以降やはり海軍に徴用され、輸送船へ、交換船へと転用され、やがてアメリカ軍によって撃沈された「浅間丸」の優雅な姿は、わずかに、こうした紙の上に残されることになりました。

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『資生堂 HOME CALENDER ご家庭暦 1931』 は布装表紙、巻頭「表情美」は山名文夫の仕事。

■さて次は、市場の隅の方に置かれていたダンボール箱をひっくりかえしていて気付いた一点。ほぼこの一冊のために落札。誰も気付いてないだろうな。安く落とせますぜ。へっへっへっ。と思っていても、落札は上札。一体、誰が気付いたものか。かように市場は塩辛く…ええ。いや。気を取り直して。その一点というのがこちら、『資生堂 HOME CALENDER ご家庭暦 1931』。昭和5年=1930年11月に発行された小冊子で、各月の催事行事等の暦に、月別の化粧法アドバイス、料理や映画に関する短いお話などを添えて構成されています。内容や発行意図などは世界初の百貨店・パリのボン・マルシェによって19世紀後半に発案され、以来彼の地での流行~定着をみた「アジャンダ(=優良顧客向けに用意された暦 兼 家計簿 兼 便利帳)」に範をとったものと推測します。この当時、資生堂には山名文夫が席を置いており、布装の表紙から裏表紙にかけて展開するイラスト、中面巻頭4ページを飾るカラー刷「表情美」の瀟洒なイラストと紙面構成などは、山名によるものでしょう。中面センター見開きには、“資生堂といえば?”もちろん“東京・銀座!”の街並み航空写真の上に資生堂商品をフォトモンタージュした4ページがあり、こちらもなかなかの出来栄えです。実をいえばこの冊子、すでに一冊在庫しているのですが、二冊の裏表紙を並べてみると…在庫分には「京都四条高倉 大丸」、今回落札した方には「伊勢崎町西町 星野小間物店」ときっちり刷りこまれています。有力な販売代理店にはおさおさ配慮怠りなく、いちいち名入れをして提供したということなのでしょうか、がしかし表紙の素材はこの場合紙ではなく布、しかも二色。コストは果たしていかほどか? 有力店とは一体全国に何店あったのか?? いや待てよ。相手に買わせれば問題解決ではないか???…ブランド・ビジネスというもの、いまもむかしも、実にタイヘンなことではあるようです。 あと少し、簡単なご案内など。/活版印刷の欧文活字(イタリック等数種・字種欠けあり)、算用数字、約モノ(記号符合等)が少々入荷、店頭に置きはじめました。文選箱、木箱なども少々あり。こちらは店でお声をおかけください。/“商品化途上”とお伝えした紙モノ、第一弾を引き出しの一番上に入れました。来週末までには第二弾も店頭でご紹介の予定です。/HP全体のリニューアル予定が大幅に遅れております。場合によっては6月頃になるやも知れず、不便な点等多々あろうかと存じますが、いましばらく現状のままお付き合い下さいますよう、何卒よろしくお願いいたします。/相変わらず美容関係の雑誌を探しております。誌名・年代・状態にもよりますが高価買い入れいたします。こちらもよろしくお願いいたします。/春眠暁を覚えず。早起きは三文の得。みなさまも寝坊にはご注意を。

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